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Sonrisa(ソンリーサ)その1その2その3その4その5その6・その7



英語以外の文字は表示しにくいので、
正式な書名・著者名などは画像写真をごらんください。





Sonrisa61 英語版 インド PANCHATANTRA-1(パンチャ・タントラ)
Ratilal S Naik(ラティラル・ナイク)再話 Chandra Trivedi(チャンドラ・トゥリベディー)絵

オリジナルは88年 B+

1 サルの心臓 2 賢いウサギ 3 アオサギとザリガニ
4 カラスの夫婦とコブラ 5 歌うロバ 6 おしゃべりなカメ
7 ライオンとキツネとロバ 8 コブラと結婚した娘 9 おろかな学者 9篇を収録。

「賢いウサギ」は、むかしむかしある森にとても強いライオンがいました。
ライオンがやたらと動物たちを殺してしまわないように、
動物たちは毎日、仲間を1匹ずつライオンに差し出していました。
賢いウサギの番になったとき、ウサギはわざと遅れて、怒っているライオンに
あと4匹ウサギを連れてきたのに、途中で別のライオンがとってしまったと言います。
ライオンは怒りくるいます。「そんなやつは叩きのめしてやる」
ウサギはライオンを井戸に連れていき、ここにそのライオンがいると言いました。
ライオンが井戸をのぞくと、水に自分の姿がうつっていましたが、
あまりにも怒っていたので、そうとは気付きません。
ドボンと井戸に飛び込んで、溺れて死んでしまいました。
アメリカン・コミックを思わせるペーパーバック。色がきれいで、ペラペラしたつくリも良い感じです。

ラティラル・ナイクは大学教授であり、国を代表する作家のひとり。
250冊を超える児童書の制作にたずさわっています。
チャンドラ・トゥリベディーはインドを代表するイラストレーターであり、漫画家。
旅行を好み、アメリカに滞在しています(91年現在)。
ソフトカバー 天地27.3センチ×左右21.3センチ




Sonrisa62 タイ 人になりたかった水牛
サンスリー・チュティクル作 サンガラン・サタカシコーン絵
(原題と著者名の表記は、表紙画像をごらんください)

B+ カバーなし 小口シミ

むかしむかしコーン・カエンの近くに水牛がいて、水田で働いていました。
とても満足で仕事をしていたのですが、ある日、泥につかりながら考えたました。
「こんなふうに水牛の生活を続けていたら、俺は進歩するのかな」
水牛は人になってみて、人と一緒に生活してみようかと思います。そうしたら神秘できるだろうと。
そう思ったとき、水牛ではなくなったのです。
しかし、まもなく人と同じにできないことがひとつだけあるのに気付きました。
それは楽しむこと。どんなに頑張っても楽しくなりません。水牛はこれまで笑ったことがありませんでした。
ある日、水牛はサルに助けてもらいにいきます。サルは人を笑わせる芸を見せてくれましたが、笑えませんでした。
鳥たちがいろんなふうに飛んで楽しげに歌っても、やっぱり笑うことができません。
ミミズに「僕の言うとおりにする?」と聞かれてあとをゆっくりついていくと…。
絵柄がおもしろいです。個性派アートを味わってください。

サンスリー・チュティクルは小さなころからピアノに親しみ、渡米していくつかの大学で音楽を学びました。
オーケストラ、作曲などにもたずさわり、タイでもっとも人気のある作曲家として知られています。
サンガラン・ラタカシコーン(1922年-1979)はタイのタンボル・ドングフラム生まれ。
アメリカのコーネル大学で博士課程を修めました。
ハードカバー 天地25センチ×左右25センチ
スキャナーで読み込めないサイズなので、表紙画像は左右が少し切れています。




Sonrisa63 英語版 フィリピン
the MACIGAL SONG of the ADARRA(アダルナの魔法の歌)
Vitria Anonuevo(ビクトリア・アノヌウェボ)再話 Nori Millare(ノリ・ミラレ)絵

オリジナルは83年 Children's Communication Center
B+ 表紙と裏表紙少スレ カバーなし

むかしむかし立派な王様がいました。王様には3人の息子がいました。
勇敢なペドロ、狩りのうまいディエゴ、そして、心優しくだれからも愛されているホワンです。
ある日、王様はどんな医者も治せない病気になりました。
すると、ひとりの老人が言います。
「王様を治すには、ひとつだけ方法がある。アダルナの歌を聴けば、王様はよくなる。
アダルナとはタボール山の銀の木に住む不思議な鳥だ」と。
商業デザインを手がける人の絵。表紙をごらんいただくとおり、色づかいが独特です。

ビクトリア・アノヌウェボはフィリピン作家組合理事長。多数の児童書、詩などを制作しています。
ノリ・ミラレは商業デザイナーとして活躍しています。
ハードカバー 天地23センチ×左右17.8センチ




Sonrisa64 英語版 オーストラリア A Bush Birthday(茂みの中のお誕生日)
Elenor Nilsson(エリノア・ニルスン)作 Kerry Argent(ケリー・アージェント)絵

オリジナルは85年、アデレード Omunibus Books
B+ 小口シミ カバーなし

きょうはコアラの3歳のお誕生日。お誕生日には、僕も入れてみんなが招待されました。
赤いゴムの木の下で集まって、ふたり一組で行くことになっています。
フクロネズミの袋に入っているのは、トガリネズミです。カンガルーの袋の中は、僕です。
でも、だれもハリモグラとは一緒に行きたがりません。チクチクするのがイヤだから。
ハリモグラはエミュに「背中にのせて」と頼みますが、「いやだよ」と断られてしまいます…。
ディンゴ、カモノハシ…珍しい動物がいっぱい。豊かな色彩感覚で描かれ、実にきれいです。
茂みは僕の最高のすみかなので、これからもどうぞ大切にしてくださいと自然保護を呼びかけます。

エリノア・ニルスンは1939年、イギリスのスティアリング(スコットランド)生まれ。
91年現在はオーストラリア在住。大学で児童文学の講義をしつつ、制作に励んでいます。
ケリー・アージェントは南オーストラリアの小さな田舎町で子ども時代を過ごし、アデレードで美術を学びました。
珍しい動物たちとのふれあいが、作品に生かされています。
ハードカバー サイズ 天地28.5センチ×左右21.5センチ




Sonrisa65 英語版 ニュージーランド Maori Legends(Seven Stories)(マオリ族の伝説)
Ron Bacon(ロン・ベーコン)作 Philippa Stichbury(フィリッパ・スティッチビュリー)絵

オリジナルは84年、Shortland Publications Limited
B+ カバーなし

犬男カプワイ、海の子と凧、地下の国、カフと魚のアミ、ロナと月、ウエヌクと霧の娘、偉大なる酋長の士 の7篇。
「犬男カプワイ」は頭が犬、体じゅうにウロコがはえたカプワイという男が、
2つの頭を持つ5匹の犬と洞穴に住み、人をつかまえて食べていました。
ある日、娘をつかまえましたが、きれいなので食べませんでした。
来る日も来る日も、娘はカプワイたちの世話をさせられました。
あるとき、とうとう船を作り逃げます。
カプワイは逃げたと知ると怒って川の水を飲み干そうとしますが、水がなくなる前に娘は無事、村に着きます。
村人たちは洞穴の前に枯れ草を積んで火をつけます。
苦しがって頭を出したカプワイは頭をちょん切られて、あまりの暑さに川に飛び込んで石になりました。
不思議な伝説ばかりです。絵がまたシュールで、とても不思議な雰囲気。

ロン・ベーコンは1924年、オーストラリアのメルボルン生まれ。
1930年にニュージーランドへ移り、空軍に入ったあと教師になりました。
1963年以来、おもに児童文学の世界で活躍しています。
フィリッパ・スティッチビュリーは1960年、ニュージーランドのオークランド生まれ。
9年間、小学校教師を続けながら、画家として活動。
夫、2匹のねことともに、自分たちの手で作って家で暮らしています。
ハードカバー サイズ 天地21.5センチ×左右15.5センチ




Sonrisa66 イスラエル(原題・著者名は表紙画像をごらんください)(祭日の本)
メナム・ハコエン 作 マロナ・フレンケル 絵

B+ カバーなし

第1章 ユダヤの新年 第2章 贖罪の日 第3章 仮庵の祭 第4章 トーラーの歓びの祭り
第5章 ハヌカの祭り 第6章 木の新年祭…第13章 安息日
「木の新年祭」は、ユダヤの人々は木を植えることを大事にします。
むかし、彼らは自分の国がなかったので、神様は彼らにイスラエルに戻ったら木を植えなさいと命じました。
この祭りはほかの祭りと違い、イスラエルだけでおこなわれます。
大人も子どもも街を行進し、木を植えます。
アーモンドの木に白い花が咲き、春がきます。

世界は広い。ユダヤの人々のお祭りを伝える絵本です。さまざまな風習を知ることができます。
日本人にはあまりなじみがない文字。日本語の縦書きの本と同じ右開きで、文章は横書きです。文字が美しい!
そして、絵柄はこんなにPOPでカラフル! 中ページを見たら「うわーっ、きれい!」と声をあげたくなるかも。

メナム・ハコヘンは1932年、イスラエルのエルサレム生まれ。
ユダヤ教のラビとして、作家、編集者の活動をおこなっています。
マロナ・フレンケルは1937年、ポーランド生まれ。児童書の作家、イラストレーターとして活躍。
彼女の作品は、イギリス、フランス、オランダ、日本などで出版されています。
ハードカバー 天地21.8センチ×左右27センチ




Sonrisa67 トルコ NASRETTIN HOCA  YE KURKUM YE
(ナスレティン・ホジャーーさあ 毛皮よ、お食べ
EROL FIKRI(エロル・フィクリ)作
ALAETTIN BARISKAN(アラエッティン・バルシュカン)IHSAN ERTURKMEN(イヒサン・エルトゥルクメン)絵

オリジナルは95年、イスタンブール Ankara Cad.B+ カバーなし

ナレスティン・ホジャは、ある日、金持ちのお屋敷での夕食会に招かれました。
ホジャがふだん着で行くと、だれもホジャに注意をはらわず、話の輪にもまったく入れてくれません。
ぶつぶつ言いながら家へ帰ると、よそ行きの毛皮のコートと着てお屋敷に戻りました。
美しい毛皮のコートを着たホジャを見ると、みんな、うやうやしく取り囲んで、いちばん良い席に案内します。
ホジャは毛皮のコートのはしを持って「さあ 毛皮よ、お食べ」と言います。
まわりの人たちがビックリして「何をしているんですか」と尋ねました。
ホジャは最初のときの冷たい態度と、毛皮のコートを着てやってきたときのみんなの態度の違いを説明して
「このごちそうは、このコートになのじゃ。さあ 毛皮よ、お食べ」と言いました。

ソフトカバー 天地22センチ×左右16センチ




Sonrisa68 イラン (原題と著者名は、表紙画像をごらんください)(はっぱ)
モルテザ・エスマイリ・ソイ作

B+ カバーなし

表紙は、はっぱでこしらえたフクロウ。イランの絵本なので右開き。
中を開くと、はっぱと花びらのコラージュで描いたカメ、
ネズミ、カエル、ゾウ、キツネ、ニワトリ、ペンギンなどなど。
文字は一切なく、派手さもないのに、限りなく想像力をかきたてられます。
なんだかとっても多くのことを語っているように思えて不思議。
世界中どこの人でも楽しめる絵本です。あまりに素敵で、感動を覚えました。

モルテザ・エスマイリ・ソイは1952年、イランのテヘラン生まれ。
テヘラン大学で美術を学びました。
本書で84年、ボローニャ・グラフッィク大賞を受賞しました。
ソフトカバー 天地22センチ×左右22センチ




Sonrisa69 イラン (原題と著者名は、表紙画像をごらんください)(だれが強いの?)
モハメッド・アサド 作 ニクザード・ノジューミ 絵

B+ 小口少シミ カバーなし

いやいやいや…、これまたすごいでしょう。イランの絵本って、パワーを感じさせますね。
日本ではあまり知られていないかと思いますが、イランの絵本、注目ですよね。
この絵本、私は皆さんにぜひ中ページを見ていただきたいのです。
でも、小さな画面ではこの迫力はお伝えできないと悟りました。
表紙のイラストだけでも十分に、並大抵じゃないことはおわかりいただけるでしょう。
ニクザード・ノジューミ、天才、だと私は思います。
図書館などどこかで見かける機会がありましたら、ぜひ中ページもごらんくださいね。

泉はこおって鉄よりも硬く強くなっていました。
でも、氷がお日様で溶けることを知ったスズメは、どうにか溶かそうと考えます。
スズメは空高く飛んでいき、お日様に頼みます。「お日様、氷を溶かしてください」
でも、お日様は言います。「できません。私の光りは雲にさえぎられてしまう」
スズメは次に雲に言います。「お日様より強い雲さん、強さの秘密を教えてください」
雲は言います。「私は強くない。だって、私は風に飛ばされてしまうから」…

モハメッド・アサドは、1943年、イランのテヘラン生まれ。
テヘラン大学で文学を学び、22歳のとき初の詩集を出版。
15年の教師生活ののち出版の仕事につきました。
ニクザード・ノジューミは1940年生まれ。テヘラン大学で美術を学びました。
野間コンクール大賞受賞。
ハードカバー 天地25センチ×左右25センチ




Sonrisa70 南アフリカ DRAGTRUNK OF ADDO(ゾウのハナナガと魔法つかい)
Wim Bosman(ウィム・ボスマン)作・絵

B+ 小口少シミ カバーなし

むかしむかしアフリカの森で、ゾウの赤ちゃんが生れました。
お父さんゾウもお母さんゾウも大喜び。ところが、この赤ちゃんゾウは大変ないたずらっこだったのです。
長い鼻でヤマネコのしっぽを引っ張ったり、鳥をおどかしたり、虫をいじめたり。お父さんもお母さんも困りはてるばかりです。
月の明るい夜、小ゾウがいたずらしようと出かけたところ、どこからか、おかしな歌が聴こえてきます。
近づいてみると、歌っているのは魔法つかいのおばあさんでした。
小ゾウが魔法つかいをおどすと、ビックリしたおばあさんは大切な魔法の薬を全部こぼしてしまいました。
そして、カンカンに怒って魔法をかけたので、小ゾウの鼻はどんどんどんどん伸びました。
何年か過ぎて、小ゾウもすっかり大きくなり「ハナナガ」と呼ばれています。
ハナナガが散歩していたら、いつかのおかしな歌が聴こえてきました。
魔法つかいは「もとに戻してあげるよ。だけど、やりかたを忘れてねえ…。
魔法の本に書いてあるんだけど、大男にとられてしまったんだ」ですって。
さあ大変。魔法の本を取り戻さなければ。
「魔法つかいは子どもにだけ見えるんですよ。知っていますか?」というエンディングがいいですね。

ウィム・ボスマンは1936年、南アフリカのプレトリア生まれ。
建築を学びつつ、絵や語学にも才能を発揮します。
みずから芸術家ではなくイラストレーターとしての道を選び、人々の間では漫画家として知られています。
ハードカバー サイズ天地26センチ×左右21センチ




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