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チェコの絵本たち


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SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

生きとし生けるものに愛を…。
動物たちを描いた絵本は、どれもこれもチャーミング!
日本でも比較的よく知られているヤン・クドゥラーチェク、ミルコ・ハナークから、
知名度と関係なく素晴らしい画家たちに拍手。
2005年7月現在、ミルコ・ハナークは別ページでまとめて紹介します。
英語以外の文字は表示しにくいので、
書名・著者名など正確な表記は画像写真をごらんください。

■動物の絵本 その2■

coverドイツ語版 Ikka   Ein Tag im eines Iltsses(ある日、イタチが…)
Gunther Feustel  絵・Dieter Mullercr

ベルリン Altberliner Verlag 80年 2400円
C 経年相応のいたみ カバーなし 当時の定価6.50マルク

おなかをすかせたイタチが、山を降りて人里へ。
ニワトリ小屋に侵入して、必死に獲物をとらえます。
犬に追われつつ逃げて逃げて、蛇とも闘って…。
必死に食べ物を持ち帰った先には、家族が待っているのでした。
ピーター・スピアにも、このような話がありましたね。(「きつねのとうさん ごちそう とった」)

全篇を通して、ダークな色づかい。野生のきびしさ、雄雄しさ、たくましさ、そして、家族愛を丁寧に描いた絵本です。
チェコの古本屋で販売していた本ですが、ドイツ語版です。
ハードカバー 25ページ。サイズ 天地24.5センチ×左右22.3センチ


coverチェコ語版 PECU,PECU,MAZANCE(動物いっぱいの絵本)
絵・Ilona Ceipova

発行年不明 2200円
B 経年相応のいたみ 扉わきいたみ カバーなし 当時の定価15コルナ

動物たちがそれはいきいき描かれた絵本です。
動物も人も、目が愛くるしく、なんともチャーミング。
花々やキノコ、虫など細部にいたるまで、色づかいの妙をごらんください。


ハードカバー サイズ天地29.2センチ×左右22.4センチの大型本

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coverチェコ語版 Srnecek(子ジカ)
Miroslav Pecha 絵・Ludek Manasek

Albatros 90年 1900円
B 経年相応のいたみ カバーなし 当時の定価22コルナ

タイトルは「子ジカ」。
さまざまな森の生き物たちとともに、子シカが成長していく姿が描かれています。
人による開発、狩猟、寒さなど、森の生き物たちにはさまざまな災難がふりかかりますが、
巻末のほうでは立派なオスジカとして成長している絵になっています。
わりと文字が多い本ですが、1ページ大のカラーイラストが18点以上あります。
絵を描いているのは、当店のボード絵本で紹介している「HALO,TADY JARO!
(ハロー、春さん!)」と同じLudek Manasek。
絵のどこかに太陽、あるいは月を好んで描く人です。

ハードカバー101ページ。サイズ天地24.4センチ×左右16.6センチ

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cover品切れ チェコ語版 KOZA A JEZEK(メスヤギの絵本)
Maria Razusova Martakova 訳・Jindrich Hilcr 絵・Vladimir Machaj(ウラジミール・マチャイ)

Mlade leta 1968年 2400円
C 経年相応のいたみ・ヤケ・よごれ カバーなし 当時の定価10コルナ

KOZAはメスヤギのこと。平和に暮らしていたメスヤギが、
悪さをたくらむキツネ、オオカミ、クマと知恵で勝負する物語でしょうか。
ハリネズミも登場します。
森の木々、小動物なども含め、幻想的なイラストが印象的です。

ウラジミール・マチャイは、世界の名作童話シリーズ「小さなムックの物語」
「シンドバッドの冒険」(佑学社 78年。絶版)のイラストなども描いています。

カラーのイラスト19点。ほぼ1ページに1点ずつイラストが入っています。
ハードカバー 18ページ。サイズ 天地19センチ×左右16.7センチ

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cover品切れ ドイツ語版 Der Rauberhase(うさぎの絵本)
Alfred Konner 絵・Werner Klemke(ウェルナー・クレムケ)

ベルリン Altberliner Verlag 1969年 1800円
C ヤケ・よごれ  カバーなし 当時の定価3.80マルク

主人公は、目を覚ますと、ベッドから飛び出して窓辺へ。
バラの咲く庭にやってくるのは、うさぎです。
太陽を盗んで、ちゃめっけたっぷりのうさぎ。
パステルで描いた絵がのびやかで、愉快な気持ちになります。

Werner Klemke(ウェルナー・クレムケ。1917年〜94年)は、旧東ドイツ、ベルリン生まれ。
絵はまったくの独学。1937年から1939年、アニメーションの絵を描いていました。
第2世界大戦後、旧東ドイツの雑誌の仕事をしていた時期もあります。
絵本、小説や雑誌の挿絵のほか、コミックも手がけたりと多彩な活躍をした人です。
各ページにカラーのイラスト。チェコの古本屋にあった本ですが、ドイツ語版。
ソフトカバー 16ページ。サイズ 天地23.4センチ×左右16.2センチ


cover cover品切れ チェコ語版 Kocour v botach  a jine romanske pohadky
(長靴をはいたねこ)
Jan Cervenka 絵・Miloslav Disman

プラハ Svoboda 88年 2400円
B カバーあり 当時の定価55コルナ

絵柄からいうと、まさに「長靴をはいたねこ」だと思います。
シャルル・ペローの有名な。
むかしむかし、貧しい粉屋が死んだとき、息子3人が残りました。
上の兄さんは水車小屋を、下の兄さんはロバをもらいましたが、
一番下の弟はねこしかもらえずガックリ。
すると、ねこが言いました。「ご心配いりません。私に袋1つと長靴を一速くださいな」という…。
しかし、シャルル・ペローの名前が見当たらないので、もしかして違う話?
ほかにも、いくつかの童話がおさめられています。
Miloslav Disman(1904年〜81年)の絵をお楽しみください。

カラーのイラストが42点以上。モノクロのイラストも結構入っています。
ハードカバー 268ページ。天地26.4センチ×左右20.5センチ

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cover品切れ チェコ語版 z ladovy zahradky(ヨゼフ・ラダの動物絵本)
Josef Brukner(ヨゼフ・ブルクネル) 絵・Josef Lada(ヨゼフ・ラダ)Alena Ladova

プラハ Arbatros 68年  2900円
B 経年相応のいたみ 裏表紙ヨゴレ 当時の定価26コルナ

ヨゼフ・ブルクネルは、クルテク作品の作者。日本語版でも「もぐらくん、おはよう」
「もぐらくん、ぼうけんだいすき」(偕成社)などで読むことができます。
ヨゼフ・ラダ(1887年〜1957年)は、チェコを代表する国民的画家。
1947年には国民芸術家の称号が贈られています。
一見、単純な線で描かれていますが、牧歌的な楽しい生活、豊かな人間味を彷彿とさせます。
これはラダが亡くなってのちの本で、イラストのクレジットには娘さんのアレーナ・ラドバの名前が入っています。
ラダの陽気でユーモラスな持ち味は、そのまま受け継がれています。
コミカルでカラフルな絵柄がいっぱい。ねこやブタ、ヤギ、馬など動物が
のびのび。なんでもあり、といったおもむきです。
昆虫の絵も多く、愉快なトーンで終始一貫しています。

ハードカバー 93ページ。サイズ天地21.8センチ×左右23.3センチ

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cover品切れ チェコ語版 PUDLENKA(ねこのプドレンカ)
Karel Capek(カレル・チャペック) Obrazky Kreslil 絵・Josef Capek(ヨゼフ・チャペック)

プラハ Arbatros 71年  3700円
B 経年相応のいたみ カバー少ヤブレ 当時の定価19コルナ

チェコが生んだ国民的作家、カレル・チャペックによる、ねこについてのエッセイです。
プドレンカという名前のねことその子、孫娘が毎年生み続ける子猫たちの里親探しに明け暮れながら、
猫の生きようを観察しています。兄・カレルのイラストやチャペックが撮ったねこの
モノクロ写真も満載。犬のダーシェンカと戯れるねこ、生まれたばかりの子ねこや、母ねこと
子ねこの写真など、とてもかわいいです。ざらっとした感じの古い写真の味も格別。
日本語版は「ふしぎ猫 プドレンカ」(ブロンズ新社 2003年)。
好みの問題と思いますが、チェコ版の表紙のほうが私は好きです。

カレル・チャペック(1890〜1938年)は、チェコを代表する小説家、劇作家。ジャーナリストや演出家としても活躍。
劇作「R.U.R.」で有名になり、新造語「ロボット」は世界中に広まりました。
「長い長いお医者さんの話」「園芸家の12ヶ月」「子犬の生活ダーシェニカ」
(「ダーシェンカ」と訳した本もあります)「山椒魚戦争」ほか、著作多数。
1938年にノーベル文学賞候補となりましたが、その直後に48歳で亡くなりました。
兄のヨゼフ・チャペック(1887〜1945年)はキュビズムの画家。
「ダーシェンカ」「園芸家12ヶ月」のカット・装丁も手がけています。
装丁家としても活躍し、10数年間に手がけた装丁はおよそ500冊。「チャペックの本棚」という本
(ピエ・ブックス)には、そのうち119 点が収録されていて、この本もお薦めです。
戦時下とらわれの身となり、アンネ・フランクもいた収容所で亡くなりました。

ハードカバー 天地19.1センチ×左右20.5センチ

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cover品切れ チェコ語版 Vypravebi na lavicce(犬とヒナ鳥の絵本)
Donat Sajner 絵・Jiri Krasl

プラハ Arbatros 74年  2100円
B 経年相応のいたみ 当時の定価22コルナ

作者Donat Sajnerは1914年生まれ。
文字が多い本です。そこにJiri Kraslお得意の、水墨による線に、水彩を組み合わせた絵が25点ほど。
シカやウサギ、カワセミなど野生動物の凛としたたたずまい。
それに対して、カモのヒナ鳥?の愛らしさ。

ハードカバー サイズ天地26.5センチ×左右21.1センチ

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cover品切れ チェコ語版 JAK JSEM KRTIL MEDVEDA(クマの絵本)
Rudo Moric 訳・Marie Vodickova 絵・Jiri Krasl

プラハ ARBATOROS 80年  2100円
B 経年相応のいたみ 当時の定価19コルナ

Medbedaは、クマのこと。作者のRudo Moric(1921年〜85年)はたくさんの著作を残しました。
絵は、上の本と同じJiri Kraslによるもの。森や野に生きるクマ、オウム、ゾウ、サルなどを、
水墨画と水彩のあいまった独特のタッチで描いた絵本です。
水墨によるダイナミックで迫力のある線で自然のきびしさを、
サルやキリンの目の優しさでぬくもりを伝えているように感じました。

ハードカバー サイズ天地26.5センチ×左右21.1センチ

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cover品切れ チェコ語版 Zlaty proutek(よいステッキ)
Frantisek Nechvatal 絵・Jan Kudlacek(ヤン・ クドゥラーチェク)

プラハ ARBATOROS 83年  3500円
B 経年相応のいたみ カバーやぶれ 本文よごれ 当時の定価23コルナ

「おんなのことあめ」「おかしな結婚式」「ゆきのおうま」などの日本語もあり、
日本でも大人気のヤン・クドゥラーチェク(1928年〜)の絵本です。
短いポエムとともに、大きな目をした鳥や虫、植物が幻想的なタッチで描かれています。
クドゥラーチェクは池や川の世界、カッパを好んで描きますが、本書にも水中の神秘的な絵が含まれてきます。
本体は布貼り。カバーは、角の部分がやぶれています。

クドゥラーチェクは、ガラス芸術のような繊細なタッチでメルヘン・ワールドを描く達人。
本人は「イラストレーションは感情の告白でなければならない」と言います。
ハードカバー サイズ天地28センチ×左右21.2センチ

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cover品切れ チェコ語版 Zviratka na cestach(動物の古い絵本)
Alexandr Redlich  Pavla Wenigova Tiskem knihtiskarny Th.Venty,s.s r.o.

Nakladatel EMIL SOLC,spol.s ruc.o.,Praha-Karlin 出版年不明 5800円
B 表紙角イタミ カバーなし

プラハのとある古本屋で、レジの後ろのガラスケースに陳列されていました。
店の初老の女性が「これはとっても素敵」と見せてくれたものです。
何篇か短篇が入っていて、カエルの王様の話、カエルとネズミの話、
魔法つかいと動物の話など、動物にまつわるお話ぞろい。
かなり古いものだと思います。
木版?で、大部分はモノクロ。一部、オレンジ色やグリーンの色を重ねてあります。
文字も多いですが字体がよいです。紙も古いものならではの味わい。中には色の刷が
ズレている絵もあり、私はかえって味を感じました。
古いもの、古い絵本がお好きな人に。

ハードカバー94ページ。サイズ天地24.9センチ×左右18センチ

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品切れ チェコ語版 KRTEK VE MESTE(もぐらのクルテク)
Zdenek Miler(ズデネック・ミレル)・絵 J.A.Novotny・文

プラハ ALBATROS PRAHA 87年 1900円
B カバーなし 表紙角オレ

クルテクは、オスのもぐら。森の地中でひとり暮らしていますが、
ウサギらたくさんの友達もいてハッピーな日々でした。
ところが、人間らに木を切り倒されて、一面、切り株の原野に…。
開発のジャマになるからと、クルテクらになんとか立ち退いてもらおうと考える大人たち。
クルテクらが苦情を申し立てると、お役人たちが考えたのは、なんとビルの中に
人工の森をこしらえて、そこで暮らしなさいということでした。
人工芝が敷かれ、壁に絵が描かれて、おいしい食べ物を次々に運び込んでもらって、
はたしてクルテクらは満足できるのでしょうか?
冒険といたずら好きなクルテクと仲間たちの絵本です。
独特な色彩とポップなキャラクターをお楽しみください。

ズデネック・ミレルは、1921年、チェコスロバキア・クラノド生まれ。
プラハ工芸大学卒業後、児童書の挿絵、漫画雑誌、アニメーション映画や人形劇映画で活躍。
1957年の制作開始から、もぐらのクルテクのアニメーションが人気。
50作品以上のシリーズが作られ、クルテクはチェコの国民的キャラに。
絵本のほうも、1961年、本国で「もぐらくんとズボン」のアニメーションを元にした本が出版されて以来、
世界20か国語以上で翻訳されています。
日本でも「もぐらとずぼん」が67年に福音館書店から出版されて以来、ロングセラー。
「もぐらくんとまいごのうさぎ」「もぐらくん、おうちをつくろう」(偕成社)などでも人気です。
ハードカバー サイズ天地30.5センチ×左右24.3センチ


2009年3月入荷分2008年9月入荷分
ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1ミルコ・ハナーク その2
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動物と子どもと… その1その2動物の絵本 その1・その2・
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

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