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2003年11月の日記

5日間、休んだだけなのに休みボケです

遅い夏休み。4泊5日間、南の島へ旅してきました。
もう15年以上、毎年のように通い続けている島です。
沖縄は太陽が出れば、真夏のような陽射し。
毎日、海にもぐって珊瑚礁、魚たちを眺め、
知人らと遊び、「おなか、すいたねー!」が合言葉でした。
3食とも人さまに作っていただき、餓鬼のように食い、
寝たいときに寝る、飲みたいときに飲む
…たいへん贅沢な日々でした。
お金はスッカラカンになってしまいましたけどね。

しかし、わずか5日間、休んだだけなのに、
休みボケと気温の変化で、東京に戻った翌日の今日、
ぼけーっ、だるだるーっ状態から脱皮できません。
ああ、困った。体と心がすぐに適応していかない感じ。
発送にしても、日々の仕事としていたころは、
とくに苦もなく、手が覚えている感じで進められたのに、
今日は時間がかかって困りました。
入金確認できた方の名前のうち、おひとり、
どの本をご注文してくださった方なのかつかめなくて、
メールを過去の過去までさかのぼって延々、探し続けたり。
新着本の更新にしても、出発前までは
ルーティンワークとしてスイスイっとアップできていたのに、
PCに入れてあるファイル名を見ても、
どのファイルがどのテキストのものなのか一瞬、戸惑う始末。
やはり、ずっと続けていないとカンが鈍るのだなー。

会社勤めの家人のほうはというと
「こっちの仕事、もう10数年やってるからね。
カンは戻りました、すぐに。
古本業も十数年続ければ、問題なくなるのではないじゃろか。」
との返事。
そうですね、私はまだ新米中の新米ですから、
休んでしまうとあっという間に消えてなくなるような、
まるでカゲロウみたいな経験値しか持っていないのでしょうね…。
あれこれ悩むより前に、とにかくコツコツ続けていかねば。
肝に銘じます。

旅先で読んだ「古道具屋さんの経済理論」(魚柄仁之助)が
参考になりました。
利幅の大きい商品をどこでどうやって探し出すか?
皆様が欲しているものを、いかに安く仕入れて提供するか?
頭と体をめいっぱい使わないことには
サバイバル時代を生き抜くことはできないのだなと痛感しました。

それにしても、離島の真っ白い砂浜にて、
パラソルの下で読まれるとは思っていますまい、
著者の魚柄さん(笑)。

ともあれ、いい気分転換になりました。
少しずつカンを取り戻していけるように
日々、こつこつ続けていきます。
ほぼ毎日HPを更新予定ですので、どうぞ見放さずに
よろしくお付き合いくださいませ。お願いいたします。

そうそう。
1行日記にもチラリと書きましたが、
旅先においてオンライン古本屋業をどう続けるかは
私の今後の課題でもあります。
オンライン古本屋は人それぞれ、やりかたがあるでしょう。
私は足りない部分がたくさんあるので、
せめてご注文をいただいたときは
迅速かつ丁寧に対応していこうと決めておりました。
しかし、こちらが出先にいる間
せっかくご注文いただいても迅速に対応できないようでは
そのモットーに反します。
しかし、モバイル通信でメールは見ようと思っても見られず
(容量の大きい写真つきメールの受信ができず、
その先のメールが見られないままでした。
東京に戻ってから、受信するメール、受信しないメールを
選択設定することができたと知りました)。
イージーシークでの注文分はたっぷり1時間ぐらいかかりますが、
どうにか見られたので受注書を送ることができました。
(携帯代とプロバイダーの請求が怖い…。
売れた本代より高いかも。それでも私は
できる限り迅速に対応したかったのです。
信頼関係を気づいていくことが基本と思っております。
それでも、ご迷惑をかけた方がいらっしゃったら申し訳ありません)
いずれにせよ何事も体験。いろいろ気づくことが
できましたし、貴重な体験でしたよ。
渦中のときはハラハラドキドキでしたけどね。

海外に行ったときは一体どうすればいいのか?
海外へなんぞ行くな? とお思いでしょうが、
したいことをして充電しないと、人間、
エネルギーが消沈していくような気もするんですよね。
せっかくご注文いただいても、
きちんと対応できないぐらいなら、むしろ、
けじめをつけて旅行期間中はきちっと休むべきなのか?
家人に「新着本を休んだからって誰も気にしないよ。
古本を欲しがる人たちは、発送が少しぐらい遅れても
あまり気にとめないのでは?」と言われて、そうかもと思いました。
それでも、売り上げが微々たる弱小店にとっては
こつこつ努力する以外にできることがありません。
どうにかしていかなければ、と、気にはなります。
ほかのお店の方々は、どうしていらっしゃるのでしょうか。

2003年11月4日 記


売れないかと思うと、売れたり、また売れなかったり

今月はからっきし売れないなと思ってショボくれていると、
給料日前あたりから突然バタバターっと売れ始めます。
そこに週末が重なると、受注メールが複数集中(することも)。
もちろん、いつもそんなにご注文をいただけるわけではなく、
波があるので、たまたまなのでしょう。
きっとまた来月の平日は
“からっきしだなー。どうしよう…”と沈んでいるのでしょう。

いつも平均的に売れるのではなく、
ダメなときと突発的に売れるときと、ひじょうにリズム
(悪く言えば“ムラ”?)があることがわかってきました。

きのうは、3連休に注文をしてくださった方々から
週明けに入金が集中したのと、たまたま自分が1泊で出かけたのとが
重なって、15冊の発送。当店にとっては大変な大量発送でした。

毎月の売り上げは、本当にゆるやかなペースながら
おかげさまで少しずつアップしてきました。
(最初のころ売り上げが低迷しすぎ、という言い方もできますが)
イージーシークで「一回のお買い上げ2500円以上につき送料無料」の
宣伝をしてもらっているからか、イージーシークへの
システム手数料も例月よりは多く払えそうです。
居ぬさんミワちんの手作りしおり冬バージョンが登場して、
しかも、クリスマス限定しおりとカードつきというのも
きっと売り上げアップにつながっていると思います。
あとは、新着本の仕入れのときに、
だんだんこの本は売れそうだな、これはダメそうだな、というのが
少しずつわかってきたので、選び方が前よりはよくなってきたかも。
以前から、この本は自分でもお金を出して買うと思う本のみ
仕入れてきましたが、今は、あのお客様だったら欲しいかもな、
と具体的に頭に浮かべながら選ぶことが多いです。
お客様からの「私はこうこうこういう本が好きなので、
なんたらかんたらの本は入手できてとても喜んでいます」
「ああだこうだといったことが書いてある本を探しています。
入荷したら教えてください」といったメールも、とても参考になります。
当然、毎日の新着本を4冊と、以前よりペースアップしたのも
影響していると思います。
以前は毎日2冊ほどでしたので、
単純計算で以前の倍、イージーシークや検索でヒットする率もよくなりますし、
当店HPをご覧になる方も、欲しい本に遭遇する可能性が増えたのでしょう。
本当は新着本をもっと増やせば、
もうちょっと売り上げも伸びるのでしょうが、
私の生活を考えると、今のところ、
このペースを保っていくのがちょうどいいです。
これで、単価がもうちょっと上がって売り上げに反映されると
理想なのですが、まあ甘い夢ですね。

今のペースをしばし保ちたい理由は、
まず、雑なやりかたになって、お客様の信用を損なうことは避けたいこと。
梱包・発送にかかる時間の問題もあります。
また、在庫が増えてくるにつれて、新たな問題に直面してきたのです。
ふだんはご注文のメールをいただくと、すぐに
在庫から探し出して机の上、目に届くところに積み重ねておきます。
しかし、きのうのように、1泊留守にしたりすると
あらかじめ用意しておくことができず、
あるはずの本なのに「ないないない。おかしい。一体どこへ?」
と、髪をふり乱して探し回る羽目になります。

我が家の書庫は6畳ほど。
壁を埋め尽くす本棚は、私と家人の本でいっぱい。
海ねこ用の在庫分は、ざっくりとジャンル分けして
ふたつき密閉容器にしまってあります。
外から見ると、このケースはこのジャンルとわかるように
半透明の容器を使っています。
密閉容器に入れてあるもうひとつの理由は、
猫に傷つけられて怒るのがイヤだからです。
しかし、毎日4冊ずつ増えていくと、
あっという間に密閉容器に入りきらなくなります。
仕方なく段ボールに入れたり、
隙間がある密閉容器に入れたりしていく繰り返しののち、
「あれ、ないないない。どこ? どこ?」の騒ぎになります。
当初、在庫200冊ほどのころは、まったく想像の及ばない世界でした。
今後、在庫が700冊、800冊、1000冊になったら、
一体どうやって管理すればいいのでしょう?

これからオンライン古本屋を始めたいと思う方に
今の私からご提案できることは、以下のとおりです。
本を置くスペースを多すぎると思うほど確保しておくこと。
そして、どのように在庫管理をしていくか、
きちんと考えていく必要があると思います。
いっぺんに在庫を増やすと何がなんだか
自分でも把握しにくくなってシッチャカメッチャカになります。
最初は限られた在庫で始めてもよいと思うのです。
徐々に増やしていって、自分なりの在庫管理法に慣れていくとよいでしょう。

目録のほうの管理も注意が必要です。
海ねこは多くの他店と同じように
自店HPとイージーシークの2本立てで展開しております。
イージーシークの検索機能は、
自分の在庫のチェックのためにも使えます。
そして、片方でご注文いただいたら、片方の目録のほうは
すかさず「品切れ」表示を出すよう習慣づけておきます。
在庫があるのかないのかはっきりわからなくなりますと、
注文をお受けできるのか、お断りするべきなのか、
自分でも何がなんだか把握しきれなくなります。
ちょっと「品切れ」表示を出し遅れたために
お客様からのご注文におこたえできずお詫びするのは本当に申し訳ない気持ちです。

ましてや昨夜の私のように、何百キロか移動したあと、
一度にまとめて15冊発送となりますと、
在庫から探し当ててそろえるだけでフラフラしてまいります。
ようやく梱包しましたが、毎日少しずつの発送のときほど
きちんとクリーニングができなかったのが悔しいです。
こんな汚れた雑誌なのか、と、ショックを受けられたらどうしよう。
梱包も万全じゃなかったとしたら、途中で
バラバラになって、きちんと届かなかったらどうしよう…etc.
小心者の私は、かなり心配しております。

先週はお客様から「本が届かないんですが」とメールをいただき、
“すわ、当店も郵便未着事故か?”と青くなりました。
古本ですので、一部をのぞいて在庫は1冊ずつ。
未着だからといって、同じ本や雑誌がまたじき入手できるか
どうかは神のみぞ知る、です。
結局、近所の顔見知りの郵便局長さんが
機転をきかせて即、相手方の局に問い合わせてくれました。
大きな荷物ですのでポストに入らない場合、
そのあたりに無責任に放置するようなことはありません。
インターホンを鳴らして住人に手渡すはず。
相手方の局によれば「不在で持ち帰った記録はないので、
届けているはず、ということしかわからない」との返答だったそうです。
お客様にメールでお伝えしたところ、
もしや…? と思いあたるふしがあったとか。
以前に似たことがあったそうで心あたりに尋ねてみると連絡してくださいました。
結局、本が見つかって事なきを得ました。本当にほっといたしました。
階下に、赤の他人の事務所があり、そちらに預けてあったそうです。
お客様にしてみれば不在通知が入っていたわけでもなく、
他人の家に預けられていたので、想像がつかなかったのです。
冊子小包は、休日をはさまない場合、
近くなら1日。遠方でも2日ほどでつくのが普通だそうです。
このお客様は海ねこからの発送メールが届いてから
5日ほどで“あれ、届かない。おかしいな”とお感じになって
メールでご連絡してきてくださいました。
私も郵便局側も対応のしようがあって、よかったです。

しかし、冊子小包は、ゆうパックや宅配と違って受領票がありません。
受け取り人のサインや印鑑もないので、
誰が受け取っているのか調べようがありません。
そのときは顔面蒼白。冊子小包がきちんと届かないなら
ゆうパックか宅配に切り替えるしかないのではないか、
しかし、冊子小包でさえ結構高いと感じる人がいるのに、
お客様にこれ以上は負担してもらうのは無理、
だけど、当店がその分の送料を負担したら、
ただでさえカツカツなのに赤字になるばかりだ。
悪いときは、悪いことにばかり想像が及ぶもので、
もはや廃業か…と泣きたいような気分でした。
結果としては、出てきてよかった!
お客様ともども悲しんで、その後、一緒に喜びました。
冊子小包の弱点を学べてよかったと思います。
局長さんが後日「よかったですね。たぶん大丈夫ですよ
(きちんと届きますよ)」とおっしゃった笑顔を
郵便公社の皆様の誇りと思い、信じようと思いました。

悩みごととともに、楽しいことも尽きせぬ日々。
次から次へと予期せぬ出来事が起こります。
おかげさまで、かなりドラマチック。
まずまずなオンライン古本屋の毎日です。
どうにか続いております。

追伸 長くなりました。秋田での仕入れの話までたどりつきません。
またの機会にします。今日はここまで、です。



2003年11月28日 記

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