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Clare Turlay Newberry クレア・ターレー・ニューベリー

クレア・ターレー・ニューベリー(1903年〜70年)はアメリカ・オレゴン州生まれ。
2歳から絵を描き始めて、6歳にして画家になろうと決心。
アメリカやフランスの大学や美術学校で絵を学び、肖像画を描いて暮らしていました。
1931年、“HERBERT THE LION”(日本語版「サリーとライオン」光村教育図書 2000年)でデビュー。
大好きなねこの絵を大事に描き続け、出来上がったのが1937年の“Mitton”(日本語版「こねこのミトン」講談社 2000年)。
これがベストセラーになり、「ねこの画家」として世界的に有名になります。
1938年に“Babette”(日本語版「クリスマスのこねこ」大日本図書 88年)、
その後も“Smudge”“Kittens' ABC”など、すぐれたねこもの絵本を作っていくのです。

ニューヨークシティやニューメキシコで暮らしながら、2匹のねこや子どもたちをモデルに絵本をこしらえたニューベリー。
「ねこの絵でいちばん難しいのは、毛並みをリアルに描くこと。うまく描けるようになるまで
時間をかけて何度も何度もさまざまな努力を重ねました」と話しています。
ねこばかりでなく、小動物や子どもを優しく描き続けて、
39年“Barkis”(日本語版「こいぬのバーキス」講談社2001年)、
40年“April's Kittens”(日本語版「エイプリルと子ねこ」ジー・シー・プレス 86年)、
43年“Marshmallow”(日本語版「うさぎのマシュマロ」講談社 2002年)、
50年“T-Bone, the Baby Sitter”と合計4回、コールデコット賞オナー賞。
17冊の素敵な絵本を世に贈り出しました。

アメリカングラフィックアート協会が選ぶ年間ベスト50冊に選ばれたこともあり、アーティストとしての腕前は折り紙つき。
だれもが物語の世界に入り込みやすいよう、大変わかりやすい英文で書かれているのもニューベリーらしいと思います。



cover品切れ 洋書絵本  HERBERT THE LION(サリーとライオン)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

NY SMITHMARK Publishers 98年 First SMITHMARK edition
3500円 B 表紙ヤケ 当時の定価$4.95

オリジナルは1931年に出版された、デビュー作。
本書は98年、SMITHMARK社から出版されたものです。
サリーは、小さな女の子。
素敵なドールハウスに人形、おもちゃのシマウマなど、おもちゃをたくさん持っています。
だけど、おもちゃで遊んでもおもしろくない。
サリーが欲しかったのは、生きているライオンだったのです。
ついに、我が家にやってきたのはライオンの赤ちゃん。ハーバートと名づけて、一緒に暮します。
ハーバートはどんどん大きくなって、とってもフレンドリーなライオンになりました。
ハーバートは家にやってくる人みんなと遊びたがります。ところが、人のほうはみんなみんなハーバートを怖がるのです。
ついに、ハーバートは山で暮らすことになって、サリーとのお別れのときがくるのですが…。

デビュー作は、その後のタッチとまったく異なります。
それでも、ちょっぴりのさびしさといっぱいの温かみがつまった作風はすでに出来上がっています。
子ねこもちゃんと描かれています。とても読みやすい英文です。

ハードカバー サイズ 天地28.7センチ×左右31センチの大型本。画像は上下が切れています。



cover品切れ 洋書絵本  MITTENS(ミトン)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

HARPER&BROTHERS PUBLISHERS
3300円 Bー カバーイタミ ヤブレ 図書館使用本 図書館の背ラベル・ラベル・スタンプ・ペンによる線

1937年に発表されて以来、世界中で読みつがれてきたねこの名作絵本です。
リチャードはねこが大好き。道で出会うすべてのねこの話しかけるほどです。
「ママ、僕、子ねこが欲しい。どうして飼っちゃいけないの?」と聞いたら
「リチャードはまだ小さいわ。大きくなったらね」とママ。
やがて、マーケットで子ねこが売られているのを見て気に入ってしまったリチャード。
「ママ、僕、もうすぐ6歳だよ。7歳のサイズの服も着てる。もう充分大きいよ。お願い、ママ」と懇願します。
ミトンを売ってくれたおばさんは「ごらん。彼の足、もこもで毛糸の手袋みたいだろう」と言います。
ミトンと名づけた子ねこが、ついに我が家にやってきました。
ミトンがリチャードのベッドで、おっぱいを飲むときのしぐさで足をフミフミしている絵が見開きいっぱいに描かれています。
ところが、ミトンがいなくなってしまって…。
ミトンを家族中で探し、新聞に広告をのせて、いろいろな人がいろいろな子ねこを連れて訪ねてきます。
どの子ねこもかわいいんです。だけど、リチャードは
「僕、違う子ねこなんかいらない。ミトンじゃなきゃー」と涙するばかり。
6匹のねこの6態が描かれている見開きがあります。

モノクロを基調にしながら、ねこの舌、女の子の頬や足など部分的に淡い赤(ピンクに近い?)を使っています。
子ねこの仕草がたまらなくかわいらしい。女の子の頬や足も思わず触れたくなるような質感で描かれています。
アメリカの学校図書館で子どもたちが読んできた本です。
子どもたちに読みつがれてきて紙が少し柔らかくなって、それもまたいい風合い。

ハードカバー 29ページ。サイズ 天地24.3センチ×左右19センチ



cover品切れ 洋書絵本  BABETTE(クリスマスのこねこ)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

HARPER&BROTHERS PUBLISHERS
4500円 B カバーイタミ(裏表紙 オレ・ヤブレ)

オリジナルは1938年。
チャリティーーー愛称チャティーは8歳の女の子。
毎週土曜日は学校が休み。ママはさよならのキスをして
「いい子にしててね。ちゃんとランチを食べるのよ」と仕事に出かけます。
クリスマスが近づいてきた土曜日、チャティーはいつものようにひとりで遊びながら、遊び相手が欲しいなあと思っていました。
そこに突然やってきたのは、なんと青い目をしたシャムねこ。小さな小さな子ねこでした。
うれしくてうれしくて「私のねこになってね」と大喜びのチャティー。
名前は何にしよう。アリス? ハイジ? ウェンディー? シャーリー?
なんだかぴたっときません。そうだ、Babetteにしよう。
子ねこは遊ぶのが大好き。チャティーは一生懸命に世話をして、仲良くなります。
ところが、子ねこはトッドさんちの子ねこで、チャティーの家に迷い込んできたのだと判明。
せっかく仲良くなったのに、クリスマスのあと、トッドさんは引っ越してしまうとわかって…。

モノクロを基調に、シャムねこの目、チャティーの目になんともいえないきれいな空色を配色。
1817年創立のHARPER&BROTHERS PUBLISHERS社の版は、表紙がこの空色で、見返しは無地で濃い目のブルー。
古い絵本ならではの優しい手触り、ほのかにベージュ味を帯びた紙がいい感じです。

ハードカバー 32ページ。サイズ 天地24.3センチ×左右19センチ



cover品切れ 洋書絵本  BABETTE(クリスマスのこねこ)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

NY SMITHMARK Publishers 99年 First SMITHMARK edition
4500円 B+ カバー少イタミ

オリジナルは1938年。
本書は99年、SMITHMARK社から出版されたものです。
印刷は上の古い小型版のほうがクッキリときれいかも。ですが、大型本なのでとても迫力があります。
今にも子ねこが動き始めて、絵本から飛び出してきそうな感じ。
子ねこの瞳が目に焼きついて離れないーーそんな気がします。
見返しには、子ねこのバベットのさまざまな仕草が10通り描かれています。

ハードカバー サイズ 天地28.7センチ×左右31センチの大型本。画像は上下が切れています。



cover再入荷分、品切れ 洋書絵本  April's Kittens(エイプリルと子ねこ)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

Troll Associates
950円 B+ 表紙少イタミ 見返しに蔵書票 当時の定価$4.95

最初に出版されたのは1940年。今からもう65年も前のことになります。
長年、少しも色あせることなく、読み継がれている名作。

少女の名前は“エイプリル”。ニューヨークの小さな小さなアパートメントで、
両親と“シーバ”という名まえの黒ねこと一緒に暮らしています。
「ねこは1匹だよ。1匹しか飼えないからね」とお父さんから言われていたのに、子ねこが3匹生まれてしまって…。
お父さんが黒ねこに“チャコール”、2匹のトラねこには“ブッチ”“ブレンダ”と名づけたので、
「パパって、名前つけるのが上手」とほめるエイプリル。
ジャレあう子ねこたちにどんどん愛着が増すのに、エイプリルは子ねこをあきらめてなくてはいけないの?
次々と新しい飼い主が現れて、もらわれていくことになりますが、エイプリルは? お父さんは? シーバは?

使われている色は黒、そして、わずかな淡い赤のみ。
フワフワの毛、赤みがかかった舌、しぐさなど、ねこ好きでなければ描けないきめこまやかさ。
とても優しく、繊細に描かれていて、胸がきゅんとなります。英文もわかりやすく、とても読みやすいです。

ソフトカバーですが大判。ねこの毛並みや色がとてもきれいに印刷されています。
32ページ。サイズ26.5センチ×左右22センチ



cover品切れ 洋書絵本  April's Kittens(エイプリルと子ねこ)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

HARPER&BROTHERS PUBLISHERS
3300円 B カバーイタミ 見返しシワ 図書館使用本 貸し出しポケット・背ラベル

上の本のハードカバー。
HARPER&BROTHERS PUBLISHERSの印刷は、とてもきれいです。
色の濃淡が繊細な部分までよく再現され、本物のねこの毛がフワフワしているようにさえ見えます。
最終ページの子ねこの絵はよく見たら、ページののど寄りで切り取れるようになっています。
切り取って、お部屋に飾りましょうという趣向でしょうか。

テキサス州の図書館で子どもたちが読み継いできた本です。綴じ糸が少しゆるみかけていますが、
丁寧にメインテナンスしながら読まれてきた様子が伝わってきます。
アメリカは古い本を大事に大事に受け継いでいく国なんですよね。

ハードカバー 33ページ。サイズ 天地27.2センチ×左右23.2センチ



cover品切れ 洋書絵本  THE KITTENS'S ABC(子ねこのABC)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

HARPER&BROTHERS PUBLISHERS 46年
6000円 C 表紙いたずら描き 背表紙ヤブレ カバーなし

ニューベリーが活躍していた時代の大変、古い絵本です。
Aはalley cat(野良ねこ)。Bはbreakfast。青いボウルでミルクを飲む子ねこの絵が。
Cはcat…という感じで展開されていきます。
太い筆でささっと描いたようなスケッチが、通常の絵本での丁寧なタッチとはかなり異なります。
けっして写実的ではないです。ささっと大ラフに描かれていて、
その場の空気をすくいとって表現しているかのよう。たまらなくリアルな感じです。
アメリカのこのころの印刷技術というのは、大変すぐれています。
まるでじかに絵を描いてあるかのような、リアルな発色。
この本はかなりイタミがあるので、お薦めはしません。
そのうち、この時代のもので状態がよいものを入手できる機会があったらぜひどうぞ。
紹介できる機会があれば、当店でも扱いたいと思います。

ハードカバー サイズ天地33センチ×左右25.3センチ



cover品切れ 洋書絵本  SMUDGE(3匹の子ねこ)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

NY SMITHMARK Publishers 98年 First SMITHMARK edition
3300円 B カバーなし

オリジナルは1948年。同年、アメリカのグラフィックアート協会が選ぶ年間ベスト50冊に選ばれています。
お母さんねこのMuffは子ねこが生まれたのがうれしくてうれしくて、子ねこをそれはそれはかわいがっています。
ところが、お父さんねこのBusterは半分ぐらいしかうれしくありません。
今までそんなに小さなねこを見たことがないので、ちっぽけのねずみみたいだから。
このお父さんねこのすね顔(?)がいいんです。

3匹の子ねこのうち、お父さんそっくりの赤毛(茶色?)のオスは「ジュニア」と、黒いオスは“Smudge”、
クロ、白、赤(茶色?)が混ざったメスはベティー・ジョーと名づけられました。
最初のうち、子ねこたちは目もあいていなくて、ただひたすら眠ったり、おっぱいを飲んだり。
でも、日に日に育って、目も開き、よろよろよちよち動き始めます。
箱の外に世界があることに気づくと興味しんしん。箱のフチに伸び上がって外を見たくて必死です。
いちばん勇気のあるSmudgeがいちばん先に箱をよじのぼり、ジュニア、さらにベティー・ジョーもあとに続いて…。

我が家で生まれたてだった子ねこたちの様子を思い出しました。
瞬間瞬間の子ねこの様子をとらえて、クレパスで描いています。
丸まった子ねこも、よたよた動き回る子ねこも、お乳をやる母猫も(見開きいっぱいにモノクロで描かれたねこ玉!!)…。
ねこが好きな人だからこその観察力で、入念に描かれています。
クレパスで描いた絵を楽しめる、迫力の大型本。何度見ても、やっぱりすばらしい。
在庫3冊すべて品切れ。
ハードカバー サイズ 天地28.7センチ×左右31センチの大型本。画像は上下が切れています。



cover品切れ 洋書絵本 COUSIN TOBY(いとこのトビー)
Clare Turlay Newberry(クリア・ターレー・ニューベリー)文・絵

HARPER&BROTHERS PUBLISHERS 1939年 FIRST EDITION
6500円 C シミ・ヤブレ 表紙いたずら書き 背の部分のりづけはがれ

だいぶ痛んでいます。大変古い、そう、ニューベリー自身が活躍していた時代の絵本です。
ニューベリー自身は、このような印刷の本を目にしたのだと思うと感慨深いです。

ジルという女の子がいました。6歳でした。
ゴードンという男の子がいました。4歳でした。
ふたりには、トビーという小さないとこがいました。まだ1歳でした。
ある日、ジルとゴードンがママとダウンタウンへ行って、おもちゃ屋さんでトビーにあげるおもちゃを買うことに。
ジルもゴードンも、小さなトビーがどんなおもちゃが好きか一生懸命に考えます。
ママは、ジルがいいといったぞうのぬいぐるみと、ゴードンがいいといった小さな赤い列車のおもちゃと両方買いました。
翌日、それらを持って、みんなでトビーの家へ。
みんなで一緒に遊んで、楽しいひとときを過ごします。
ジルもゴードンも小さな子どもが大好き。赤ちゃんを欲しがって、ついにジルとゴードンの家にかわいい赤ん坊が!
ニューベリーが大事な思い出を描いたようで“To The Memory of Constance Lindsay Skinner”と献辞が入っています。
だいぶ痛んでいるので大声ではお薦めしません。それでもキュートな絵本なので紹介したくなり、ここにあげました。

ハードカバー サイズ 天地24センチ×左右18.8センチ



cover品切れ 洋書 DRAWING A CAT(ドローイング・ア・キャット)
Clare Turlay Newberry(クレア・ターレー・ニューベリー)With an Introduction by Thomas Craven

London&NY The Studio 1940年
カバーなし(1945年の6刷)2600円 Bー カバー・本体とも経年相応のイタミ シミ
カバーは少ヤブレ。カバーなしは本文ヤブレテープ補修

当店で小特集を組んでいるクレア・ターレー・ニューベリー(1903年〜70年)。
彼女の絵本を見るたび、ねこが今にも動き出しそうなほど自然にとらえて描いた絵に驚かされます。
本書は60年以上前のもの。ニューベリーが“Mittens”“Babette”ほか、
さまざまな絵本のために描いたねこのスケッチをたくさん集めてあります。

ねこは、アーティストのためにポーズをとってくれるわけではありません。眠っているときをのぞいては。
そんなねこの生態を瞬時にとらえようと思ったら、何百枚ものスケッチを繰り返して学んでいくしかありません。(本文 より)

ささっと描いたシンプルな線だけの第一段階、第二段階あたりの絵も収められています。
その時点で、ねこの動きを的確に、しかもあたたかい視線でとらえているのだということがよくわかります。
彼女のすばらしい絵本は、日ごろからの鍛錬の賜物だということも改めて感じます。
ニューベリーの描いたねこたちは、この本の中で永遠の命をもらったかのようです。

本体は布張り。1941年の4刷はオレンジ色。1945年の6刷は黄色と布の色が変わっています。
カバーあり(1941年の4刷。3300円。品切れです)のほうは裏見返しに鉛筆でねこをスケッチした形跡が。
本を見て思わずねこを描こうとした人の気持ちが感じられ、おもしろいので、消さずにそのままにしておきます。
こぶりの本ですので、いつもおそばに。ジャマにならず、お手もとに置いていただけると思います。

ハードカバー モノクロ64ページ。天地 17.3センチ×左右 14.2センチ

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