古本 海ねこ トップページへ戻る

世界の絵本

根強いファンから熱い支持を集め続けている「世界の絵本《。
レイアウト 辻村益朗・安野光雅ほか
絵本のラインナップがみごとで、編集者の手腕とセンスを感じさせます。
この時代の児童書にはたいてい丁寧な解説文が添えられていましたが、その流れを汲んでいるのでしょうか。
1冊1冊、巻末に丁寧な解説文が添えられ、文章から伝わってくるのは、絵本への深い愛情。
薄くクリーム色がかった、ざらっとした紙が、いい味を出しています。
いずれも右開きで、日本人向けにアレンジされています。
中谷千代子・絵のものを除いては、もともとは左開きだったはず。
縦書きに文字を入れるのに、苦心しながら作られたのでは?
今となっては幻となってしまった(一部除く)絵本たちですが、
完成度の高さから、できれば1冊1冊コツコツ揃えたくなるような吊シリーズだと思います。

カバーなしの裸本です。函があったという噂もありますが、どうなのでしょうか?
いずれも、30年ほど前の古書です。経年を考えますと状態はよいほうだと思いますが、
それでもシミ、表紙の細かいキズ、イタミなどは多少ありますので、ご了承ください。



covercover品切れ 世界の絵本 フィンランド ボタンくんとスナップくん オイリ・タンニネン 絵・文 渡部翠・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の7刷
3400円 B 背の天地・本体角少イタミ スレ

こびとさん一家は、おとうさん、おかあさん、12人の子どもたちで暮らしています。
もうすぐ冬。おとうさんは冬のおうちを探すため苦心していました。
みんなで一緒に住める大きな家を探したい。
ところが、なかなか見つからなくて、ふたごのボタンくんとスナップくんは・・・。

オレンジ・黄色・スミ(黒)の3色刷り。
上品な色づかいと、グラフィカルで温かみあふれるイラスト。
北欧らしい、洗練された絵柄と優しいお話です。

「タンニネンさんは一九三三年七月、庭には、大輪のしゃくやくの花がいっぱい咲き、
森にはしらかばがのびのびと美しい、フィンランド、カリヤラ(カリレア)地方の村に生まれました。
十冊近い作品のうち、この「ボタンくんとスナップくん《をはじめ、
約半数が、アンデルセン賞を、他のものも、
トペリウス賞、アンニ・スワン賞、ルドルフ・コイブ賞などを受けています。
「ボタンくんとスナップくん《は、実際に、タンニネンさんをふくめた
フィンランドの多くの人々が、住宅難で困っていたときに生まれました。
でも、だれも、この本に、そんな大きな社会問題がふくまれているとは気づかなかったそうです。
子どもたちは、ただ、小人くんの、やさしい、いっしょうけんめいな心に感動したのでした《(当時の解説 より)

ハードカバー 30ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



covercover品切れ 世界の絵本 オランダ とりのクリスマスツリー フランス・ファン・アンロー文 ヤープ・トル絵 朝倉澄・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の7刷
3200円 B 背から表紙にかけての部分少イタミ・シミ 小口ほか少シミ 本文シワ

もうすぐクリスマス。
都会暮らしのマルクは、田舎のおばあさんの家へ行くことを楽しみにしていました。
おばあさんの家は、こんもりとした静かな森に囲まれています。
今年は寒くて、森のけものたちにパンをあげなくてはならず、
すっかりお金を使ってしまったというおばあさん。
大きなケーキがツリーのどちらかにしてほしいと
おばあちゃんに言われて、マルクはツリーを選びます。
素敵なもみの木を買ってきたものの、飾りを買うお金はなく、
どうしたら、マルクは喜ぶかしら、と、おばあさんはため息。
ところが・・・。

「フランス・ファン・アルローは、オランダのすぐれた女流詩人。
アムステルダム大卒。ひとりの娘とふたりのむすこの母、
オランダ果樹園地域の中心地ティールに住んでいる。
大理石の暖炉や彫刻で飾られた、ジプシー・ワゴンと呼ばれる車を、
二匹の小うまに引かせて、休日にはよく家族とともに、おとぎ話そのもののような旅を楽しんでいる。
ヤープ・トル(一九二六~)十七歳以後、何回もの個展をもった。
デザイン画家としても特異の才をもっている。
若いとき、人形ショーをもって、オランダ国内はもとより、アジアまで旅行した。
また、オランダからイタリアへの旅行もした。
「とりのクリスマスツリー《は、かれの絵本お第一作である。
現在、アルクマールに近い海に臨むベルヘン村に、妻子と住んでいる《(当時の解説 より)

色彩豊かな絵柄。人としてどう生きるべきか、という深い部分にまで触れた内容の濃い絵本。
子どもから大人まで、その人の経験値によって、さまざまな読み方が可能でしょう。

ハードカバー 33ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 スイス 少年と大きなさかな マックス・フェルタイス絵・文 椊田敏郎・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
3300円 B 本文少シワ 小口ほかシミ

つりの好きな男の子。夢にまで見た大きな魚をつることができました。
人から食べるのかと聞かれても、生かしたままで幸せにしてやり仲良くしたいと答えます。
ところが、家に連れて帰ってバスタブに入れても、
魚はぜんぜん幸せそうじゃなくて・・・。

仲良くなりたい男の子の思惑とは裏腹に、閉じ込められてぐったり、
のびのび動き回れる夢を見た魚が空を飛ぶ絵柄には、ぐっときます。
1ページ大の絵のほか、見開きいっぱいに描かれた絵が3点。胸を打つすばらしさ。

「この絵本の著者であり、画家でもあるマックス・フェルタイスさんは、オランダの生まれです。
国際裁判所で有吊な港町ハーグで絵の先生をしています。
広告の絵で、なんども賞を受けていますから、グラフィックデザイナーとしても
すぐれた才能があるのでしょう。はじめて児童書を手がけたのは、一九六四年で、
二冊目の児童書としては、ミシュカ・ダミヤンが話を書いた「おおかみと子やぎ《のさし絵があります。
・・・(中略)「少年と大きなさかな《は(中略)最初からオランダのほかに、アメリカ・イギリス・
ドイツ・南アフリカなどで同時に発売されるように、それぞれの国のテキストがつけられました。
わたしの用いたのはドイツ語版ですが、英語版などとくらべても国々で少しずつちがいがあります。
・・・(中略)自然・自由・平和への強いあこがれが底に流れています。
それも現実と夢の世界のまぜ合わせで、ロマンチックなふんいきのうちに
自然に胸に伝わってくるようなストーリーです。
絵もそれにふさわしく、明るさ・楽しさのあふれたものです。
かれの奥さんも児童もののさし絵をかいていますし・・・(以下、略)《(当時の解説 より)

ハードカバー 30ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover世界の絵本 スイス アビニョンのりゅう ユルゲン・タムヒーナ文 ハイドルン・ペトリーデス絵 宮下啓三・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
3200円 B 裏表紙はじ紐をかけたような小さな凹み 本文少シワ 小口ほかシミ

プロバンスの川のほとりで、平和に洗濯していたおばさんたち。
ところが、川をつたって突然、巨大なりゅうがやってきたから大騒ぎ。
大人たちがりゅうをいかに退治するか真剣に相談しあうなか、
少女ドミニクはりゅうを怖がらずに、りゅうの心を開くのです。
それを見た子どもたちもりゅうと仲良くなって、やさしいりゅうと人々の交流が・・・。

イラストは、ページによってカラー、2色、モノクロ(インクがスミ=黒だったり、
色のついた紙に黒で印刷されていたり)と、いろいろです。

「(ユルゲンとハイドルンは)ともに一九四四年生まれの、若さにあふれた夫婦です。
ふつうは、物語ができてから、それにあわせて絵がかかれるものですが、
このふたりの場合は、物語と絵が同時につくられていったのに相違ありません。
奥さんのハイドルン自身が物語をつくるのが大好きな人なので、
ご主人のユルゲンが書いた物語には、奥さんのアイディアがたくさんまじっていることでしょう。
絵と文が、これほど調和している絵本は、そうたくさんはありません。
・・・(中略)ポーランド生まれのハイドルンは、西ドイツのミュンヘンで小さいころから絵をならい、
その後、ハンブルクで地理学を学んで、今そこで学校の先生をしています。
十五歳のときには、自作物語に絵をそえた本を出して、ヨーロッパの多くに国から注目されました。
「アビニョンのりゅう《は、一九六八年、ふたりが南フランスの
プロバンス地方に長く滞在しているうちにできました。
ご主人のユルゲンはトランペットを吹く音楽家で、学校の先生もしています。
また、いくつもの物語を書く文学青年でもあります。
ふたりは、日本で教育と音楽を学びたいそうです(以下、略)《(当時の解説 より)

ハードカバー 41ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 フランス おやすみなさいこどもたち くまのヌーヌーいなかへいく
クロード・レイデュ文 ポール・デュラン絵 木村庄三郎・訳

講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
2800円 B 背の下側少ツブレ 表紙・小口ほかシミ 表紙と背の境目、細い裂け目

春、学校の休みに、ニコラとマリーは、友だちのポールのうちへ行きます。
田舎へ行ける。うれしい、うれしい。
くまのヌーヌーも、うれしい、うれしい。
いっしょに行けるからです。

真ん丸い、つぶらな瞳の子どもたちが森で体験するできごと。
「ねむりのかみさまは、雲の上から金色のすなをまきます。
さらさら さらさら、金のすな。
きらきらきらきら、天の星。
ほうら、あのうちの子も、このうちの子もねむっていますよ《
こんなチャーミングな絵本をベッドで読んでもらう子どもが羨ましい。
このシリーズ、見返しには夜の街が描かれ、雲の上には眠りのかみさま、お手伝いをするヌーヌー。美しい絵が夢の世界へといざないます。

「おかあさんがたは、夜、子供を寝かせるとき、
どんなお話をしてやったらいいかしらと、毎日毎日思います。
この「おやすみなさいこどもたち《シリーズは、そういうおかあさんがたの要望にこたえる本です。
くまのヌーヌーを主人公にしたこのシリーズを書いたのは、
フランスのクロード・レイデュさん(スイス生まれ。一九二七年~)です。
これらのお話は、数年前から次々とフランスのテレビで放映され、非常な人気を博しています。
くまのヌーヌーは、いまやフランスの子供たちのアイドルです。
絵をかいたのは、フランスの有吊な絵本画家、ポール・デュランさん(一九二五年~)です。
このふたりの協力で、このシリーズは、これからも、どんどんふえていきます。

「くまのヌーヌーいなかへいく《は、たいそう単純なお話です。
でも、その中にもちょっとしたしんのようなものはあります。
「森の木を切ってはいけない《という教えです《(当時の解説 より)

ハードカバー 29ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 フランス おやすみなさいこどもたち くまのヌーヌー海へいく
クロード・レイデュ文 ポール・デュラン絵 木村庄三郎・訳

講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
3300円 B 表紙・裏表紙に小さなキズ・ヨゴレ 背の下側少ツブレ 小口ほかシミ

「きょうは、つりにいこう《と、くまのヌーヌーがいいます。
帽子をかぶり、上着を着ています。金ボタンきらきら、船長さんです。
いかりを海に放り込もうとして、逆にいかりに引っ張られて海にもぐっていくヌーヌー。
魚いっぱいの海中からボート上のみんなを眺める見開きいっぱいの絵柄。
ボートのモーターが破裂して、ヌーヌーが仰天、帽子がはねがる絵柄。
動きがあり、ちょっとしたアニメか映画でも見ているかのようです。
「このシリーズのお話は、どれも単純ですが、
その中では、「くまのヌーヌー海へいく《が、もっともよくヌーヌーのイメージを表していると思われます。
根はたいそう善良です。それゆえ神さまのおてつだいをします。
でも、なんというあわてもの。じつに滑稽です。
・・・・・・寝床の中で、おかあさんからお話を聞いているこどもたちは、みんなくすくす。
でも、そのうちに、いつかスースー《(当時の解説 より)

ハードカバー 29ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 フランス おやすみなさいこどもたち くまのヌーヌーとこやへいく
クロード・レイデュ文 ポール・デュラン絵 木村庄三郎・訳

講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
2800円 B 表紙と背の境目あたりにヨレ 中ページオレすじ・少ヨゴレ 24ページに裂け目あり 小口ほかシミ 製本の糸ゆるみ

「ねむりのかみさまが、雲の上から金色のすなをまきます。
すると、子どもたちは、すやすやとねむります。
くまのヌーヌーは、かみさまのおてつだいです。
はしごをつたって、青い空からおりてきます。
さあ、みなさん、もうねる時間ですよ。この本を見て、しずかにお休みなさい《
・・・と始まるのですが、その割には、
ニコラとマリーがとこやさんごっこをして、大騒ぎ。
お客さん役のヌーヌーは大変な目にあいます。
だけど、きれいになって、みんなにこにこ。
とこやさんはあんまり好きじゃないけど、きれいになるためにはちょっとはガマンしなくちゃね。

「このシリーズのストーリーは、みんな明るくて単純です。
単純なればこそ、幼児の心にすなおにはいり、快い眠りを誘います。
子どもの静かな寝息を聞くと、おかあさんは、ほっとして、
これで、きょう一日のわが子との触れ合いも終わった、という思いにひたります。
おやすみなさい子どもたち。この本は、そういう本です《(当時の解説 より)

ハードカバー 29ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 フランス 三びきのライオン ポール・ブクジル文 ジョゼフ・ウィルコン絵 那須辰造・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の7刷
3300円 B 表紙角・背の下側少ツブレ 見返し僅か裂け目 小口ほかシミ

三びきのちびっこライオンが、おりの外へ出て
動物園のさまざまな動物たちに出会います。
とらのおばさんをママと間違えて、とらのおりに入り込んで眠って・・・。

「この「三びきのちびっこライオン《は、フランスとポーランドで同時に出版されました。
絵をかいたジョゼフ・ウィルコン(Joseph Wilkon 一九三〇年生まれ)さんは、ポーランドの絵本画家です。
たいそうあたたかい感じのする、おだやかな絵をかいて、楽しい絵本を何冊も出しています。
・・・・・(中略)ウィルコンさんの絵は、ぼうっとしたかき方ですが、
三びきのちびっこどもの目を、まあ見てごらんなさい。
好奇心といたずら心のいっぱいな子どもの心理が、実によく表現されていて、感心させられます。
愛情の画家とよびたい人です《(当時の解説 より)

ハードカバー 33ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover世界の絵本 フランス・日本 ラオのぼうけん ルネ・ギヨ文 中谷千代子・絵 中谷千代子・長野るり・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の7刷
3200円 B 見返し・1Pシワ・扉・小口ほかシミ

アフリカの森で暮らす小ライオン・ラオのお話。
獲物を探しに母親ライオンが出かけた間、ラオは遊びに夢中になった挙句、迷子に。
行く先々でさまざまな動物たちに助けを求めるものの、
ライオンを怖がる動物たちに相手にしてもらえません・・・。
さて・・・。

「この本の作者ルネ・ギヨ氏は、一九〇〇年フランスに生まれました。
一九二五年アフリカにわたり、二十何年も長い間アフリカで中学校の先生をしながら生活し、
ジャングルや大草原の野獣たちの生活にたいへん興味を持っていました。
一九五〇年にフランスに帰り、少年少女のために小説を書きはじめました。
一九六四年にはアンデルセン大賞を受賞され、
日本でも「ぞうの王子サマ《をはじめ動物を主人公にした多くの小説が翻訳されています。
・・・(中略)この「ラオのぼうけん《は、日本の子どものために、氏が書きおろしたお話です。
・・・(中略)ギヨ氏の数多い作品のなかで、小さな子どもための絵本になったのは、これが初めてです。
しかし、この絵本の完成を見ぬうちに、一九六区年の三月、ルネ・ギヨ氏は急逝されました。
・・・(中略)そしてこの絵本がギヨ氏の最後の作品となってしまいました《(当時の解説 より)

ハードカバー 39ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 ドイツ こりすのホプシー ハンス・ペーター・ティール文 ペパール・オット絵 矢川澄子・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の8刷
2700円 Bー 表紙の何箇所かに小さなキズ 裏表紙にマジックあと 小口ほかシミ

茶目っ気たっぷり、いたずらだけど、みんなの人気者ホプシー。
ひょんなことから森からおばあさんの家へやってきて、
町へ、そして、空へ、今度は海へと大冒険。
クジラに飲み込まれたら、胃袋の中でネコと遭遇して・・・。

矢川澄子の訳文がリズミカル。元気な絵本の内容にぴったり合っています。
イラストは、カラーと2色が見開きごとに交互になっています。

「このゆかいなこりすの絵をかいたペパール・オットさんは
一九二九年、ドイツはミュンヘンの生まれ。
その地のグラフィック・アカデミーを卒業したのち、
いまでは童画家として、絵本や教科書やテレビ映画などにひろく活躍しているもようです。
絵ばかりでなく、人形しばいの人形づくりなども数多く手がけているそうです。
まるっこいほっぺたをした、おどけた表情の主人公たち。
このいかにも庶民的で、気取ったところのないスタイルとあかるい色調が、
だれにでもよろこばれるのでしょうか《(当時の解説 より)

ハードカバー 33ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 ドイツ くつやさんとはだかのこびと グリム兄弟・文 カトリン・ブラント絵 塩谷太郎・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の7刷
3400円 B 表紙ハジ少イタミ 小口ほかシミ

おなじみのお話。小人たちが作った靴がずらーっと並ぶ絵、
躍動感のある小人たちなどなど、子どもっぽすぎない絵がとてもいい感じ。

「この本の絵をかいているカトリン・ブラントは、一九四二年ホンブルグ(ドイツ)に生まれた、
まだ若い女流画家です。絵本の仕事はこれがはじめてですが、
これによって一九六八年度ドイツ児童図書賞の絵本賞と、イタリアで印刷芸術賞をうけました。
彼女のかいた絵本はまだ三冊だけですが、すでに、イギリス・アメリカ・
スウェーデンなどで出版され、有望な新人としてたいへん注目されています《(当時の解説 より)

ハードカバー 23ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ

中ページを見る



cover品切れ 世界の絵本 アメリカ しろいやぎビケット フランソワーズ絵・文 曽野綾子・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の5刷
3200円 B 表紙ハジ・背の下側少イタミ 小口ほかシミ 本文少シワ・少ヨゴレ 解説ページに小さい裂け目

「まりーちゃんとひつじ《「まりーちゃんのくりすます《でおなじみ。
時代を超えるような愛らしい絵柄と、ほのぼのとしたお話。訳文は、なんと曽野綾子。
見返しごとにカラーと2色印刷が交互になっています。

「「しろいやぎビケット《の作者フランソワーズ・セニョボスクさんは、
一九六一年、フランスで死ぬまで、町にある仕事場と、農場との間を、いききして暮らしていました。
・・・(中略)フランソワーズさんは、なかでも大家族をかくのが好きでした。
十人も十二人も子どものいるような家庭です。
・・・(中略)それなのに、フランソワーズさんは、結婚もしなかったし、
一生、子どもをもつこともなかったのでした。
フランソワーズさんは、後に美術学校や美術大学で何年間も勉強しました。
パリで出版社の仕事をしていたとき、自分の絵がアメリカへ送られていくのを
見ていたフランソワーズさんは、自分もそこへ行って勉強したいと思うようになりました。
・・・(中略)フランソワーズさんの両親が、農場を買ったときから、
彼女は、動物に愛着を覚えるようになりました。
フランソワーズさんの、子どもと同じような純粋な目で描かれた物語は、
いまも世界じゅうの小さい読者たちに愛されています《(当時の解説 より)

ハードカバー 32ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 アメリカ 空とぶホッケー・スティック ジョリー・ロジャー・ブラッドフィールド絵・文 飯沢匡・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の6刷
3200円 B 表紙ハジ・背の下側少イタミ 小口ほかシミ

バーナビーは空を飛びたくて、ある日、ついに発明しました。
ホッケーの棒、電気のコード、ママのかさ・・・これらをテープでくっつけて、
「空とぶホッケー・スティック《と吊づけます。
スタートさせるためには、コードをつないで、扇風機のスイッチを入れる仕組み。
火事にあったおばあさんを救い、海で遭難した船長を救い、ジャングルではライオンに追いかけられていた人を救い・・・。
空を飛ぶ絵柄、海の波、大海原と太陽など、なかなかグラフィカルで、色合いがとてもきれい。
ユーモアあふれ、爽快な絵本です。

「この絵本のお話をつくり絵もかいた、ジョリー・ロジャー・ブラッドフィールドさんは、
一九二四年にアメリカ合衆国のミネソタ州に生まれました。
彼は、もとは商業デザイナーで、ミネアポリスの美術学校を出たあと、
パリやロンドンでも勉強しました。
ブラッドフィールドさんは、とても子ども好きで、子どもたちがやってくると、
仕事机にとりつけてある古い自動車のクラクションをブーブーならしたり、
子どもたちの顔に、ひげや、そばかすや、めがねをかいて遊びます。
また、彼の五人の子どもたちと奥さんは、作品のよい批評家です。
・・・(中略)この作品は考えられないものの飛行ということで、
日ごろの彼の主張を裏書しきしているといってよいでしょう。
子どもたちは、ありえないことを心の中で実在化しては、楽しむことでしょう《(当時の解説 より)

ハードカバー 41ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



cover品切れ 世界の絵本 アメリカ 王様のすきなピックル・パイ ジョリー・ロジャー・ブラッドフィールド絵・文 飯沢匡・訳
講談社 71年(昭和46年) 77年(昭和52年)の6刷
3000円 B 表紙少シミ 背の下側少イタミ 小口ほかシミ 後ろ見返しにはがれあと

平和な国で、王さまはいつもおきさきさまにピックル・パイをつくってもらっていました。
王さまとおきさきさまには、おひめさまがありました。
王さまは、おひめさまと結婚するため、三人の王子さまを呼んでテストします。
大きな森に三日間行ってきて、珍しい、すばらしいものを持って帰った人に結婚させるというのです。
バーナード王子だけが、何も持って帰りませんでした。そのワケは・・・。
絵本の中だからこそのキャラクターに、思わず愉快な気分になります。
お話のキーポイントはピックル・パイ。この絵本も、上の本と同じく、色がとてもきれいです。

「「王さまのすきなピックル・パイ《のお話は、人間が人間として
生きていくうえでの、しんせつ心や、愛情や、思いやりなどのたいせつさを、
教訓的にではなく表現している点で傑作といっていいでしょう《(当時の解説 より)

ハードカバー 41ページ サイズ 天地 28.6センチ×左右 22.4センチ



古本 海ねこ トップページへ戻る