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■絵本 童話 児童書〜日本の古い絵本■

その1・その2その3絵本雑誌



cover cover品切れ 絵本 したきりすずめ
大川屋書店 出版年不明
2300円 B 角少イタミ 当時30円

戦後の絵本です。

いじわるばあさん よくだして
もらったつづらは おおつづら
とちゅうでふたをあけてみて びっくりおどろき こしぬかす
たからがでてこず ばけものが
くびながにゆうどう どんどろり
それからこころをいれかえて よいおばあさんになりました

「くびながにゆうどう どんどろり」のところがたまりません。
昔の絵本は、声に出して読むと音楽のように独特の響きがあります。
実際に声に出さずとも、ぜひ頭の中で音読してみてください。
ページをめくっていくと、今の印刷技術では出せない深い色みで、どこかの世界にいざなわれます。
着物の色づかいといい、竹やぶの中、すずめのお宿へおじいさんが進んで
いくところといい、どこか優艶な空気さえ感じさせます。

すべて色刷り。ホッチキスで中綴めしてあります。
12ページ  サイズ 天地 24.7センチ×左右 17.5センチ

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covercover品切れ したきりすずめ ももたろう
さくら書房 出版年不明
2300円 B 周囲少ヤケ 少イタミ 当時30円

これはとっても不思議な絵本。
上半分に「したきりすずめ」、下半分に「ももたろう」が描かれています。
両方のお話を同時に読み進めると、互いがシンクロしあって、不思議な印象に。
この時代の針金(ホッチキス)中綴め絵本だけで、研究所が作れそうな気がします。
すべて色刷り。ホッチキスで中綴めしてあります。
8ページ  サイズ 天地 25.8センチ×左右 17.5センチ

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covercover品切れ はなさかじいさん
榎本法令館 出版年不明
2300円 B 表紙角・背のつなぎめ(上側と下側)少ヤブレ 当時20円

「中を見る」をごらんください。
浮世絵のような、大変美しい色刷り。
浮世絵が絵本になったかのような完成度の高さ。
和紙のようなザラザラした紙によくこれほど美しく印刷ができるものだと、当時の技術に感心します。
文字は活字でなく、手描きのようです。

すべて色刷り。ホッチキスで中綴めしてあります。
12ページ  サイズ 天地 25.7センチ×左右 17.5センチ

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covercover品切れ ぶんぶくちゃがま
美空書房 出版年不明
2300円 B 表紙周囲少ヤケ 当時30円

子どもたちにいじめられていたたぬきが金の茶釜が恩返しをする物語。
日本の物語のおもしろさが忘れかけられているような気がします。
和紙のようなざらざらした紙に浮世絵のように美しく刷られています。
色づかいの妙をぜひお楽しみください。
ジャポネスクの魅力満開。外国人へのおみやげにいいかもしれませんね。
すべて色刷り。ホッチキスで中綴めしてあります。

12ページ  サイズ 天地 25.7センチ×左右 17.5センチ

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covercover品切れ アルプスの少女 画・いしだたけお(石田武雄)
保育社 保育社の名作絵文庫6 昭和29年
1900円 C+ カバー袖部分のみ見返しに接着 見返しに記名 見返し破れあり 当時130円

小学低学年向けに読みやすい物語です。
カラー口絵4ページ。
本文の左ページはどの見開きもイラスト。ふんだんにイラストが盛り込まれています。
口絵以外は1色刷りですが、インクの色がセピア・モスグリーン、青紫とシックなトーンで変化していきます。

「近頃、世界名作……と名付けて多くの本が出ていますが、これは本当にいいことだと思います。
…ところが残念なことに、今までに出ている本は高学年向のものが
多くて、低学年の子供たちに読ませる本が少ないのです。
それも、ただお話のすじを書いたものや、言葉づかいがむつかしくて
子供に分かりにくいものなど、これはと思うものみあたらないようです。
そこで、これではいけないと思って編集したのがこの名作絵文庫です。
まず、子供が読みやすく分かりやすくするために、言葉づかいはやさしく楽しい絵を多く入れました。
そして、お話のすじを楽しませるというのではなくて、作品を書いた
作家の心を、読む子供にまちがいなく伝えるようにつとめました。
これがもっともいいものだとは言えないかも知れませんが、この本が
多くの子供の心に明るい灯をともすことを念じて編集のことばにかえます」
(「名作絵文庫」刊行について より)

「作家の心を、読む子供にまちがいなく伝えるようにつとめました」という一文に胸を打たれます。

ハードカバー 68ページ 天地 21.3センチ×左右 15.4センチ



covercoverきれいな花 画・しみずまさる・いしだたけお(石田武雄)
保育社 保育社の学習絵文庫20 昭和29年
2300円 B− 背スレ 見返しに記名 当時150円

はるにさく花 花とわたしたち さくらのいろいろ 花のしくみ はるののやまの花
たんぽぽのかんさつ やさいの花 花と虫 いけにさく花 外国からきたくさ
なつにさく花 あさがおのせわ なつののやまの花 きゅうこんの花 たかい山にさく花
たねのちりかた あきにさく花 花のさかないくさ きくのいろいろ
木やくさのふゆごし ふゆにさく花 めずらしい花 おんしつにさく花 花やさん

4色印刷×2色印刷。見開き単位でカラー印刷と、2色印刷が連なっています。
49ページ以降は1色刷りで「冬ばらひめ」の読み物。
各ページごとに挿絵があり、見開きごとにインクの色がかわります。

「中を見る」の画像で伝わりますでしょうか。この当時の絵本というのは、
チェコの絵本に負けずとも劣らぬ絵・印刷の美しさだと思いませんか?

ハードカバー 64ページ 天地 21.3センチ×左右 15.4センチ



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covercoverハックルベリーの冒険 尾崎士郎・文 向井潤吉・絵
あかね書房 初級 世界絵文庫 昭和30年
3700円 B 表紙角スレ 扉に記名 当時130円

あかね書房の「世界絵文庫」は“低学年向のたのしいひらがな名作”。
“背クロースカバーつきの新装版”で全50巻(全巻揃 6670円)。もちろん当時の値段です。
背クロース装に金箔押しの文字。

本書の文章はなんと「人生劇場」の尾崎士郎(1898年〜1964年)。
「世界絵文庫」の書き手には驚かされます。紹介してみましょうか。
小公子(川端康成)白鳥物語(林芙美子)ニルスのふしぎなたび(山室静)
にんじん物語(岸田国士)みつばちマーヤ(花岡花子)家なき少女(吉屋信子)
トム・ソーヤの冒険(尾崎士郎)青い鳥(川端康成)ドン・キホーテ(三島由紀夫)
真夏の夜の夢(三島由紀夫)ふしぎの国のアリス(三島由紀夫)ベニスの商人(水上勉)
…驚くでしょう??? この時代、児童文学にかける一流作家や編集者の思いの反映でしょうか。

「世界絵文庫は、世界各国の有名な、そしてためになるお話をえらんで、
日本の作家の方々に、わかりやすく書きあらためていただいたものです。
小さいみなさまに、世界の名作を、できるだけ広く多く読んでいただきたいのが念願です」
(刊行のことば)

「マーク・トウェーンは、本名をサミエル・クレメンスといって、一八五三年、
アメリカ合衆国のミズーリ州で生まれました。
おとうさんが、まずしいあきんどだったので、満足に学校にかようこともできませんでした。
そんなマーク・トウェーンの書いた物語は、いかにも、アメリカ人らしい明かるさにあふれていますが、
やはり底には、世のなかのくるしさをおもう悲しみが流れています」(あとがき)
対象が低学年向きとはいえ、尾崎士郎はこのように書かずにはいられなかったのでしょう。

口絵は2色・4色(見返し)・2色の合計4ページ。
どの見開きにも1−2点、挿絵が入っています。見開きのデザイン、飾り罫、活字…いずれも素敵。
堅牢なつくりで、50年以上たっても目だった製本イタミはほとんどありません。
このシリーズをお持ちの方、お譲りいただける場合はぜひ当店にお声をおかけください。

ハードカバー 63ページ 天地 18.4センチ×左右 17.5センチ



cover品切れ 四年の童話 小川未明・監修
実業之出版社 学年別童話教室 昭和24年 昭和28年の13版
1700円 B− 見返し印・記名・ラベルあと
裏表紙記名 背ヤケ 背の上部と下部イタミ 本文シミ 当時180円

装丁・山名文夫 表紙・挿絵 高橋庸男
編纂・与田準一 佐藤義美 奈街三郎 西山敏夫

春)山の中は(坪田譲治)みなとの夜の話(神戸淳吉)白ばらとちょう(塚原健二郎)
チューリップと蜂(詩 ふじた・たまお)野はらのなかよし(茶木滋)風のおやこ(石森延男)
夏)ひとをたのまず(小川未明)太郎と影(平塚武二)外へ出よう(巽聖歌)
そろばん池のカッパ(武田幸一)わんぱくさんとせみ(小春久一郎)時計のゆくえ(猪野省三)
秋)心のふしぎ(石川達三)おできの神さま(岡本良雄)うみたてたまごをどうするか(詩 柴野民三)
ガラスに入ったお月さま(久保喬)モスケ物語(後藤楢根)しょくぶつえんの月(佐藤義美)
冬)雪のふるくに(浜田廣介)夜の道(西山敏夫)犬屋の小犬(詩 小林純一)
青い花と赤い実(与田準一)サチ子ねえさん(奈街三郎)こしぎんちゃく(壺井栄)

「こんにちの日本を救うものは、今の子供たちであることを知らねばなりません。
もし、子供たちにして道義をわきまえず、人間性というものが欠如したならば、
民族は滅びてしまうでありましょう。世の父兄たちは、このことを考えてほしいと思います。
それでありますから、子供たちに高い理想と、かがやかしい希望と、自尊心と、
そして怯懦と卑屈にならない勇気を、与えなければなりません。
ここに、憂を同じくして志を同じくする編纂者たちにより、あつめられたところの
一連の作品は、すべて美しい世界の展開であり、またその作者の良心の
あらわれであるということができます」(小川未明 監修のことば より)

お子さんが内容を本当によくつかめたかどうか知るため、作品ごとに数項目のテストがついています。
とはいっても、大人が手にしても十分お楽しみいただけると思います。
装丁は、あの山名文夫。

ハードカバー 214ページ サイズ 天地 21.4センチ×左右 15.5センチ



covercover品切れ アンデルセン童話名作集 人魚とお月さま 楠山正雄・編著
小峰書店 世界おとぎ文庫14 昭和24年 昭和24年の3版
3700円 B− 函あり(函イタミ)小口シミ 奥付に古書店ラベル 当時300円

装丁・恩地孝四郎 挿絵・原本より
なんといっても装丁! 恩地孝四郎!
画像でおわかりになるかどうか、裏表紙・中央にはゾウがちょこんと描かれています。

「アンデルセンの童話全集「おとぎ話と物語」(Eventyr og Historier)のなかから作者がまだわかく、
創作のちからの、ことにさかんであったじだいの作で、なかんづく美しいお話を十五篇えらびだしました。
長篇、短篇、いずれも、アンデルセン童話どして世界中に愛せられ、よみひろめられていて、
それぞれに、この作者のかわったところのよくあらわれているものでございます」(あとがき より)

口絵「さんぽするアンデルセン」(ドイツ版とびらより)をめくると、序話「アンデルセンの話」。
巻末に「アンデルセン年譜」。あとがきには、一作品ごとの解説つきです。

表紙ばかりでなく、扉も、原本からとったイラストも…。そして活字も。すべてが美しい1冊。
函で保護されていたおかげで表紙・裏表紙・背は良好。ただし、小口に大きめのシミがあります。

このシリーズをお持ちの方、手離すときはぜひ当店へ。誠実評価いたします。

ハードカバー 405ページ+巻末年譜・あとがき サイズ 天地 18.1センチ×左右 13.2センチ

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