■「谷中安規の事《八坂喜代



cover品切れ 谷中安規の事 八坂喜代 大野隆司の手摺り木版画2葉つき たけしま出版 2009年 
1000円  新品

版画家・谷中安規(たになかやすのり)に魅せられた大野隆司(1951年生まれ)がこんな冊子を届けてくれました。
1946年、栄養失調のため49歳で亡くなった谷中安規。本人は「ヤナカの墓のアンキです《と吊乗っていたため、今も親しみを込めて”アンキさん"と呼ばれることも多いようです。
今ではすっかり人気の安規ですが、生前は家庭を持つこともなく天涯孤独でした。しかしながら、実は、お世話をした女性がいて、最期を看取った女性がいたのです。本書は、その女性・八坂喜代さんが綴った直筆の手記です。
八坂さんは2009年7月現在93歳。お元気とのこと。

巻末に「猫のつめとぎ《(大野隆司 文・版画)収録。
谷中安規のエピソードを綴った大野隆司の文章と版画です(「小説新潮《20001年1月~12月号連載)。
「家庭を持たず天涯孤独だった谷中安規も、晩年の五年間は、同じアパートに住む年下の女性と心を通わせていた。その人の吊は、八坂(当時は佐瀬)喜代さん。愛情の深い人である《(「猫のつめとぎ《より)

アパートを空襲で焼け出された二人でしたが、安規は掘っ立て小屋に住み、喜代さんは近くの学校に避難しました。喜代さんは、配られる食べ物を半分残しておいては安規のもとへ運んだのです。空き地でかぼちゃを育てていた安規。喜代さんが来るたびに「ほら、ここにあります。ほら、ここにもあります《と小さなかぼちゃを示しては楽しそうに笑ったそうです。

「私に出来る谷中安規の供養は何だろう、と考える。安規作品を広めること。そして勝手な思い込みではあるが、私自身が安規に負けぬ良い作品を産み出すことではないだろうか《(「猫のつめとぎ《より)

なんと「猫のつめとぎ《手摺木版画2点がついている点においても嬉しい。
1000部限定です。何部か入荷しました。先着順でお分けします。

誠に恐縮ですが、本書1冊のみのご注文の場合、郵便振替用紙を御送付することは困難です。
局に備え付けの用紙をご利用いただけますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

どうぞご参考に。
フィリア美術館ブログ 7月25日、ギャラリートーク「谷中安規をめぐって《を開催しました 70ページほど サイズ 天地 25.7センチ×左右 18.2センチ

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