古本 海ねこ トップページへ戻る

日本児童文庫 アルス社

改訂版をのぞいて実に70年以上の時が流れています。
経年相応のイタミはご了承ください。
ハードカバー いずれもサイズ 天地19センチ×左右13センチ



その1・その2



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cover 品切れ 46 海の科学 理学博士 野満隆治 理学博士 駒井卓
京都帝大教授 赤塚孝三
1928年(昭和3年)
1000円 C ホッチキスまわりイタミ 小口よごれ 非売品

口絵挿絵 深澤省三  挿絵 岡落葉 挿図 加藤隆四郎

海の話 海の動物 海の植物

わが国は、昔から瑞穂の国といはれ、田畑は肥え五穀はよくみのるので、
人のすくなかった時代には、非常にくらしが楽でした。その上、野や山、河や海、
どこに行っても美しい景色なので、真に天下の楽園といってもいゝくらゐでした。
ですから、わが日本(やまと)民族は年とともに繁栄して、とうとう今では、
世界七十余国のうちでも三大強国の一つに数へられるほどになることが出来ました。
しかし、今日の実情はどうでせうか。人口は実に八千萬となり、しかも年々ふえるばかりです。
すばらしい繁昌のようですが、考へてみると、日本は細長い、小さな島国ですから、人ばかりふえては困るのです。
…かう述べて来ると、日本が将来生きる路はたゞ海のみにあると思ひます。
海の利用こそ吾々日本人の天職である筈です。

238ページ。

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covercover 品切れ 49 動物文学集 平岩 米吉 編 1955年(昭和30年)
1500円 C 小口シミ 当時220円

挿絵 佐藤長生 吉崎正己

こちらは改定版です。戦後1953年(昭和28年)から出版された改訂版は、
元版と同様、装丁は恩地が担当しました。箱の絵柄は異なりますが、本体は全巻同一の絵柄・装丁です。

銀の星(アメリカ)シートン原作
野イヌとビーバー(アメリカ)カーウッド原作
冬の森(オーストリア)フェリックス・ザルテン原作
オオカミの母子(アメリカ)リピンコット原作
チムの死(日本)平岩米吉
サラーとつりばり(イギリス)ウィリアムスン原作
めザル(ロシア)バイコフ原作
タヌキをばかした話(日本)岡村祐一
動物文学の作家と作品 平岩米吉
なお、ひとことつけくわえておきたいことがあります。
それは、ここにおさめた話の多くが、かなしい結末になっているということです。
また、たとえ、そうならないまでも、あらそったり、くるしんだりしているすがたが多いのです。
しかし、これは、いきもののありさまを、そのまま、うつそうとすれば、どうしても、
やむをえないことで、シートンも、「わたしのものがたりが事実だということは、
それがすべて悲劇だということでも証明される。なぜなら、野生動物の生活は、
つねに悲劇でおわるからである。」といっているくらいです。
ただ読者をよろこばせるために、おもしろくつくりあげたものなら、どんなにもっともらしく
動物をかつやくさせてあっても、もちろん、動物文学とよぶことはできません。
(動物文学の作家と作品 より)

229ページ。

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cover 品切れ 51 子供の実験室 理学博士 石原純 著 1928年(昭和3年)
1000円 C 小口シミ 非売品

口絵挿絵 鈴木淳

しゃぼん玉の実験 振り子の揺れかた 独楽の廻り方 見えない空気
気流の実験 水の成分 音の振動 眼のはたらき 写真のとり方
光線の反射と屈折 物の色 磁石の力 摩擦電気の実験 電気のいろいろなはたらき

231ページ。

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cover 品切れ 54 博物館 文学博士 濱田陵 著 1929年(昭和4年)
1000円 B− 小口ヨゴレ ホッチキス周辺イタミ 非売品

装丁 恩地孝四郎 島田貞彦
口絵 霧島正三郎 挿絵 霧島正三郎 濱田陵

序の巻 博物館とはどういふ所ですか 世界各国の博物館
考古博物館の巻(上) 考古学とはどういふ学問ですか 旧石器時代室 新石器時代室
考古博物館の巻(下)日本先史時代室 日本原史時代室

私は『博物館』といふ題で書くことになりましたが、何分博物館といっても、
美術考古博物館もあり、科学博物館もあり、そのほかいろいろ博物館があるので…
幸ひ美術や自然科学のお話は、別に諸先生が筆を執られてゐることゝ思ひますから、
私は博物館のうち考古学の博物館のことだけを書くことにし、この一冊の本に
よって若い人達に考古学の大体のお話しをすることにいたしました。
たゞ何分書物の標題が『博物館』となってゐますので、
始めに少しばかり博物館全体のことを述べて置きます。

240ページ。

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cover 品切れ 56 世界の名画 石井柏亭 著 1929年(昭和4年)
1100円 C 表紙から裏表紙まで左上角オレ ホッチキス周辺イタミ 非売品

表紙画・グレコ作「聖なる家族」

エジプトの絵と彫刻 ギリシャの彫刻 ボンペイの壁画 ジョットのアスシジの壁画
ゴッツオリのサン・ジミニャーノの壁画 ウチェルロの戦争画 ドナテルロの騎馬像
ヴァン・エイクの肖像画 ヂューラーの自画像 ホルバインの肖像画
レオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザ ラファエルのサン・シストの聖母
ミケランジェロのダビデ像 チチアンの娘ラヴィニアの像 チントレットのサン・マルコの奇蹟
ヴァラスケスのブレダの降伏 ムリリヨの農童 ブリューゲルの冬の景  ルーベンスの小鳥をもつ子供
……モネーと印象派の人達 セザンヌ ゴーグワンとヴァン・ゴーグ ロダンとムニエ

212ページ。

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cover 品切れ 58 日本の旅 田中啓爾 著 1929年(昭和4年)
1300円 B−  非売品

口絵挿絵 恩地孝四郎

北海道 奥羽地方 関東地方 中部地方 近畿地方 中国及び四国地方 九州地方

私は皆さんと日本の旅をすることを非常に愉快に思ひます。旅は誰もお好きせう。
皆さんは大きくなっても一生旅の好きな人になって頂きたいと思ってこれを書いてゐます。
日本は土地の廣さのわりあひに南北に著しく長いので気候の変化があり、
それに影響されて自然も人文もすべてそれに応じた変り方をしてゐます。
また群島の地形の変化も自ずから北から南に順序だってゐます。
文化も中央から遠ざかるに従って変って来ます。
また太平洋岸と日本海岸とは表と裏との相違が現れてゐます。
それ等は旅する人には変化があって面白いことゝ思ひます。
それでこの『日本の旅』は、普通の地理書や旅行記と違って北の北海道から本州島、
四国を経て南の九州、琉球まで順次自然に景観が変って行くまゝに述べました。(はしがき より)

252ページ。

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cover 品切れ 62 都会と田舎 小田内通敏 著 1929年(昭和4年)
1300円 B−  非売品

口絵挿絵 恩地孝四郎

田舎と都会の起り わが郷土のお話 田舎の生活と風景
都会 都会の生活と風景 朝鮮及び満州の田舎と都会

二千五百年の年月を経てゐるわが国に生ひ立った田舎と都会は、いづれも相当なふるさを持ってゐるのに、
今でも新しい力を持ってのびてゆくのは、実にうれしくもまた頼もしい極みである。
これは田舎は田舎らしく、また都会は都会らしく、各々がそのつとめを果してゆくからであらう。
私は、田舎と都会について、久しいあひだ興味を持って見もし、また調べもしてゐる。
これから後も、田舎と都会とは、私の研究題目であり、また興味の中心である。
皆さんは、いづれも年若い人達である。従ってこれから先の新しい日本の田舎も都会も
皆さんの力によって、現在もよりよくなさるべき運命にある。
今や日本は、海に若い大君を戴き、帝都である東京市を始めとして田舎の隅々までも、
蘇ったように新しい元気で充ち満ちてゐる。(はしがき より)

240ページ。

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cover 品切れ 73 八犬傳物語 土田杏村 著 1930年(昭和5年)
1300円 C 本文角オレ 非売品

口絵挿絵 水島爾保布

『八犬傳』の本の詳しい名前は、『南総里見八犬傳』と申します。
徳川時代の末頃に生きてゐた滝澤馬琴のかいた有名な小説です。
馬琴はその他にも沢山の小説をかきましたが、この八犬傳がまづ最も有名だといってよろしいでせう。
馬琴が四十八歳の春にその第一冊目を出し、それからずっと筆をつゞけて七十五歳の時におしまひの本を出しました。
その間二十八年かゝってをりますが、これだけ長い年月の苦心によって出来上がった小説も珍らしいでせう。
だんだんおしまひに近づく頃馬琴の眼病がひどくなり、つひには全くの盲目になって、
自分で字をかくことも出来なくなりましたから、口でいひ息の嫁に筆記させて、
まだ小説をつゞけてゐました。全体で百六冊あり、大へんの大きさです。
おそらく私のこの物語の何十倍かあるでせう。
その大きな小説の話を、この一冊に縮めてかいてみました。

242ページ。

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cover 品切れ 74 宝島探検物語 平田禿木 訳 1930年(昭和5年)
1300円 C 裏見返し少ヤブレ 非売品

口絵挿絵 深澤省三

『宝島』の作者ロバート・ルイス・スティヴンソンは千八百五十年スコットランドの首府エディンバラに生れた。
お祖父さんは工学者で、長いこと祖国灯台の監督官を勤め、同国沿岸の灯台二十ほどはその設計で建設され、
光線の反射、屈折など、照明についてもいろいろと新しい工夫をした人である。
お父さんもまた工学者で、かねて気象学者でもあり、お祖父さんと同じように灯台監督官を勤め、
その道に関する著書もある。この物語にも見られる、海洋に対するスティヴンソンの
豊富な趣味、知識も、まったくかうした周囲から湧き出たように思はれる。
スティヴンソンは始め法律を学び、状師ともなつたつであるが、後分筆をもって身を立てることになった。
三十二歳のをりに筆を起し、その翌年に大成した『宝島』はその出世作で、
『ロビンソン漂流記』にも優る海洋冒険の物語として、英文学における不朽の名作とうたはれてゐる。
…若いをりから病弱であったが、四十歳になって断然意を決し、西太平洋なる
サモア群島の一つであるウボラの島に小荘を営み、そこで静かに筆を執ってゐた。
惜しまず得るところの財を散じて、土人とも親しんだので、かれはまるでその島の酋長のようになってゐた。
在島五年にしてかれはこの客地に永眠し、そこに葬られた。海洋とその島々は、
かれに取って何かと縁が深いのである。(はしがき より)

246ページ。

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その1・その2



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