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■絵本 童話 児童書■

日本の古い絵本 その1その2その3絵本雑誌

海外の絵本日本の絵本絵本雑誌


《日本の古い絵本・児童書》


cover品切れ 長篇童話 田んぼの風祭 酒井朝彦
東亜春秋社叢書 1946年(昭和21年)4月・初
3500円 C+ ヤケ、シミ 表紙角ヤブレ 裏表紙・本文角オレ 当時の定価2円50銭

装丁・恩地孝四郎 カット・初山滋
戦後まもなく出版されたものです。
わら半紙のような材質の紙ですが、装丁は恩地孝四郎。短篇1つ1つの頭に初山滋の素朴で力強いカットが。
おそらく制約がひじょうに多い中でしょうけれど、扉はさりげなく凝っていたりします。
童話の中から、自然とともに生き、家族手をとりあって懸命に生きようとするさまが伝わってきます。
つらい戦争が終わって、これからは世界の人と交わりながら、平和で明るい国を築き上げていかなければと、
大人も子どもも必死に生きているさまも。

良平も、いつしか子馬の首をかかへてみたい気持になりました。
「ほら、だいてごらん、あたたかだよ、子馬は」
大吉のことばに、良平は子馬の首をだきかかへてみました。
ふさふさとたれさがった長いたてがみの下に、あたたかな子馬のはだを良平は感じて、
おとなしい生き物にたいする、なつかしい思ひがしたのです。(本文 より)

酒井朝彦 明治27年、信州下伊那生まれ。早稲田大学在学中より、郷里の大先輩・島崎藤村に師事して、児童文学に専念。
レア。
63ページ。サイズ 天地 18センチ×左右 12.3センチ

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covercover絵本 講談社の一年生文庫(5) ちびのくまさん 絵・文 林義雄 大日本雄弁会講談社 1951年(昭和26年)
2000円 C 表紙・背など経年相応のイタミ 背は和紙による補修あと 記名 当時の定価90円

みなさん おはよう。ぼくは はやおき げんきな子。ちびのとんちゃんともうします。
はみがきすまして かおあらい、みんな ひとりでいたします。
…急いで出かけたとんちゃん。ボールを持っていたら、石につまづいてすってんころりん。
ボールが坂をころがって、ぶうこちゃんにぶつかってしまいます。
授業を終えて学校から帰り、かあさんにぞう先生の写生を見せて、いつの間にか夢の中…。

各キャラクターの着ている服、室内の雑貨…すみからすみまで愛らしい。
ロシア絵本の素朴さにも通じるようなぬくもり、あたたかさ。
裏表紙や見返しに動物のシルエットや動物キャラのカット。リトルゴールデンブックふうでもありますね。
50年以上前の本ですのでイタミはありますが、中身といったら、それはもうかわいらしいです。
オールカラー 後半11ページは各ページ2〜4のコマ割りになっています。

ハードカバー 28ページ。サイズ 天地 20センチ×左右 16.7センチ

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cover品切れ グリムどうわ(1)こびととくつや 小川未明・監修 杉山勝栄
ポプラ社 1958年(昭和33年) 1959年(昭和34年)の再版
1300円
B 経年のわりには良好 カバーなし ヤケ 裏表紙に記名 当時180円

布貼りの背表紙にこの装丁…。裏表紙には切り絵ふうのイラスト。
この時代の児童書は本当に趣味がいい。思わず手にとりたくなり、大事に持っていたくなります。

装丁・カバー絵 川本哲夫 口絵・さし絵 日向房子
こびととくつや 木にのぼったねこ 白鳥の王子 がたがたの竹馬こぞう
 キャベツろば みんなぺろり ばけ鳥グライフ

世界じゅうの子どもたちが、みんなよんでいるグリムの話。
こびとが、くつをつくったり、まほうつかいがとび出したり、
王子さまが白鳥になったり、
……………………
よんでいると、いつのまにか、自分までが、
こびとや、白鳥や、まほうつかいになってしまう。(はじめに)

「一度は読んでおきたい たのしい童話集!! 世界中の人々から愛読されている
イソップとグリムの童話を、国語教育に携わっていられる先生方が、子供たちに読んできかせ
感動したものだけを選んでやさしくおもしろく書き改めた決定版です。
A5判上製・各180頁 本文5号教育活字使用 4色口絵4頁・挿絵豊富」
といった広告を見る楽しみも。



cover声のえほん 一寸法師 ひかりのくに昭和出版 発行年不明
1100円
B− 声のシートLPはついていません。シートのあった部分ノリあと 当時の価格150円

絵 大日方明 文 小春久一郎
むかしむかし、一寸法師が川をのぼって都へ行くことになりました。
おわんの舟に、はしのかい。針の刀を腰にさして出かけます。
「行ってきます。都へ行って立派な人になって帰ってきます」
都へ着くと、一寸法師はある大臣の屋敷へ。
「おたのみします。おたのみします」
その声を聞いて大臣が出てきますが、声はすれど姿が見えません。
「はて おかしい、確かに声がしたと思ったが」
…そこにやってきたお姫様は…。

桜咲く都で見目可愛いお姫様ほか、美しくもかわいらしい絵本です。
声のシートLPはついていません。こういった絵柄の本は今の時代にはないので、
絵本だけでも持っておく価値あり、と思います。

ハードカバー 12ページ。サイズ 天地26センチ×左右18.2センチ



cover品切れ 王子とこじき 原作 マーク・トウェイン 訳 谷崎精二
小学館 少年少女世界名作文学全集6 1960年(昭和35年) 1300円
B 小口ヤケ・経年相応のイタミ 記名・鉛筆の傍線あり 当時の定価200円

装丁・沢田重隆 挿絵・矢車 涼
この全集の装丁、とてもチャーミングです。子どものころ見た記憶があるのでなつかしいです。
トム・キャンディーは貧しい身の上。どんなに空腹でも体が痛くても、わらの寝床に入れば、
憧れの御殿のことも王子様のことも考えられて夢心地でした。
あるとき、たまたま本物の王子様の顔を見る機会がきて、たまたま御殿に入れてもらったトム。
本物の王子様はトムが暮らすぼろ横丁の話を聞いて、おもしろそうだなと羨ましがります。
「ぼくなんか、いっぺんでいいから、王子様みたいな、
きれいな服を着てみたいと思っているのになあ」
とトムが言うと、なんと服を取り替えることに…。
そして、ぼろぼろの服を着た王子様はこじきと間違われて宮殿から追い出されます。
トムは王子様と間違われて、窮屈な生活ながらも次第に王子らしくなっていきます。
身分が入れ替わったふたりははたして?

「外国のすぐれた少年文学は子どもの物語であるとともに、それがおとなの興味をひく物語でもあります。
子どもの世界が切りはなされてえがかれずに、おとなの世界へと続いています。
おとなになってから考える問題の芽が、そこにめばえています。
アンデルセンの童話がそうであるし、マーク・トウェインの数かずの物語がそうであります」
「こじきに生まれても王子に生まれても、おとなへの道はただひとつ、人を愛し、人を信じて生きることであります」(谷崎精二)

ハードカバー 320ページ。サイズ 天地18.1センチ×左右12.5センチ



cover新撰童話 坪田譲治集 坪田譲治 著
昭和13年12月 湯川弘文社刊/ほるぷ出版刊の名著復刻 日本児童文学館 第二集29 昭和49年12月
1700円 B 表紙・小口・箱シミ 昭和49年のものにしては状態良好 箱・外箱あり

1890年生まれの坪田譲治は、学生時代から小川未明に師事。「善太・三平物語」「きつねとぶどう」
「むくどりのゆめ」など数々の児童文学で知られます。読みやすい旧仮名づかいの活字、イラストや装丁がとても美しい1冊。
「小松原米造君にささぐ」には、小6のころロビンソン・クルーソーに憧れた少年時代、
本を読みたくてもなかなか手に入らなかったため、友達と一緒にお話づくりをしようとした思い出が綴られています。
おどる魚 岩 真珠 ビワの実 蛇退治 旗と大将 猛獣狩 狐と河童 探検紙芝居
ペルーの話 少年鼓手 瓶のゆくえ 善太の手紙 秀吉を見ました 小松原米造君にささぐ
サイズ26センチ×16,5センチの大型本 247ページ

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SOLD! 以下は現在、品切れ分です。



cover品切れ 講談社の幼児絵本 あかずきん  講談社 1965年(昭和40年)
1200円 C+ 背ヤブレ 当時100円

文・榎本ナナ子 絵・谷 敏彦
谷 敏彦の絵は40年の年月を経ても、ちっとも色あせていません。
色づかいといい、デフォルメの具合といい、日本にこんな絵を描く人がいたのですね。
谷敏彦ーー名前を覚えておきたいと思います。
イタミはありますが、読んだり見たりするには差し支えがない範囲内です。

サイズ 天地 25.8センチ×左右 18.3センチ

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cover品切れ りんご一つ 北畠八穂  宝文館 ペンギンどうわぶんこ 1957年(昭和32年)1200円
C 小口・本文ヤケ 経年相応のイタミ 家庭文庫の蔵書印・ラベルあと 当時の定価230円

装丁・挿絵 滝原明助
トモコちゃんは、まだ字もよく読めないエダマメのくきのたけくらいな小さな女の子。
毎朝、働きに出かけるおかあさまから一つりんごをもらって、一ンちじゅう、ひとりでおるすばんです。
トモコちゃんはたのしみつくりがじょうずです。
たった一つのリンゴから、それはそれはたくさんのうれしいこと、
おもしろいこと、びっくりすることをうみだします。
まるでトモコちゃんの手にくれば、一つのリンゴは、すきなものをすきにうむマホウのたまごみたいです。
草についた朝つゆを宝石に見立ててリンゴと遊んだり、
ひとりでいくらでも空想の世界で遊べるトモコちゃんのお話です。
装丁・挿絵が愛らしいです。
ハードカバー 166ページ。サイズ 天地21センチ×左右15.5センチ



cover品切れ 雪の障子 島崎藤村・作 山崎斌・編
月明会出版部 月明(げつめい)文庫 1942年(昭和17年)
1500円 Bー 表紙少ヤブレ シミ・ヤケ
経年を考えるとさほど悪くはありません 当時50銭

扉 島崎藤村・筆
藤村というと、「破壊」「夜明け前」など学生時代、"読まされた"という印象が強いのですが、
エッセイの名手でもあります。信州の人はお茶が好きですが、信州出身の藤村もやはりお茶好き。
お茶や食、旅、季節に関する話題満載です。
「心もさみしく慰めやうのない日に、森元町の湯屋まで一風呂はひりに行って来た。
その帰りがけに、子供等の茶うけのためにと思って、蒸し芋を買った」と始まる「味」ほか短篇36本。

本文庫の表紙は信州産の「和紙」の一種で「桑」の樹皮(養蚕の副産物)を原料とし、
「とろろあふひ」(錦葵科)の草根の粘質を利用して手漉されたものであります。(解説文より)

85ページ。天地 18センチ×左右 12.5センチ



cover品切れ 絵本 講談社の一年生文庫(26) ころころだんご 絵・川上四郎 文・久米元一 大日本雄弁会講談社 1952年(昭和27年)
1800円 C 表紙・背など経年相応のイタミ シミ 記名 当時の定価90円

「ころころだんご」は、日本昔話の一つである、明かるいユーモラスな点を、もっともよくあらわしたお話です。
だんごを作ることと、笑うことが何よりもすきで、どんなに苦しい時でも、いつもにこにこして、
さいごには、こわい鬼にさらわれながら、その鬼まで笑わせてしまうおばあさんのおもしろい物語
…なお、有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、この日本昔話をもとにして、
「だんごをなくしたおばあさん」というりっぱな話を英文で書いています。
八雲もきっと、このおばあさんが、だいすきだったのでしょう。(「ころころだんご」について より 久米元一)

大事なおだんごがころころ転がっても、穴に転げ落ちても、鬼につかまっても…
いつもにこにこ笑顔のおばあさん。ポジティブな感じがイカしています。こんなおばあさんになりたいものです。

川上四郎(1889年〜1983年)は、教員出身。『子供之友』『コドモノクニ』『少年倶楽部』
『少女倶楽部』『金の船』『日本童話選集』『未明童話集第二巻』
『トテ馬車』(千葉省三作)、講談社の絵本『童謡画集』(1937)などなど、挿絵多数。
人はもとより、虫、植物など万物に生命を吹き込むかのような絵。
大道あやはこの人の絵が好きだったのではないかというのは、私の個人的な推測ですが。
外国の絵本に負けず劣らずの魅力あふるる絵本です。

ハードカバー 28ページ。サイズ 天地 20センチ×左右 16.7センチ

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cover品切れ 絵本 講談社の一年生文庫(40) さるじぞう 絵・文 福井英一 大日本雄弁会講談社 1953年(昭和28年)
1400円 C 経年相応のイタミ 表紙・裏表紙 紙のはがれあと 本文黒ズミ 当時の定価90円

裏山は遊びのにとてもいい場所。けがをする子が多いので、おじぞう様をたてて守ってもらおうという話に。
みんなで石屋さんに相談しにいったら、さるじぞうをただであげると言われます。
げんちゃんは「さるじぞうなんてありがたくもないや」とポツリ。
しかし、ピンチを救ってくれたのは、なんと石でできたさるじぞうでした。

後半9ページは2コマずつのコマ割り。「わたしは、この漫画絵物語『さるじぞう』に、
子供らしい愛情の深さを基にして、石のさる地蔵へのつながりを持たせてみました。
こうした態度で、この漫画絵物語を描こうとした意図は、愛情こそ、すべてを解決する道であると考えたからです」
(「さるじぞう」について 福井英一 より)とあります。
1950年代の印刷は、チェコ絵本にも通じる深い深い色合い。
どこかでお手にする機会がありましたら、本をいためないよう優しくページを開いてごらんください。

ハードカバー 28ページ。サイズ 天地 20センチ×左右 16.7センチ

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cover品切れ 新日本絵本 天まであがれ 清原ひとし・絵 金井信生堂 昭和16年
2000円 B 経年による痛み・破れ・ヤケあり。元所有者の記名、落書きあり

60年以上前、昭和16年の文部省推薦絵本。
西條八十「オ山ノ タイシャウ」、北原白秋「ウサウサウサギ」はじめ、
見開きごとに童謡と絵が紹介されています。
「お母様方へ この童謡と絵とを対照してお子様にお話下さい」という囲みがところどころにあります。
大正は日本の児童文化の黄金時代ですが、1914年(大正3年)に創刊された「子供之友」も
1943(昭和18)年、大戦中の用紙制限によって休刊。そういった時節に出版されたものです。
サイズ25.5センチ×18センチ



cover品切れ こどものうた 日本童謡詩選 日本童謡詩選刊行会 1962年(昭和37年)
1200円 B 函あり ヤケ・シミ 蔵書印・購入日と購入店の書き込み 当時の定価400円

装幀 吉崎修平。各界の協力により集まった日本童謡詩145篇、楽譜6曲分(すみれの花
なわとびポルカ 仲よし広場 春のめざまし 野茨 山茶花)を収録しています。
ハードカバー サイズ19センチ×13.5センチ



covercover品切れ サトウハチロー ユーモア小説選 3冊セット
1 ジロリンタンとしかられ坊主(絵 水沢研)2 ジロリンタンとおまじない(絵 高橋透)
9 青いねこをさがせ(絵 こさかしげる)

岩崎書店 76年
3冊セットで4000円
Bー 2・9巻はカバーなし 小口シミ・ヤケ 当時の定価 各680円

全10巻のうちの3冊。
どこの町にもありそうな、たのしく明るい物語ばかり。元気でいたずらずきの子どもたちに贈ります。(巻末の広告より)

サトウハチローは、1903年(明治36年)、東京都小石川区(今の文京区)茗荷谷町生まれ。
大正5年4月、早稲田中学に入ることからあばれん坊ぶりを発揮して、小笠原島へやられてしまいます。
そのときに先生として一緒に小笠原へ行った詩人・福士幸次郎の手ほどきで詩を書き始めます。
小笠原から戻って立教中学に転入。このころ、童謡を書きたいと詩人・西条八十の弟子になります。
"ちいさい秋みつけた"ほか童謡をたくさん書いたほか、少年少女小説も数多く書きました。
73年、永眠したその日までペンを握って書き続けました。(本文 略歴より)

サトウハチローも、戦争中は、雑誌で、ちっともおもしろくない、ユーモア小説を書いていました。
ぼくはそれを読んで、「戦争だから、サトウハチローもまじめになっちゃっただなあ」なんて、本気で思ったものです。
もちろん、これも出版関係の役人が、目を光らせていたせいもありますが、
世の中には、わらいのゆとりなど、なくなっていたのです。
そして、敗戦後、サトウハチローは、そのときのことを取りもどすみたいに、
『ジロリンタン物語』などを書きだしました。(山中 恒)
版元品切れ。

ハードカバー 193〜265ページ。サイズ 天地 19.4センチ×左右 13.5センチ



品切れ りぼん文庫 りぼん世界名作文庫5冊セット
集英社 1955年(昭和30年)
6000円 C 背ヤブレ 製本イタミ 記名
cover cover cover ●日本名作 白菊ものがたり(2月号 落合直文・原作 三木一楽・作)
●えばなし イソップ(9月号 表紙・長谷川露二 花野原芳明 河野きみ
センバ太郎 井江春代 寺尾知文 中村千尋 佐藤ひろ子 小林和郎
前谷惟光 林敏郎 吉崎正巳 鈴木光明 木の実和)
●しんでれらひめ(10月号 滝沢みち子)
●しらゆきひめ(11月号 のざわかずお)
●あかげのあん(12月号 内田まり子)

cover cover 「りぼん」や「なかよし」の付録というと懐かしく思い出す人も多いと思います。
今から50年前。昭和30年初頭、この「世界名作えばなし」をはじめ数々の付録がついていました。
中身は、このころ人気の先生方のマンガ。今見ても、絵柄がとても新鮮。
当時、少女たちが心ときめかしていた気持ちが伝わってくるかのようです。
「ゆうめいなせんせいがたの うつくしいえでいっぱいです」
「たいせつにしまっておきましょう どれもこれもすてきなおくりもの」
「わあすてき! おもしろくてためになるふろくばかり」といった次号の広告の文章にぐっときます。
雑誌や雑誌の付録が大事な宝物だった時代ですね。下は裏表紙。cover cover covercovercover サイズ 天地 24センチ× 左右 17センチ



cover品切れ 尋常小学図画 第六学年女子用
文部省 1934年(昭和9年)
850円 Bー ヤケ 背少イタミ 裏表紙に記名
経年を考えるとさほど悪くはありません

図画の教科書。女子用です。
草花、本立の製図、水辺の景色、びんに果物、勝手道具、カット、手拭、人物のスケッチ、
手、秋の草花、装飾文字、収穫、連続模様、羽子板、間取図、室内装飾、昔の人物、村の景色。

天地 15.1センチ×左右 21センチ

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cover品切れ ひらかな ロビンソン物語 柴野民三
金の星社 65年(昭和40年)
1100円
C 小口シミ・ヤケ 当時の定価290円

装本 大古剋己 口絵 鳥居敏文 挿絵 西原比呂志

柴野民三の筆が光っています。「ロビンソン物語」って、こんなにおもしろかったんだ! 一息に読みました。
孤島に漂流したロビンソンは、最初ひとりで生きていくことに不慣れで失敗もします。
暴食のあまり病気になったり、何年もかけて船を作ったのに海へ運ぶことができなかったり。
しかしながら前向きに創意工夫をしながら、ものを作り出すことに喜びを覚え、
動物や他者を養うことに生きがいを感じて…。
ついに28年ぶりに孤島を出て、ふるさとの国へ…。

「ロビンソンものがたり」の原作者、ダニエル・デフォーは、一六五九年に、イギリスに生まれました。
デフォーは貿易商になったり、レンガの製造をやったり、新聞を発行して政治を論じたり、
イギリス国王ウイリアム三世の知遇をえたり、獄屋にぶちこまれたり、十三度成金になって、
十三度コジキになったり、という、変転きわまりない閲歴の持ち主で、
最後に、イギリス最初ともいえる小説家になった人です。
デフォーの名を不朽のものにした「ロビンソン漂流記」は、一七一九年、彼が五十八歳の時の作。
アレキサンダー・セルカークという船乗りが、ジュアン・ファーナンデツの島に漂着して、
その孤島で四年間を送ったという評判話を、デフォーの豊富な経験と空想で生かして、物語化したものといわれます。
…わたくしたちは、神と自然の恩恵に感謝しつつ、ものの尊さと、ものを作り出す
よろこびを知って、ただひとり無人島に生きつづけるロビンソンの姿をとおして、
人間の正しく生きる道をおしえられます。たんなる冒険談ではなく、こうした深い価値をもった物語…
…わたくしは、幼い子どもたちのために、第一人称を「ロビンソン」と、第三人称にかえたほか、
原作をそこねないようにして、力をつくして、この「ロビンソンものがたり」を書きました。(あとがき より)

製本がしっかりしていて、小口シミ・ヤケなどありますが、読書にはまだまだ十分、耐えそうです。
ハードカバー 235ページ。サイズ 天地21.5センチ×左右15.3センチ



covercover品切れ 童話 春の雪祭  酒井朝彦
愛育社 愛育文庫 1946年(昭和21年)4月・初
2000円 C+ 表紙・本文 角オレ、ヤケ 当時の定価6円

装丁・初山滋 挿絵・大石哲路
表紙、裏表紙、扉…、初山滋の装丁がなんて愛らしい。
背にもパターンがちょこんとあしらわれ、たまらなく可憐な装丁となっています。
戦後すぐ、良い紙がなくたって、こんな素敵な本を世に送り出している心意気にぐっときます。

さういつて、十吉は、美しいみどりいろをした、やはらかな春菜を、指さきで、
ぽつり、ぽつりとちぎつて、鳥小屋の中へ、なげこんでやるのでした。
にはとりは、五羽ゐます。之のやうにまつ白なとりです。赤いとさかを、ちらちら動かしながら、
みんなよろこんで、はつぱをつついて食べてゐます。
十吉は、その時、じぶんの手の指が、青いはつぱのしるで、そまってゐるのに、ふと気がつきました。
「あつ、こんなに指が青くなつた。やあ、いいにほひがするなあ。はつぱのにおひつて、すてきだなあ」
…心のなかまで、すうつとしみこんでいくやうな、のどかなここちがして、十吉はうつとりしたのであります。(本文より)

酒井朝彦の文章は、読むだけで色やにおいまでリアルに伝わってくるかのようです。

130ページ。サイズ 天地 18センチ×左右 12.7センチ

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cover品切れ お房 島崎藤村 小野已代志 淀川茂重・編修
西澤書店 霧園叢書 1923年(大正12年)
3700円 Bー 表紙・扉 少水ムレ シミ・ヤケ パラフィン紙
経年を考えるとさほど悪くはありません 当時25銭

小学校の課外読物として編纂されたもの。
39ページからは「語句の解釈」。ページをさいて古今東西の文章をひきながら解説しています。

「お房」をしづかに読んでみて下さい。さうすれば、あなたが「お房」のどのへんを呼んでも、
オヤ、これは私のことだよーーと思ひ始めるでせう。そして あなたは、すっかりわすれて居た
色々のことがどしどし思ひ出されて来、あなたがよたよたはひまはって居たころがなつかしくなるでせう。
…島崎藤村、この名をおぼえて下さい。この方が「お房」をかいて下さったのです。
この方がおかきなさった「家」と云ふご本があります。そのご本の中のところどころに
お房さんのお話があります。そのお話をぬき書きしてあつめたのが、この「お房」であります。(編者 識す より)
レアです。

71ページ。天地 18.6センチ×左右 12.3センチ



cover品切れ 北海道絵本 更科源蔵 川上澄生 画・刻
さろるん書房 1955年(昭和30年)
3300円 B 背イタミ 表紙と背の境目1.4センチほどヤブレ
ヤケ シミ 経年を考えるとさほど悪くはありません

かた雪 流氷 金魚売り 鰊場 ヤン衆 アツシ織 山火事 黒百合 鈴蘭
楡の花 稲の直播 時計台 濃霧 土器と石器 アカシヤ 流送の唄 鶴…
1テーマ1見開きで綴り、川上澄生の作品が見開きごとに1−2点たっぷり。
北海道、四季折々の風物詩を詩情たっぷりに紹介しています。北海道の自然の厳しさ、雄々しさ、
優しさ、美しさ、当時の人々の暮らしぶりが伝わってくるかのような1冊。

川上澄生は1945年(昭和20年)戦火を避けて、妻の実家がある北海道に疎開。
苫小牧中学(現・苫小牧東高)の校長の薦めで、同校の嘱託英語教師になりました。
翌1946年(昭和21年)8月、詩人の更科源蔵(1904―85年)が澄生宅を訪れ、のちに澄生の妻・千代の妹と結婚。
つまり、本書は義理の兄弟どうしのコラボレーションでした。
版元品切れ

132ページ。サイズ 天地 21.2センチ×左右 15.1センチ

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cover品切れ 日本のおとぎ話 一年生 徳永寿美子 編著 監修 川端康成・石山脩平
偕成社 学年別・幼年文庫 1956年(昭和31年) 1961年(昭和36年)の9刷
900円 C カバーイタミ・ヤブレ・裏オレ 小口シミ・ヤケ 当時の定価180円

カバーは「日本のおとぎ話 一年生」ですが、本体は「日本のおとぎ話 二年生」です。
50年前、志し高き時代の児童書をご紹介します。
「三年までの学年別・幼年文庫全部60巻」「美しい情操と豊かな知識を育む
学年別文庫の決定版!!」と銘打ったシリーズ。
「幼年期に一度はぜひ読ませたいもののみを選び、同一書名のものが一年から三年までの三冊に
分れて居り、その興味と理解力に応じて各々異なった内容の話を各学年別に収めました。
…本文はもとより挿絵にも細心の注意を払い、四色刷十二頁を配しました」(刊行のことば より)

装丁・沢田重隆 カバー絵 口絵・さし絵 川島はるよ
みなさんへ 日本のおとぎばなしは、かぞえることもできないほど、たくさんあります。
このたくさんのおはなしは、みんな、なん百ねんも、まえから、みなさんのおじいさんや
おばあさんが、つくってはなして、つたえてきてくださったものです。
ですから、よんでいると、むかしのかたたちと、たのしくはなしを
しているようなきがしてきます。(徳永寿美子)

↑昔の方たちと楽しく話をしているような気がしてきます、という文章がとても好きです。
ものぐさ太郎 ぶんぶくちゃがま しったかぶり 花さかじじい いっすんぼうし おけやのちえ うぐいすひめ かぐやひめ ほか
4色刷りがきれい、1色のイラスト満載。絵本に、気品のある物語を添えた児童書といった感じ。
カバーはあくまでもおまけとお考えください。

ハードカバー 222ページ。サイズA5判



cover品切れ 日本のむかし話 一年生 大木雄二 編著  監修 川端康成・石山脩平
偕成社 学年別・幼年文庫 1956年(昭和31年) 1957年(昭和32年)の4刷
900円 C 小口シミ・ヤケ 本文ヤブレ(読むに不自由はありません) 当時の定価180円

上と同じシリーズで、50年近く前の本。カバーはありません。
装丁・沢田重隆 カバー絵 口絵・さし絵 鈴木寿雄
すずめのひょうたん おだんごとこぶ たぬきとたにし おいもころころ
さるのしっぽ てんぐのうちわ おむすびころりん ふくろうのそめものや
あまやんもり そらをとぶくら ねずみのよめいり ほか

鈴木寿雄(としお)のさし絵が優しいタッチで、とても愛らしいです。
鈴木寿雄(1904年〜75年)は浅草生まれ。戦前の代表作に「ハトポッポ」
「ミコチャン ナコチャン」「ハタラク動物」「龍の目の涙」など。
1944年、戦火を避けて妻の実家がある群馬県に疎開。館林高女の図画の講師をつとめ、
49年に上京してからは童画に専念しました。
代表作「げんこつやまのあかおに」「ごんぎつね」「ふるやのもり」
「しおふきうす」「はいくのえほん」など。浜田 廣介と組んだ絵本多数。

ハードカバー 216ページ。サイズA5判

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cover品切れ  アンデルセンどうわ 一年生 宮脇紀雄 編著  監修 川端康成・石山脩平
偕成社 学年別・幼年文庫 1956年(昭和31年) 1957年(昭和32年)の4刷
900円 C 小口シミ・ヤケ 本文ヤブレ(読むに不自由はありません) 当時の定価180円

上と同じシリーズで、50年近く前の本。カバーはありません。
装丁 沢田重隆 カバー絵 口絵・さし絵 川島はるよ
はなとおひめさま みにくいあひるのこ 五つぶのえんどうまめ こうのとり
ひなぎく ほんとうのおひめさま こぶたのじまん なまりのへいたい
いーだちゃんのはな おやゆびひめ ほか
川島はるよが描く動物や少女の絵が大変かわいらしいです。さまざまな絵本や
「コドモノクニ」「キンダーブック」などで活躍しています。

ハードカバー 216ページ。サイズA5判

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covercover品切れ  秘密の花園 バーネット 龍口直太郎・訳
三笠書房 1950年
2300円 C 函あり(シミ) 経年相応のイタミ 扉イタミ 小口シミ 当時300円
挿絵 ノーラ・S.アンウィン
装丁 藤岡光一 挿入写真 M.G.M総天然色映画“秘密の花園”(セントラル配給)

「本書の日本における出版はジョージ・トーマス・フォルスター氏との協約による」の文字。
「小公子」「小公女」と並んでバーネット(1849年〜1924年)のもっともポピュラーな小説。
“The Seacret Garden”1909年の作品です。
函は“総天然色映画”よりのこのレトロさ。赤い表紙に金の背表紙が重厚で、古い洋書のよう。
「このアメリカの女流作家の書いたものでは、『小公子』とか『小公女』がはやくから日本語に移され、
この国の少年少女のかならず読む本のなかに数えられています。
『秘密の花園』は、上にあげた二つの作品とくらべて、まさるとも劣らない立派な小説ですが、
今日まで完全な日本語の翻訳がなかったため、一部の人々にしか知られなかったのであります。
私はこんなに美しい作品が、いつまでも日本の若い人々に「秘密」にされているのは
惜しいことだとかねがね思っていたのですが、こんど三笠書房が、この秘密の花園に入る鍵を
みつけてくれたので私は大よろこびであの蔦の葉のかげにかくれた扉を発見し、
その花園のすみずみまで探検してそれを日本のみなさんに報告することができることになったのであります」
「バーネットは1849年イギリスのマンチェスターに生れ、1905年ごろ、アメリカに国籍を移し、
『若草物語』のオールコット夫人とともに、アメリカにおける少年少女文学の双璧とうたわれております。
…フランセス・バーネットはイギリスにいる時分から物語を書く才能を示していたのですが、
いよいよ生活の道に行きぢまった家族は、この小娘の書いた物語を或る雑誌に売ってみたらどうか
ということに思いあたったのです。ところが、その原稿を郵便で送るだけのお金がない。
そこで一家の人たちは黒苺をつんで、やっと切手を買うことができたのだそうであります。(訳者あとがき、より)

ハードカバー 423ページ。サイズ 天地19センチ×左右13センチ



covercovercover品切れ 夢のふる郷 あやとりかけとり 草の実 3冊セット 竹久夢二
ノーベル書房 75年(昭和50年)  
2300円 B 函あり 函ヤケ・シミ 定価各1380円

「夢のふる郷」は挿絵・詩集。「あやとりかけとり」は挿絵・童謡集。「草の実」は挿絵・童話集。
お墓のうへに雨がふる。あめあめふるな雨ふらば 五重の塔に巣をかけたかはい小鳥がぬれようもの。
(夢のふる郷・雨へ より)
新しい童謡を、舶来金属の絃にたとへるなら、これ等の古い童謡には、笛・太鼓のおかしいなつかしさがある。
(あやとりかけとり 序より)

ハードカバー 220ページ。サイズ 天地18.7センチ×左右13.2センチ

版元品切れ。ハードカバー 27ページ。サイズ 天地23.5センチ×左右19.5センチ



cover品切れ 世界少年少女文学全集16 アルプスの山の少女
ヨハンナ・シュピリ 植田敏郎・訳
 東京創元社 1960年(昭和35年)
800円
C 経年相応のイタミ・ヤケ 裏表紙に紙がはりついてはがれたあと
本文シミ 見返しに文庫名スタンプ 当時の価格270円

装丁 中島靖かん 表紙絵・口絵・挿絵 原田ミナミ
このお話を読んで、わらのベッドに寝転がってみたいと憧れた少女が日本中にどれほどいることでしょうか。
かなりイタミがあります。ですがですが…、この装丁の愛らしさといったらどうでしょうか。
写真だとよくわからないと思いますが、オレンジとブルー地に金色の型押し模様がなんとも言えない素敵さ。
見返し、扉、目次も、ちょっとした色あしらいがひじょうに60年代的なおしゃれっぽさ。
思わず古書市から連れて帰らずにいられなかった1冊です。
調べてみますと1960年といえば、コーヒー60円 大学卒初任給12,190円の時代。
当時の270円といえば、結構な高額です。当時とても素敵な全集の1冊だったと思います。
欲しい方がいらっしゃるようでしたらできるだけクリーニングしますが、
かなりよごれ・イタミがあることはご了承ください。
裏表紙の紙のはりつきは修正できないと思いますので、ご理解をお願いいたします。

ハードカバー 376ページ。サイズ 天地18.1センチ×左右13センチ



cover cover品切れ 小学生文庫 第51巻 童話 黒馬ものがたり 福田清人・文 斎藤博之・絵
小峰書店 1951年(昭和26年)
1900円 C 経年相応のイタミ・よごれ・ヤケ 図書館ラベルあと 裏表紙と見返し裂け目
当時の定価100円

50年以上前の児童書です。小学5-6年生向けとなっています。
原作は、イギリスのアンンア・シュウェル(1820〜1878)によるもの。
名馬ブラック・ビューティが年をとり、次々に売られては、
さまざまな主人のもと生き抜く自叙伝。映画化もされました。
「シュウェル本では、はまずしい家にうまれ、おさない時、足をいため…(略)。
この物語をかくころも、病床のなかで、書いたのでした。そのやさしい心で、
馬の生活をながめ、
ほんとうに馬になりきったように馬のきもちをかき、また馬にたいする
いろいろな人のすがたをかいております」(あとがきより)
今の私たちにもとても読みやすい文章です。
昭和26年というと、大卒の初任給が4560円、米10キロで782円、理髪100円のころ。
理髪料と同じぐらいの値段と考えると、結構なぜいたく品だったのでしょう。

イラストは表紙、裏表紙、扉をのぞいてはモノクロ。
本文の紙質はよくないですが、モノクロの絵が美しい。
表紙、裏表紙、扉の表・裏はカラー。この画面ではよくわからないかもしれませんが、
当時の印刷で、なんともいえない深みのある色あいとなっています。
ハードカバー 54ページ。サイズ 天地18.4センチ×左右17.3センチ



cover品切れ イワンのばか 浜田廣介
鶴書房 世界童話名作全集8 1953年(昭和28年)7刷 1800円
B カバーなし ヤケ 当時の定価160円

装丁・畠野圭右 表紙絵・口絵・挿絵 黒沢梧朗
「A5豪華版 口絵挿絵多数」とうたった、50年ほど前の古い児童書です。
古びてはいますが、表紙、背表紙、見返し、扉など装丁のセンスがいいこと!
「畠野圭右(はたのけいう)」に注目ですね。

子どものころ読んだ話だと思いますが、今読み返しても、なかなかおもしろいです。
兵隊は歌をうたうもの、金貨はぴかぴか光って美しいおもちゃとばかり思っていたイワンが、
兵隊や金貨の持つ力、怖さを知ったとき、悲しみにとらわれます。

この本には、ロシアの大文学者トルストイのかいた童話のなかから、「イワンのばか」、
「人はどれだけの土地がいるか」そのほか、おもしろくて、ためになる話をあつめました。
はたらきもののイワンを、悪魔がやっつけようとしましたが、ついに打ちまかすことは
できませんでした。かえって悪魔のほうがほろびてしまいます。(まえがき、より)
ハードカバー 162ページ。サイズ 天地21センチ×左右15.2センチ



cover品切れ 一ふさのぶどう 琴の太郎 有島武郎 小山内薫・著
三十書房 日本童話名作選集 1951年(昭和26年) 2刷 1800円
C 経年相応のイタミ・シミ 当時の定価220円

装丁・初山滋 挿絵・小林三郎 齋藤博之

「通りの海ぞいに立ってみると、まっさおな海の上に、軍艦だの商船だのがいっぱいに
ならんでいて、えんとつからけむりのでているのや、ほばしらからほばしらへ
万國旗をかけわたしたのやがあって、目がいたいようにきれいでした」
「それにしても、ぼくの大すきなあのいい先生は、どこにいかれたでしょう。
もう二どとはあえないと知りながらも、ぼくはいまでも、あの先生がいたらなあと思います。
秋になるといつでも、ぶどうのふさはむらさきに色づいて美しくこなをふきますけれども、
それを受けただいり石(大理石)のような白い美しい手は、どこにもみつかりません」

装丁、文章、ページごとに入っている飾りケイ、挿絵…いずれもきれいな1冊です。
50年前の児童書ですので、さすがにいたみはありますが、想像力で補ってお楽しみいただけたらと思います。

ハードカバー 138ページ。サイズ 天地21.2センチ×左右18.7センチ



cover品切れ ひろすけ童話選集2 浜田廣介
講談社 昭和23年(1948年) 昭和24年(1949年)の再版
2100円 C 背表紙・見返し補修あと 見返しに記名
経年相応のイタミ・ヤケ 当時の定価130円

装幀・小穴隆一 挿絵・口絵 堀内規次
「山のうぐいす」「花とうぐいす」「川ばたのかわおそ」「つばめとすずめ」
「あめだまときゃらめる」「ももいろのえさ」「かめのこのくび」「うさぎとぼうし」
「きんぎょの日がさ」「くまのやすみば」など、春から冬に向かう順番で短篇48編。
浜田廣介は、1893年、山形県生まれ。「泣いた赤おに」「むく鳥のゆめ」をはじめ、数多くの童話、童謡を書いています。
昭和23年は、太宰治が入水自殺した年。奥付を見ると、講談社は「大日本雄弁会講談社」となっています。
どうです、この表紙のイラストのかわいらしさたるや…! 思い思いにウサギをダッコしている三人。
背表紙は布テープで補修されていますが、この装丁とフンイキがあいまって悪くない感じ。なにせ55年前のものですから。
ハードカバー 21センチ×15センチ

品切れ 日本児童文学選 年刊第二集 児童文学者協会編 櫻井書店  昭和25年 3000円 C 箱あり 経年相応のイタミ・ヨゴレ・ヤケ 当時の定価320円
装幀…脇田和 口絵・カット…脇田和 さしえ…山下大五郎 茂田井武
三太と子猫(青木茂)ラクダイ横丁(岡本良雄)海だ男のいくところ(木内高音)ただの小さなネジ釘の話(岡 一太)鬼瓦のはなし(磯部忠雄)大きなゆめ(久保喬)山の絵(関 英雄)ずんぐり大将(小出正吾)ゆきむすめ(酒井朝彦)とおげの茶屋(小川未明)田の神のうた(浜田広介)どだるのうま(国分一太郎)トラックまつり(川崎大治)三つのねがい(相良和子)正月のくるころ(宮脇紀雄)はたらくおじさん(茶木滋)さむいばんのはなし(西山敏夫ふしぎなみこし(槇本楠郎)時計のゆくえ(猪野省三)子ねことごほん(奈街民三)あばらやの星(壺井栄)風船は空に(塚原健二郎)たまむしのずしの物語(平塚武二)姉(森三郎)からす(高木義雄)熊(武田幸一)田舎にすんでわかったこと(山内秋生)コルプス先生汽車へのる(筒井敬介)あんず盗人(花岡大学)父の手紙(輿田準一)犬と友達(坪田譲治)
ちなみに、本書が出版された昭和25年というと、こんな年です。年頭の辞でマッカーサー元帥が日本国憲法は自衛権を否定しないと声明を発表。満で数える年齢のとなえ方に関する法律施行。3月10日、東京日本橋に「何でも10円」の店が開店しています。美空ひばり、ハワイ・米公演のため羽田出発。寿屋がサントリー・オールド新発売と広告を出した年でもあります。サイズ22センチ×16センチ
表紙画像は、こちらのおすすめ本でごらんになれます。実物とは、色・風合いなど若干、異なります。

品切れ 光と影の絵本 与田準一 筑摩書房 小学生全集36 昭和28年 2400円 C 函あり 経年相応のイタミ・シミ・ヤケ 当時の定価180円
監修・安倍能成 志賀直哉 中谷宇吉郎。装丁・庫田(くらた)てつ。見返しはネコやゾウなど動物の切り絵で、とても愛らしい本です。表紙絵・口絵・挿絵 渡辺三郎。表題作のほか「やまざくら」「自分とみんなと」「かものみや先生」「ヤカンの取っ手」「もやもやABCD」「王様のハンケチにはロバのししゅうがしてある」ほか8篇。
宮沢賢治は、その童話作品について、「読者にわからないところは、作者にも、わからなかったところだ」というようなことを書いています。わたくしも、賢治にならって申しあげるとしたら気分的にしか書いてないところは、作者としても、そうしか書けなかったものと、おもってください。これは、これからの、わたくしの課題です。(あとがきより)
著者は『赤い鳥』出身の童謡詩人。「赤い電話器」「五十一番めのザボン」「おばあさんとこぶたのぶうぶう」などの児童文学、フランソワーズ「まりーちゃんとひつじ」マーガレット・ワイズ・ブラウンの「せんろはつづくよ」の訳者としてもおなじみです。サイズ21センチ×15センチ
表紙画像は、こちらのおすすめ本でごらんになれます。実物とは、色・風合いなど若干、異なります。

品切れ 子どもに聞かせる 日本の民話 坪田譲治 大川悦生 藤城清治 実業之日本社 1963年(昭和38年)昭和40年の4刷 1500円 B 函あり 経年相応のイタミ。経年のわりには良好 当時の定価650円
装幀・綴込カラーシルエット・カット/藤城清治
ねずみのすもう おむすびころころ モグラとガマと太陽 モズとキツネ 三年寝太郎 クモとたたかうカエル わらしび長者 うばすて山…。日本の民話のおもしろさと味わい深さをたっぷりと。
今ころの若いおかあさんで、昔話の話せる人が何人あるでしょう。…もっとも、わたくしの母は、その民話をもしかすると三つか四つくらいしか知りませんでした。…たった三つでも、民話をおぼえていて、子どものたのしみをつくってくれたのです。(坪田譲治 はじめのことば より)ハードカバー 398ページ。装丁も味わい深いです。
表紙画像は、こちらのおすすめ本でごらんになれます。実物とは、色・風合いなど若干、異なります。

品切れ 玉虫厨子の物語 平塚武二 学研 少年少女学研文庫304 69年・初 700円 B 箱あり 経年のわりに本体はきれい 定価280円
玉虫の美しさに心をうばわれた若麿の、芸術への執念を描いた戦後児童文学の名作「玉虫厨子の物語」。ほかに「馬ぬすびと」「風と花びら」「ウィザード博士」など、異色の児童文学作家・平塚武二の代表作8編

品切れ 日本標準の新標準文庫(小学2年生向け副読本、と思われます) 日本標準 昭和48年 900円 B- 経年相応のイタミ 箱あり(箱キズあり。箱で保護されていたので、本体はきれいです) 定価450円
32ページの薄い本5冊入り。そうそうたる執筆陣です。カラーとモノクロの絵がふんだんに盛り込まれているので、絵本として楽しむのはいかがでしょう? 箱の絵がまた、いい味ですよね。らくがきのらいおん(文・宇山次雄 絵・井上洋介)かわいそうなぞう 大きな木(文・土家由岐雄 絵・岩崎鐸)はやとり(文・那須田稔 絵・滝平二郎)むく鳥のゆめ(文・浜田廣介 絵・西村達馬)2年のしとさくぶん(絵・尾崎曜子)
表紙画像は、こちらでごらんになれます。実物とは、色・風合いなど若干、異なります。

品切れ 子供之友 原画集3 武井武雄 婦人之友社 86年 3500円 B カバー裏表紙、こすったような傷 背表紙上部少オレ 定価3605円(税込)
武井武雄が東京美術学校(現・芸大)を卒業後、野辺地天馬(作家・当時の子供之友編集主任)のすすめで、はじめて子供のために絵を描いたのが大正十年代の子供之友でした。子供之友は、昭和18年(1943年)第二次大戦下の用紙制限による休刊にいたるまでの30年間、多くの子供たちに愛読されました。大正、昭和にかけて独自な日本の児童文化を花咲かせたのです。関東大震災、第二次大戦の嵐をくぐりぬけて大切に保管保存されていた貴重な原画たち。武井武雄の作品27点、主に28歳から36歳ごろまでのものをまとめた本です。色もとてもあざやかで、時代の隔たりはまったく感じさせません。繊細で美しい描線の踊る画面に、あふれんばかりの画家の愛情、子供によせるあたたかな想いがこめられています。大型本

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