古本 海ねこ トップページへ戻る
■絵本 童話 児童書■
ねこに関する絵本、児童書は「ＣＡＴ ねこ」のカテゴリーをごらんください。
洋書絵本は「洋書」のカテゴリーにあります。
日本の古い絵本 その１・その２・その３・絵本雑誌
《日本の本》
●夕焼け遊園地 文・萩原朔美 絵・まえのまり
エルム新社 メルヘンの国 77年・初
950円 Ｂ カバー シミ・ヨゴレ 当時の定価800円
詩人がイマジネーションを働かせて書いたメルヘンに、
異色のイラストレータたちが力あふれる絵を寄せた「メルヘンの国」シリーズ。
谷川俊太郎、宇野亜喜良、飯野和好、佐野洋子ら、豪華な顔ぶれがそろっています。
本書のイラストは、「話の特集」表紙、「装苑」ほか各雑誌のイラストでも知られるまえのまり。
カバーをはずした本体にも、本編からとった独特のタッチによるイラストが。
夕暮れの遊園地では、子供と大人の歓声が空を燃やしています。
その、ウワーンという声の洪水とおなじくらい、たくさんの悲喜劇が乗り物の上でクルクル回転しているのです。(本文冒頭）
ハードカバー 63ページ サイズ 天地 21.5センチ×左右 13.4センチ
●品切れ いわさきちひろ全集 1973〜74・U ほるぷ出版 84年・初
1400円 Ｂ カバーなし 当時の定価5500円
戦火のなかの子どもたち 赤い蝋燭と人魚 スケッチ（新潟・郷津海岸）スケッチ（ハワイ）
スケッチ（小海線沿線）雑誌カット（「ひろば」）雑誌カット（「ミセス」）その他
絵本のそえて いわさきちひろ 絵本『戦火のなかの子どもたち』の誕生まで 小西正保
描かれざるいわさきちひろの世界 松本善明 ちひろ流絵本術のことなど 小西正保
作品解説 松本猛 1973〜74・U 収録原画一覧
ハードカバー 159ページ。サイズ 天地26.5センチ×左右34センチ
●品切れ 絵本 ねびえ 毛利子来・文 堀内誠一・絵 福音館書店 特装版かがくのとも 75年 87年の3刷
2000円 Ｂ カバーなし 表紙少イタミ 裏表紙・少落書き 少シミ 当時の定価600円
おなかを出して寝た少年は発熱。「これは びーるすのために おきたかぜですね」とお医者様。
びーるす ってなんだろう…
堀内誠一さんのモダンな色づかいが新鮮。キッチンになにげなくかかったレードル類、
体を鍛えているマッチョな絵柄…そして、最終見開きの突然の展開。
星空のもと、かたわらには馬。突然、ロマンチックなカウボーイ・ルックになっているような。
こういう発想がどこから来るのか。子どもに科学への興味を持たせようという以前に、
まず作り手がおもしろがっているさまが伝わってくるようです。
品切れ。
ハードカバー 28ページ。サイズ 天地24.4センチ×左右21.7センチ
●再入荷 絵本 どうぶつあれあれえほん ぼうし 長新太
文化出版局 71年 91年の22刷 400円
Ｂ＋ 定価561円
毛糸で編んだ小さな帽子が一つ。
うさぎがかぶったら ゆらゆらゆら ぞうがかぶったら ぽつん
ぶたがかぶったら ふうふうふう ねこがかぶったら ぐうぐうぐう
らいおんがかぶったら ずるずるずる うまがかぶったら あれあれ…
文字だけ読むと何のことだかわからないでしょうね。
絵柄を見ながらページをめくるたび、楽しい気持ちになります。
この人の描くクルクルの線、なんだか好きです。何がどうひきつけるのでしょう？
1927年生まれですから、40代でこういう絵本を作っていたのですね。
ハードカバー24ページ。サイズ 天地17センチ×左右18.4センチ
●絵本 しっぽのブンブン 舟崎靖子・作 舟崎克彦・絵 ポプラ社 ポプラ社の小さな童話 78年 81年の6刷
1000円
Ｂ 当時の定価580円
上で紹介した舟崎克彦さんが当時・夫人だった靖子さんと作り上げた本。
ブンブンは、大きくて立派なしっぽを持っています。
でも、気がつかないうちに棚にあるリンゴをしっぽで落としてしまったり。自分のしっぽが大嫌い。
遊びにいきたいのに遊びにいけないのは、のろまでドジなしっぽがついてくるからなんです。
どうしたらいいんだろうと考えて、しっぽはないものと決めて…。
お日さまの光を吸い込んでほかほかとあたたたかなしっぽを抱きしめるところがなんともいいです。
文字が多めですが、見開きごとに１−２点ずつ、モノクロまたはカラーのイラストがふんだんに入っています。
版元品切れ。
ハードカバー 78ページ。サイズ 天地21.8センチ×左右15.2センチ
●石森延男 児童文学全集６ 日本たんじょう Sekai Tokorodokoro
学研 71年（昭和46年）初
700円 Ｂ＋ 函あり 美品 当時の定価1000円
装丁 香川軍男 挿絵 村上幸一 石森七重 題字 石森延男
「日本たんじょう」は古事記から。「Sekai Tokorodokoro」はローマ字紀行。
「わたしの『日本たんじょう』には、日本神話の中で、おもしろいところだけをぬいて書きました。
そして、第ニ十四代の仁賢天皇のところまでにしたのです」
「“Sekai Tokorodokoro”は、わたしがあちこち外国にいった旅行記をあつめたものです。
…あなたは、ローマ字が読めるでしょうし、また書けるでしょう。
はじめはなれないから、やっかいに思うかもしれないが、なれてくると、だんだんはやくなりますよ。
ローマ字で作文を書くと、これもはやくなります。それに、ローマ字で書いた作文は、
ふしぎにすぐれたものが多いのです。なぜでしょうか。それはむずかしいことばを
つかわないからです。…あなたが心に思っていることに近い文章になるからです」（あとがき より）
版元品切れ。ハードカバー 308ページ。サイズ 天地22.2センチ×左右16センチ
●品切れ ゆきごんのおくりもの 長崎 源之助・作 岩崎 ちひろ 絵
新日本出版社 71年 72年の4刷
800円 Ｂー ビニカバ・帯あり 見返しシミ 記名 現在の定価1223円
作家と画家が心をこめて歌う やさしい二重唱ーー
仲間はずれにされたみきおくんが作った雪のかいじゅう“ゆきごん”。
幼ない時にだれもがもつ、空想の友だちとの交流をおりなすメルヘンの世界（帯より）
みきおくんが作った“ゆきごん”は心を宿しますが、翌日みきおくんはやってきません。
ぽかぽかの太陽にだんだん痩せていきながら
ーーあのこ、どうして こないんだろう。ぼくのこと わすれちゃったのかなあ
ゆきごんがみきおくんの家を探すと、みきおくんは風邪で寝込んでいました。
ーーさようなら、みきおくん。
翌日、みきおくんは元気になって、ゆきごんに会いに行きますが、すでにもうゆきごんの姿は…。
岩崎ちひろの絵とあいまって、詩情豊か、余韻を残す作品に仕上がっています。
同じお話でも、違う画家が絵を描くとぜんぜん違った印象になると思います。
今はもう、この手の切なくも美しい絵本が受ける時代ではないのでしょうか。
出版翌年、定価500円だったころの版です。
ハードカバー 31ページ。サイズ天地24.8センチ×左右21センチ
●品切れ 花の童話集 宮沢賢治 岩崎ちひろ画
童心社 69年 81年の37刷
800円 Ｂー カバーイタミ 現在の定価1260円
まなづるとダァリヤ めくらぶどうと虹 ひのきとひなぎく 黄いろのトマト おきなぐさ いちょうの実
宮沢賢治（1886年〜1933年）は、作品を分類構成しようとして、その一つに“花鳥童話集”
というタイトルを与えたが、本冊の五篇はその中にいれられたものである。
…この“花の童話集”の作品群は、アンデルセンの影響を思わせる。
…賢治初期の作品には、アンデルセンの投影を見のがせない。
…太陽ひとつにしても、いかに表現力に富み、色彩と詩情にあふれていることか、
そして今日の童話がいかに詩を失ったか、また世界観と個性の乏しいかを思うと、
賢治の童話は読むたびに新しい刺激をあたえてくれるのである。(堀尾青史 解説より）
20年以上前の版です。
ハードカバー 94ページ。サイズ 天地21センチ×左右19センチ
●絵本 あばれんぼうのこどもライオン 花岡大学 大野隆也 旺文社 旺文社こどもの本 77年 82年・重
1800円
Ｂ カバー ヤケ・よごれ・少ヤブレ・少イタミ 当時の定価530円
森があった。森の奥に、おかあさんライオンとこどもライオンがすんでいた。
こどもライオンは元気で森の中を飛び回っていた。
「それは、いい。ところが、いたずらずきで、たちのわるい いたずらばかりして、
ほかのものをこまらせていた。それは、よくない」
自分がいかに強いか自信たっぷりで「おかあさんライオンのいうことなど、きこうともしない。それは、ますますよくない」
ある日、森の中を飛び回っていると、きつねが腹ばっていた。
こどもライオンがそばに来ると驚いて
「強いあなたの家来にしてもらおうと思って待っていたんですよ」ときつねは、ぺこぺこ頭をさげて…。
得意げにきつねを連れまわったところ、きつねにまんまと利用されて、大変な目にあうこどもライオン。
花岡大学の文章がすばらしい。
「ぺこぺこ あたまをさげるやつなど、こころのあやしいやつにちがいない」
「なんでもじまんするのはいけない。じまんをするこころには、どこかにすきがある」
といった訓戒めいた部分には、ドキリとする大人も少なくないのでは？
結末はちょっとほろりときます。表紙はシンプルですが、絵も美しいです。
カラーページと２色の見開きが交互に出てきますが、それぞれ効果的に色を使ってあります。
「花岡大学氏は、大和の吉野川のほとりで、半世紀以上も児童文学のきらびやかな灯をかかげ続けた人である。
子供の文学ということで、この人ほど純粋に考えてきた人はめずらしいといっていい。
子供の感情世界を透明にする氏の芸術のなにごとかが、この絵本を見ると、いきいきと動いていることにおどろかされる」（司馬遼太郎）
花岡大学は1909年、奈良県生まれ。短大の教授であり、週一度、大学へ出るほかは、
京都伏見の書斎にこもり本にうずもれるようにして日々を送りました。
それが自分に課せられた生きる意味だとのこと。
61年「かたすみの満月」で小川未明文学奨励賞、62年「ゆうやけ学校で」小学館文学賞を受賞。
大野隆也は1929年、東京生まれ。著者・花岡大学の生きざまに創作意欲を呼び覚まされ、
本書は自分なりに全力投球したそう。着流しスタイルで、酒と川柳、コント、碁を愛する自称「多摩の風流人」。
童画の分野ではほかに「港についた黒んぼ」など。
ちなみに「旺文社こどもの本」は、安房直子、立原えりか、今江祥智、灰谷健次郎、長新太など豪華な顔ぶれです。
ハードカバー 55ページ。天地22センチ×左右15.5センチ
●品切れ 小学館のよいこ絵本 よいこの童謡集 なかよしこよし 小学館 1964年
900円 Ｂ 当時の定価70円
表紙・裏表紙 谷口健雄。
おなじみ「きんたろう」のほか「いぬ」「どなたのほそみち」「ひよこ」「おともだち」の５曲。
一見開きに1曲ずつ、譜面と歌詞、イラストという構成で紹介されています。
絵は、深沢邦朗、安井淡、谷口健雄、藤田桜、駒宮録郎。
譜面もあるので、どんな童謡なのかわかりやすいです。
絵本や童謡がお好きな人に、資料に、どうぞ。
ハードカバー 26,5センチ×19センチ
●小学館の育児絵本 よいこのようちえん 小学館 1971年
900円 Ｂ 当時の定価220円
せんせい おはようございます。おそろいのぼうしとえぷろん、どのこもげんきで、ようちえんにつきました。
…71年当時の幼稚園での子供たちの生活ぶりを一日の流れにそって、いきいきと描いています。
幼稚園の教育は年々くふうされ、進歩しているため、実在のある幼稚園を対象に取材したそうです。
たとえば、お絵描きならほかの子のマネをしないように指導されているなど、指導のポイントもわかります。
絵は谷口健雄、吉沢廉三郎、中西義男ほか。
絵本がお好きな人に、幼稚園児がいるご家庭のお子様・お母様に、教育の資料に。
ハードカバー 26センチ×19センチ
●ロミラのゆめ ヒマラヤの少女のはなし 金田卓也・文 金田常代・絵
偕成社 82年 650円
Ｂ 定価980円（税別）
ポカラの町まで歩いて3日。ネパールの小さな村で暮らす少女・ロミラの物語です。けわしい山々に囲まれて、朝は重たい水汲みから始まります。テレビもぜいたくなおもちゃもありません。そのかわり、動物、家族、友人とともに暮らす素朴な歓びがあります。ネパールのようなすばらしい世界を表現したいというハートのこもった絵本。親子合作で、母親が絵を担当。絵が細部にいたるまですばらしい
●品切れ 月刊 詩とメルヘン 95年7月号
サンリオ
750円 Ｂ 当時の定価720円
責任編集＝やなせ・たかし 表紙・目次カット やなせ・たかし
初山滋ーーおとぎの国の童画家
大正から昭和にかけ、児童雑誌として人気を博した「コドモノクニ」「おとぎの世界」
「アンデルセン童話選」「世界少年少女文学全集」など、
数多くの児童向け書籍の挿絵や表紙画を描いて活躍した初山滋。
その踊るような線と柔らかな色彩…
「平面の画家」やなせ・たかしの初山滋論。
課題詩・雨 日本人の情緒に深く根ざす「雨」をうたう 絵 おおた慶文 松永禎郎ほか
サイズ 天地29.8センチ×左右20.8センチ
●品切れ 月刊 詩とメルヘン 95年9月号
サンリオ
750円 Ｂ ヤケ 当時の定価720円
責任編集＝やなせ・たかし 表紙・目次カット やなせ・たかし
若き日の東君平ーー二十二歳の若さで切り絵画家としてデビュー。天才と謳われた君平の初期傑作集
64年ー65年当時に制作された作品9点が紹介されています。
「潜水夫のような画家」になりたいとずっと以前に考えたことがあった。もちろん今でもそう思っている。
深い水の底におりて行って、まだ誰れも見たことのないような美しい石や貝や魚を
手にいっぱい持って浮き上がってくる。そしてまたもぐる…
小淵沢便り・童話館の仲間たち 東英子「君平さんの突然の旅立ちから九年たちました。
十年ひと昔といいますが、歳月の流れの速さに驚きます。
くんぺい童話館にいて、私は常に君平さんと、対座しているのです。
ドイツ・ロマンティック街道にただよう古村の旅情 旅の画家による描きおろし連作
渡辺あきお「西洋気分 ロマンティック街道スケッチ旅行」
サイズ 天地29.8センチ×左右20.8センチ
古本 海ねこ トップページへ戻る