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2003年6月前半の日記

URLがすっきり、わかりやすく

きのうは台風の影響で雨。
新宿中央郵便局から2冊、発送してから、
久々に飲み会でした。
「ごまや」という居酒屋にて。
手作りごま豆腐がうまい。
白エビ、ボタンイカ、ホオボオ…刺身が新鮮。
久々に会えた仲間とワイワイ。
さらに、もう1軒。
音楽好き人間がつどう「ハートフォードカフェ」へ。
楽しかった余韻を胸に仲間とともに新宿駅に。
そこでもう帰ればいいのに、
酔ってやたらエネルギッシュになっていた私。
新宿駅の雑踏で、いきなり立ち止まり、
家人に「もう1軒、寄ってみる?」と言い出しました。
「タクシー代を出してくれるなら」と
家人はしぶしぶ承諾。

私が「行きたい」と言い出したのは、
10年ほど前、よく通っていたゴールデン街のとあるお店。
酔っ払っては何度もご迷惑をかけました。
もう何年も行ってないのに、
電話して名乗って「覚えてますか」と聞いたら、
聞き覚えのある声の主が「覚えてるよー」と。
ごく当然のことのように答えてくれたので、
新宿駅の雑踏で涙があふれてしまいました。
ここのママさんには、本から学べないことも
いっぱい教わりました。

楽しかったー。
でも、今日は二日酔い。
きのう3軒の飲み代、タクシー代…
手痛い、手痛い…(停滞、停滞…)。
新着本を打ち込んで、仕事ちょっとするのが
やっと。そんなこんなの1日。

さて、鋭い皆様ならお気づきかと思いますが、
当店のURL、わかりやすいものになりました。
といっても、もとから使っているサーバーはそのまま。
「お名前コム」で「umi-neko.com」のドメインを取得。
もともとのURLが長かったので、
短くて覚えやすいものになったと思います。
代金は年間4200円。
名刺や封筒、印刷物に刷り込むときもこのほうがいいし、
ごらんになる人にとっても便利でしょう。
年間4200円の広告費、
月割りすればそう高くはないか、と考えて決めました。

ドメインとるなら、お名前.com
http://www.onamae.com/

ホームページ転送サービスにも登録。
ホームページのデータはそのままで、
もともと使っているURLは変更なし。
お名前.comで登録したドメインへの訪問者を
自動的に指定のホームページに転送するサービスです。
これが初回3000円。毎月980円。
消費税もかかるので、結構な出費。

ああー、いろいろ物入りです。
当店の売り上げは、本当にわずかなのですが…。

ようやくこれで、古物商の許可もとれて、
シンプルなドメインもとったことですし。
今はまだごく親しい友人・知人にしか紹介していませんが、
ほかのオンライン古本屋さんにもぼちぼち
ご挨拶に伺いたいと思います。
リンクをお願いしていって、
少しずつじわじわと宣伝していこうと思います。

2003年6月1日 記


ブックカバーを当店で扱いたいなー

雑貨好きの女性って、結構、多いですけど、
私も、例にもれず、雑貨が好き。
恵比寿の住民だったころは、軽い散歩気分で、
雑貨屋めぐりをしていました。
その後、荻窪の住民になりましたが、
地元はもとより西荻窪の雑貨屋へも出没しました。
しかし、行けば、欲しくなって買わずにいられない性格。
引越しのたびに、泣く泣く処分したこと数知れず。
しかも、ただでさえゴチャ×2の家が
ますますゴチャ×10になるので、
意識的に雑貨屋さんから遠ざかっていました。
でも、やっぱり雑貨は好き。
久々に雑貨関連の取材の仕事をいただき、
雑貨の本や雑誌に、以前みたいに、
よく目を通すようになりました。

実は、当店でも本の周辺の雑貨を扱いたいなー、と。
以前からうすうすは思っていたのですが、
はっきり確信しました。
ごらんのように、なにしろ、当店のHPは、
ビジュアルなし(ネコの写真だけ)で文字ばかりです。
ほかのオンライン古本屋さんをのぞくと、
本や雑誌の表紙写真が盛り込んであって、
ビジュアル面もすばらしいお店も多いですね。
ステキだなーと感心します。
ただし、本の表紙の画像をHPに掲載することに関して、
人それぞれの考えがあると思いますが、
私はやめておこうと思っています。

というのも、本の表紙画像といえども、
著作権は著者、イラストレーター、装丁担当のデザイナー、
(出版社も?)にあると思うので。

私が原稿を書いている某企業HPでも、
本の紹介で表紙画像を掲載したい場合は、
版元に必ず許可をとります。
版元に電話しますと、たいてい「表紙だけなら
いいですよ」と言われます。
「中ページはやめてくださいね」と
念押しされることもあります。
一度、絵本の表紙画像を掲載しようとしたら、
版元から、著者の絵本作家に直接、許可をとって、
一筆書いてもらってほしいと言われたことがあります。

ともあれ、当店HPはそんなわけで、
今のところ、ほとんどテキストファイル・オンリー。
でも、できたら街のお店にブラリと立ち寄るみたいに
のぞいて楽しめるフンイキにしたいなー。
そう思って浮かんだのが、ブックカバーの写真。
オリジナルのブックカバーを作りたいな、
文庫本のカバーってかわいいデザインのもの、
結構、高いんですよね。
だれか、かわいいオリジナルカバーを作って
手頃な値段で出品してくださる方、いないかなー。
いっそユザワヤに布地類を探しにいって、
自分で縫おうかなー。
けど、センスいまいちで、耐久性、難アリでも
困るしなー…。
ブックカバーでなくてもいいのです。
本を入れるのに耐えられるタフなトートバッグ
(NYの書店で買ったことがあります)、
ブックマーク(しおり)など、
本好きの人が欲しくなる雑貨がいいなあと思います。
自分のデザインや絵で企画して、
しかも縫製までできる雑貨アーティストが羨ましい。

今日は、雑貨の記事の打ち合わせでした。
その雑誌でちょうど、オリジナルのブックカバー、
愛読者プレゼントをやっていたので、
思わず編集者に取材してしまいましたよ。
布1ロール丸ごと使うような大量だったら、
安く縫製してくれるメーカーさんを
探すことも可能らしいです。
でも、少量生産じゃお願いできないだろうなー。
どうにか当店オリジナル雑貨を扱いたいなー。
いえ、別にオリジナルじゃなくてもいいんですけどね、
気のきいた雑貨で、写真を掲載可能ならば。

帰りは近くのブックオフを素通りできず。
また16冊も買い込んで、
大量荷物となり、電車の中で
ウェイトトレーニングって感じ。

私にとって、今日いちばんの掘り出し物は
100円コーナーで見つけた
『伝統文化の真髄 美しい沖縄の方言(ことば)』
かな。渋いね。
興味のない人にはまったく興味のない本でしょうけど、
沖縄文字の書き方、正しい発声へのひとつの接近法など。
大変、学術的&マニアックです。

100円コーナーでまたしても
自分の著書を発見。
「おお、いたね」って感じです。
しかし、よくブックオフで見かけるなー。
っていうか、以前より本棚の1冊1冊を
注意してみるようになったので、
目にとまるようになったのかもしれません。

2003年6月2日 記


6冊(7冊?)発送。反省点もあります

当店でオリジナルのブックカバーを扱いたい。
きのうは、自分の思いつきにかなり乗り気でした。
しかし、家人にもいろいろしゃべっているうちに、
今日、こんな指摘のメールをもらいました。

本人に掲載許可をもらったので、
引用します。

「ブックカバー、結局、数と質のバランスだからね。
いい物でも大量に作ればそれなりに安くはできるはず。
しかし、数が少ないと、バランス考えたら、
1000円以下では無理でしょう。
かといって、ちゃっちいやつで安いやつ
用意しても意味ないと思うよ。

#完全に逆の立場になってみて、
ほんとに欲しいものかどうか考えること。

キャラクターグッズがあるといいなー、ではなくて、
こんないいものだから、使って欲しい!で
ないと、いかんと思うよ。」

私にとっては、ときに厳しいことも言いますが、
なかなかよきアドバイザーなのです、
我が家の主は。ありがたいことです。
ちなみに♯の2行は、糸井重里さんの言葉だそう。

確かにね、どうせ扱うなら、
自分もお金出して買いたいと思うぐらい、
いいものでなくては、ね。
安さばかりを優先させて、
すぐ壊れるようなキャシャなものを紹介したんじゃ
ダメですよね。

昨夜、ネット検索で、
いろいろなタイプのブックカバーを見ました。
いいなー、でも、ちょっと高いなと思ったのが大半。
しかし、布地の質や縫製がよく、
使い勝手もいいものを作るのは、
たやすいことではありません。
物の値段には、しかるべき理由があるので、
もっとよく考えるべきでした。
雑貨作りのために何年も努力し続けている人に
対して失礼な考え方だったと気づきました。
きのうは、オンライン古本屋に
雑貨店っぽいカラーを加えたいと、
ブックカバー、本を入れるトートバッグなども
扱いたいと思って張り切ってました。
人に縫製をお願いできないなら、
いっそチープな商品をどこぞでまとめて
仕入れてこようかしら、
自分で作ってみようかとさえ思ったほど。
ちょっとお気楽すぎたことを反省しました。

やるなら、きちんとやらないと、ね。
安かろう悪かろうじゃダメ。
案外、お得じゃないと感じるレベルじゃないと。
HPをのぞいてくれた人にも
ご購入くださった方にも楽しんでいただきたい。
そのために、まずは何かできることがないか考えようと思います。
当面は、「海ねこ」にちなんで
海の水中写真のポストカードをサービスで添えるなど、
何かできることがないかどうか検討中。

きのうはまた、まぐれのように
(いつもよりはずっと)お買い上げいただけた日でした。
4人の方から1冊ずつ、アマゾンマーケットプレイスでのご注文。
ほかに、きのうイージーシークでご注文いただいて、
入金を確認しだい発送したい雑誌があります。
いずれも当店HPをごらんになってのご注文ではないので、
本当はまだまだですが…。

あ、そうそう、初めて当店HPを見ての
ご注文をいただきました。
私が長年、お付き合いさせてもらっている
ティーンエイジャーから2冊のご注文。うれしいです。
彼女へは、初回だけ特別に
応援の気持ちをこめてプレゼントとしました。

今日、5便、梱包するためには、
分厚い段ボールに穴あけて、テープでとめてと
やっていると、大変。
今、愛用の磯村商事の封筒式のブックケースは
手軽に梱包でき、しかも、そこそこの強度は
あるようなので、重宝しています。
ティーンエイジャーの彼女へは1冊おまけをつけて
単行本2冊、文庫本1冊の発送。
少し厚みが出たので磯村商事のサンプル
「片面段ボール製スーパーケース 
B−5 窓付」を使ってみました。
1枚55円とちょっと高いけど、丈夫そう。
イラスト入りテープやスタンプを組み合わせると、
見た目もかわいいです。
どうでしょう、きちんと破損なく届くでしょうか。
応援の気持ちを本にのせて送るって、
私は結構、好きです。
受け取った人にとっては、どうかな。
お見舞い、人への贈り物に本、いかがですか。

さて、自分用の本もしっかり買ってますよ。
注文しておいた新刊がアマゾンから
今さっき届きました。
新聞で書評を読んで即注文した
『ASAKUSA STYLE
浅草ホームレスたちの不思議な移住空間』。
ホームレスたちの移住空間を時間と労力かけて
撮影・取材した労作。
ぱらぱらっと見ただけでも、
どれほどのエネルギーをかけて編んだ本か、
誌面から伝わってきました。
うううん。すごい。
ああ、私は毎日、何をしてるんだろう。
頑張らなくちゃ。

アマゾンが今、梱包に使っている
封筒は、私が使っているタイプとさほど変わらない感じ。
以前の段ボールから、やはり、
白い板ボール製の封筒式に変わったようですね。
大きめのサイズを使っているので、
本のまわりの緩衝部分が多く、衝撃をやわらげるのに
いいかも。私も参考にさせてもらいます。

2003年6月3日 記


魅惑の古本屋

きのうのジメジメ空とうってかわって、
初夏の陽射し。
取材で、自由が丘へ行ってきました。

最近、取材や打ち合わせのたびに
とんでもない大荷物で帰る私。
今日も取材先の雑貨店で、私物一点、お買い上げー。
金魚柄のフタつきマグカップ、中国製です。

そして、帰りに通りかかった古本屋に
みごとKOされました。
「創業50年」の「文生堂書店」が、その店。
お客さんでにぎわっています。
地元のファンに愛されてる感じ。
んん? とすごく気になりつつ、
近くで腹ごしらえしてから、いざ出陣(おおげさな)。
まずは店頭からゆーっくり見ていきます。
店頭にたくさんある料理本は、きれいめ。
結構いい値段をつけて取り揃えてあります。
さすが、自由が丘。土地柄かなー、
値段が高くても、こういうものが売れるんだなと。

そして、その横、無造作にどわっと置かれていたのは、
古い『太陽』の数々。
店頭の目玉品、客寄せでもあると思うけど、
いいのか、この値段で? と恐縮しつつ、
興味のあるものをピックアップ。
67年ー89年のものまで
『竹久夢ニ』『漂白の詩人・山頭火と放哉/荒木経惟』
『本の宇宙誌』ほか7冊、ゲットしました。
私もちょっと目を通したいので、
どうしても手離したくないもの以外は、
そのうちアップしていきたいと思います。

店頭だけでも私にとってはウハウハ(古い)なのに、
店内に入ってみたら、これがまたすばらしい。
品ぞろえがよく、私が好きな本だらけです。
ネコ本、ガーデニング、映画、美術などなど、
ジャンルごとによく整理してあり、
古いものから新しいものまで取り混ぜて並べてあります。
棚ごと買い占めたい思いにかられました。
藤田嗣治の猫関連の画集1万3000円はさすがに
思いとどまりましたが、
猫の絵本の箱から2冊、購入しました。
『井上あき子の切り絵モザイク 夢魅猫』
(切り絵に彩色した絵本)
Lesley Anne Ivoryの絵本『STAR CATS』。
前者は700円、後者は1000円で購入。
安くはないですが、この本の内容なら即決!
Lesley Anne Ivoryのイラスト入りブリキ缶は、
以前、猫の描きかたが気に入って購入。
本も買おうと思って検索しましたが、
検索の仕方がよくなかったのか探せずじまいでした。
ようやく絵本に出会えました。
文生堂書店さんのおかげです。

昭和初期の絵本や戦時中の(!)
『子供の科学』など古雑誌も扱っています。
すぐ近くに、洋書の古本屋も出しています。
さすが、やり手ですよね。
繁盛して、ずっと続いてほしいお店です。
ああ、自由が丘に引っ越したい。
せめて、もっと買えるように、
今度、車で行かなくちゃと思いました。
いい古本は、先人の遺してくれた宝。
宝物をそろえてくれる古本屋さんは、
街の文化財だと私は思います。
いい古本屋がある街に住める人は、幸せです。

帰り、乗換駅の稲田堤でも
通りがかり、古本屋が目に入りました。
『古書・青春堂』稲田堤店。
すでに重い古本を抱えつつも素通りはできません。
こちらでは、店頭で見知らぬ猫のエッセイ、
翻訳ものを発見。なんと、96円。
大好きな絵本作家の田島征三『土の絵本』800円ほか
合計3冊を購入。

自転車のとってに重い本をぶらさげて、
よろよろ帰途につきました。
曲芸師か、私は?

2003年6月5日 記


自分でもどんどん買ってみないと

私にしては仕事が立て込んで、
忙しい週でした。
新着本もおもしろいものを
どんどん登場させたいという気持ちはあっても、
毎日少しずつ更新するのがやっと、でした。

今日は日曜なのに、まだ原稿書きもある上、
迷い猫を動物病院でみてもらわないと。
物事、なかなか思うように進まないのが
現実ですね。
まだまだ忙しい日々が続きそうで、
リンクも依然として「工事中」のまま…。
早く取り掛かりたいですが、
当分できそうにありません。しょぼん。

ところで、そんな日々での楽しみはというと、
お気に入りミュージシャンのインタビュー記事。
彼の久々のアルバムがもうすぐ発売になるので、
プロモーションのため、あちこちに登場しています。
発売日をチェックしては各雑誌を買いこんで、
インタビュー記事を読むのが、ささやかな幸せ。

今、私が好きな雑誌は、
京阪神エルマガジンの『トーキンロック!』。
関西ノリのインタビューが勢いいっぱいで、
おもしろいです。
ほかの音楽誌みたいに小難しい質問の仕方ではなく、
ユーモアをまじえつつ、
アーティストのホンネをうまーく引き出す感じ。

今日はトーキンロック! 最新号を購入。
今回もまたおもしろく、内容も深みたっぷり。
インタビュアーの編集長さんほか、
作り手の方々に感謝したい気分でした。
同誌のバックナンバーはあちこちの古本屋で
買い集めているのですが、
まだ集めきっていない号があります。
今さっき、収集しきれてない
バックナンバーをイージーシークで注文しました。
で、気づいたことがあります。
トーキンロック!は重複して2冊持っていたものを
私も1冊、イージーシークに出品中です。
しかし、買う側に回ってみて初めてわかりました。
ほかの出品者の方々の値段を見て、
自分の値つけが高かったと、ようやく気づいたのです。
イージーシークで自分自身で
本やCDを買ったのは、まだ数回程度です。
でも、もっと自分でも買ってみようと思いました。
利用者サイドになってみないと
気づかないことっていっぱいあると思うので。

というわけで、自分も作る側と読む側、
買う側と売る側、
それぞれ同時進行で好きな本や雑誌に
ふれていきたいと思っています。

きのうアマゾンでお買い上げいただいた文庫1冊、
今日イージーシークでお買い上げいただいた
宮沢和史詩集2冊、発送しました。
お手元に届いた方に楽しんでいただけますように。

追記 トーキンロック! バックナンバー、
ご不要のものがある方、ぜひお売りください。
ご連絡をお待ちしております。

2003年6月8日 記


トラブル発生したときは、誠意ある対応が大事

今日は朝9時半から取材だったので、
6時半起き。苦手な早起きです。
神保町がそう遠くない場所だったのに、
朦朧としていて、パワー不足。
本を見て、選んで、持ち帰るって
結構パワーがいるので、元気じゃないと無理。
立ち寄りなしで帰ってきてしまいました。
自宅の最寄り駅近くで、
お気に入りアーティストが登場の音楽誌は
しっかり購入しましたが。

帰宅したら、先日bk1に注文した
本がメール便でポストに届いていました。
川内倫子さん撮影の『うたたね』という写真集。
川内さんの写真集を購入したのは、
奈良美智さんらとイラクに行ったときの
「FOIL」につぐ2冊めです。
『うたたね』は第27回 木村伊兵衛写真賞受賞。
写真のみで日常の中に見え隠れする 生と死をこれほど表現してしまう。
川内さんの感性には、圧倒されます。
しかも、文字の力にまったく頼っていないので、
世界中どこの国の人にも理解できるでしょう。

先日、アルタイという国から来日した
ボロット・バイルシェフのライブを観にいきました。
ライブ前に、巻上公一さん、田口ランディさんらの
トークショーもあり、川内倫子さんも出演。
川内さんが撮影したアルタイでのスライドが
紹介されました。
紗がかかったような柔らかい(しかも、どこか はかない、切なくも懐かしい)光の感じ。
そして、なにげない光景のひとこまひとこまの中から
フレームで切りとる感覚が独特。
会場では、川内さんの写真集が飛ぶように
売れていました。

私はその場で買うと荷物になるので、
帰宅後、ネットで購入。
アマゾンでは品切れだったので、
bk1に注文しました。

しかし、bk1から届いた写真集、
裏表紙にヨゴレが、、、、、。
白いカバーに黒っぽい点点が長くついているのです。
最初、生と死を表現している本ゆえの
装丁の一部なのかと思いましたが、違うようです。
なんだかカビみたいな感じ。
ふきとってみましたが、きれいに落とせません。
気にしなければいいんだと思おうとしましたが、
気になるんだから仕方ありません。
今まで、こんなことはなかったので、
きっと裏表紙なので汚れに気づかないまま
出荷したのではないでしょうか。
中身はいいのに、ずっとずっと気になったまま
持ち続けるんだろうか。ちょっとユウウツ。

どうしよう。bk1に連絡してみようかな、
でも、黙っておけば労力もいらないし、
bk1にもお手間かけずにすむし。
かなり迷いつつも、
交換もしくは返品が可能かどうか、
問い合わせのメールを送りました。
bk1の納品書に書いてあった注意書き
(取り寄せ書籍の場合、若干の傷・汚れが
見られる場合もある、云々)を読んだこと、
書店でこの状態の本を手にとったら、
買うだろうかと考えたことも書きました。
エネルギーいりましたよ。
自分がこんなことで悩んでるなんて、
神経質すぎるのではないかと気にしました。

以前、お買い上げいただいた写真集について、
背表紙カバーが破れていたので返品したいと
返金ご希望のメールをいただいたことがあります。
破れ部分のデジカメ写真つきのメール。
誠意を持って、できる限りの対応をしました。
あの人も、私にメールするのに、
さぞかしエネルギーいっただろうな、と、
改めて実感しました。

しかし、勇気を出して問い合わせてスッキリ。
在庫が手元になく、版元に取り寄せるので時間は必要
になりますが、美品と交換していただけるとのこと。
配達のときに、返品分の汚損本は
ドライバーに渡せばいいそうです。

よかった。bk1によくない印象を抱かずにすみました。
むしろ、返品の対応がきちんとしていて、
誠意を感じました。
返品・交換システムがきちんとしていると、
企業としての姿勢に信頼をもてます。
ナットクいかないまま、本を見るたび
苦い思いをしなくていいんだ。よかった。

私も気をつけます。
ネット上で本を売る場合、
現物を見ることなくお買い上げいただくので、
受け取った商品にご納得いただけない場合もあると思います。
こちらも生身の人間ゆえ、汚れや破損の見落としもあるかも。
そんなときはクレームの声を発していただき、
きちんと対応したいと思いました。

それと、多少の汚れや破れのある場合は、
リストの段階で包み隠さずに
できるだけきちんとお伝えする重要性を痛感しました。
本当は本のすみずみまでチェックして
細々と状態をリスト化するべきなのでしょう。
時間がないと、なかなかそこまでできないので、
自戒の念をこめて、、、、。

2003年6月9日 記


これでいいのかなって、しばしば不安にかられます

よそのオンライン古本屋さん。
店主の日記、読みたさに毎日のように
のぞくところがいくつかあります。
新着本を日々、ジャンジャン入荷しているお店。
積極的に各種イベントにも参加しているお店。
店主の好みがいかんなく発揮されているお店ぞろい。
活気があって、売り上げ好調なのもわかります。

それにひきかえ、自分は…。
あまりにも地味なやり方すぎて、
情けない気もします。
新着本の更新スピードときたら、
カメの歩みだし。
アップしようと思いつつ、自分もちょっと読んでみたい本は、
部屋に山積みになる一方です。ううううう。
すみません、本当にトロくって。

最近、取材でお会いした雑貨メーカーの皆様も、
雑貨アーティスト&雑貨店主さんも、
芸能界で生きている某くんも、
かつて不登校していて、今は高校に通っている女のコたちも、
会社員やってる家人も、
それぞれの道を歩んでいる友人らも、
世間の皆様は、忙しく頑張ってらっしゃいます。
あーあ、私は何やってるのかなーって、
ときどき不安になりますよ。

やるべきことは目の前に山積。
今日だって、掃除、洗濯、生協の注文に、
原稿書き、テープ起こし。ねこの世話。
それから、梅雨入りしたので、
いよいよ本の湿気対策をせねば。
ホームセンターで密閉容器を買ってきて
除湿剤を入れてみようかと思っています。
お米も買いにいかなくては。

毎晩、やるべき家事・仕事を終えてから、
新着本をようやくぽつぽつアップすると、
もう時間切れです。
ねこと遊んで、布団で本を読んで寝るだけ。
毎日、火の車のようにあわただしく過ぎ去っていきます。

一事を成し遂げられないのは、
ひとつにしっかり専念していないからであって、
仕方ないのだと自分に言い訳してみたり。
いや、違う。ほかのオンライン古本屋の方だって、
あれこれいくつも仕事を抱えている。
だけど、精力的に次々に新着本を出しているじゃないか、
それにひきかえ…と自己嫌悪にさいまなれたり。
私は、何かひとつに専念するよりも、
あれやこれやバタバタと並行してやっていくのが
もしかしたら性にあってるのかもと思ってみたり。

明日から取材4連チャンで、疲れそう。
また、スローフードならぬスロー新着本の日々になりそうですが、
どうぞ、ときどきでものぞいてやってくださいませ。
バタバタしていても、
自分がやりたいことを見失わないように、
コツコツ少しずつ積み重ねていこうと思います。

2003年6月11日 記


心のオアシス(やや長文)

今日は、六本木で取材でした。
例によって“ああ、もっとこう聞けばよかった。
あれも言うんだった”などと
多々、悔やみながら、
とぼとぼ帰途につきました。
今日はまた、ぐさりとくる一言を
投げかけられたこともあって、
ちょっと傷心…。
向こうにとっては、無意識のなにげない言葉だと思います。
私だって、別の人を取材し続けて何年もたってから
「あのときのあの言葉、ショックだった」と
言われて、はっとしたことがあります。
気をつけてはいても、人と人が向かい合えば、
無自覚のうちに傷つけあうことは
なかなか避けられないのかもしれません。

気分転換に六本木ヒルズのヴィレッジ
ヴァンガードに行こう! 雑貨のある書店、
覗きに行こう! と思いました。

でも、行けませんでした。
なぜかというと、手前で、
間口の細い古本屋さんの存在に気づいたので。
ご存じですか。
六本木の交差点のすぐそばに、
小さな古本屋さんがあるんですね。
「竦(かしかわ)書店 誠志堂」と
看板に書いてありました。
今まで何度も通っているところなのに、
あまりにも目立たないため、
ついぞ気づかぬまま過ごしてきました。
でも、気づいてしまったからには
素通りはできませんん。
大通りに面していて、戸もあけはなってあるので、
並んでいる本は塵で煤けていました。
それでも、品ぞろえはとてもよく、
奥にいる店主の好みに信頼が置ける感じ。
値段が安くないので、そう買えませんが、
いいものを見せていただいたという印象でした。
手頃な値段の本を6冊、おまけしてもらって
2500円で買いました。
そのたたずまいに身を置いているだけで、
なんだかとても落ち着いてきました。

田口ランディーさんがトークショーで
語っていた言葉を思い出しました。
厳密なニュアンスは違うかもしれませんが、
この世には、私たちが目にしている層(相)とは
違う層(相)が存在しているのではないか。
昔からの人々の思い、考えがおりのように
つもりつもって重なってきた層が
目には見えないけれど、確かにあると思う。
確か、そんな内容の言葉でした。

正直に言うと、私は以前、古本は苦手でした。
なんだか人の手垢にまみれていて、きれいじゃないイメージ。
新刊でも、平台に何冊も積み重ねてあれば、
選びに選んで、いちばんきれいなものを
買ってくるクチでしたので。
でも、遅ればせながら古本の世界に
どんどん魅了されてきたのです。
オトナになるのも悪くないなという感じです。

すっかり長くなりました。
書きたいことがいっぱいありまして。
もうちょっとお付き合いくださいませ。ペコリ。

今日は、当店サイト直でお買い上げいただきました
お客様 第1号、誕生です。
先日、すでに2冊、お買い上げいただいた
高校生Pさんが本当は第1号でしたが、
Pさんへの応援のプレゼントとしましたので。
今回、2冊お買い求めいただいたDさんが
実質、初めてのお客様。
アマゾンマーケットプレイスやイージーシーク経由の
お客様も大変うれしいですが、
また違った喜びでございます。

では、昨夜いただきました1通のメールを
ご紹介して終わりにします。
以前、アマゾンマーケットプレイスで本を
ご購入いただきましたAさんからのメールです。
とてもいい文章でしたので、大変、励みになりました。
ご本人にご承諾をいただけましたので、転載します。

***************

海ねこさま

1ヶ月ほど前にログハウスのムックを購入しましたAと申します。
あのムックは、数年後の田舎暮らしを目指しております
家人が探していたもので助かりました。
私は、ちょうど北尾トロさんの「僕は古本屋…」を読んで、
田舎に引っ込んでもできることは何かないかなあと
漠然と思っていた頃でしたので、
海ねこさんが「よくわからないまま始めてみました…」と
書かれた日記を拝見して、
背中をそっと押していただいたように思った次第です。

で、私もなんだかよくわからないままに
始めてみようかなと動き始めました。
といっても、以前からののんびりペースですから、
はていつになるやらなのですが、
またいつかご報告が出来れば嬉しいなと思います。

ばたばた、あたふたしていてもいいじゃあないですか、
本当にやりたいことだったら。
海ねこさんのやり方で、ぼちぼちいけば、
と思いましたので、メール差し上げました。
がんばってくださいね。

*******************

家人からは、
「>ねこと遊んで、布団で本を読んで寝るだけ。
ありがたいこと、とも言えるでしょう。」
というメールをもらいました。
確かにね、そうかもしれません。

2003年6月12日 記


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