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チェコの絵本たち


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ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1ミルコ・ハナーク その2
新しめの本
動物と子どもと… その1その2・動物の絵本 その1・その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

日本で比較的よく知られている人はもちろん、
知名度と関係なく素晴らしい画家たちに拍手。
英語以外の文字は表示しにくいので、
書名・著者名など正確な表記は画像写真をごらんください。

■動物の絵本 その1■

coverJa ho vypatram sam(ねこと犬の絵本)
Bohumil Riha(ボフミル・ジーハ)
絵・Adolf Born(アドルフ・ボーン アドルフ・ボルン)

Praha Albatros 87年 3700円
B+ 背下部軽くイタミ 141-146ページ角オレ 当時33コルナ

アドルフ・ボーン(アドルフ・ボルン)の絵は、一目見たら、この人のものとわかります。
ねこや犬、ねずみ、雪だるま、少年が繰り広げるお話。
夢・想像の世界へ行きつ戻りつのようなイラストがふんだんに盛り込まれています。

アドルフ・ボーン(アドルフ・ボルン)は1930年、オーストリアとの国境近いチェコCeske Velenice生まれ。
画家、グラフィック・アーティスト、コミック、映画製作でも活躍して、ひじょうに多作な人。
グラフィックデザイナーとして、工夫と遊び心に満ちたイラストの世界を繰り広げます。
また、各国への旅が大好き。人、動物、神話など混在させつつ、個性豊かな世界を展開します。
ベースにあるのは、知的ユーモアのセンスと、あたたかみのあるタッチでしょうか。
ブラスティラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞受賞。

ボフミル・ジーハは80年に、国際アンデルセン賞を受賞しています。
国際アンデルセン賞は、1953年、国際児童図書評議会
(International Board on Books for Young People:略称IBBY)によって創設された賞です。
子どもの本に贈られる国際的な賞で、ひじょうにレベルが高く、
かつてケストナー、リンドグレーン、ファージョンらが受賞しています。

カラーのイラストが37点以上。1ページ大、あるいは見開きいっぱいに広がるイラストも多いです。
製本のイタミはほとんどありません。
ハードカバー 159ページ サイズ 天地 24.4センチ×左右 17センチ

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coverCour a Courek(ゆかいなねこコンビ CourとCourek)
Svatopluk Hrncir(ボフミル・ジーハ)
絵・Adolf Born(アドルフ・ボーン アドルフ・ボルン)

Praha Albatros 83年 3000円
B 背下部イタミ テープ補修 見返しいたずら書き 当時50コルナ

前ページ、カラーのイラスト。コマ割りもあり、コミックのような面もある大型絵本。
背の高いねこ、チビのねこ、そして、そして、ねずみやら仲間たちがのびのび息づいています。
言葉がわからなくても、絵柄でおおまかなストーリーが把握できます。
動物を用いていますが、プラハの人々の生活ぶりが伝わってくるようで、興味深いです。
たとえば「中を見る」の最初のシーンでは、表向きは立派でも、裏から見ると安普請の家。
プラハの建築物や、あるいは人(外見だけ立派な人)になぞらえて描かれているのかもしれません。
また、次のシーンでは、水道の蛇口が壊れて水が吹き出し、部屋中が大洪水に。
水が好きなカエルがいそいそとやってきて、元住民だったネズミの一家は逃げ出しています。
プラハでいつか大洪水があったことを思い出しますが、しなやかに、
たくましく、時代時代を生きてきたチェコ人が描かれているように思えてなりません。

今から20年以上前の本です。
背の下部が欠けて補修されているほか、中ページもあちらこちらにめくりじわ、ほか。
プラハの古書店では普通に売られている程度のイタミがあります。状態にこだわる方にはお薦めしません。
歴史・国民性の違いだと思いますが、多少のイタミよりもむしろ本の内容で評価する面において、
日本よりプラハの古書店に軍配があがると思います。ぼろぼろであっても古びた素敵なものを愛する人にとって、
プラハの古書店は居心地がいいです。懐の深さ・広さに落ち着くんですよ。

ハードカバー サイズ 天地 33センチ×左右 24.2センチ

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cover品切れ Zrzanek(ねこの絵本)
Marie Calma
絵・Zdenka Vorlova

Nakladatelstvi Solc A Simacek,SPOL.S.R.O.V  Praha 1927年 4700円
B− 表紙角イタミ

表紙の黄色い瞳のねこ、この表情…。一目見たら忘れられないような1冊ですが。
イラストを追いながら、ストーリーの大筋を想像してみると…。
オスねこがメスねこと出会って、子ねこがたくさん生まれます。
オスねこはサルと知り合って、社交界にデビュー。
サルとともになんと航海に出て、冒険が続きます。

年数を経ているのに、造本がしっかりしているため、驚くほどイタミは少ないです。
扉や奥付にもねこのイラスト。イラスト1点1点が味わい深く、ねこ好きにはこたえられない1冊だと思います。
この時代の紙、活字、装丁…いずれも愛でたい感じ。きっと大事にしたくなる1冊です。
イラスト17点ほど。

ハードカバー 95ページ サイズ 天地 25.8センチ×左右 21センチ

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cover品切れ Dobrodruzstvi viverky Zrzecky(りすの絵本)
Josef Zeman(ヨゼフ・ズマン)
絵・Karel Svolinsky(カレル・スヴォリンスキー)

VESMIR Praha 1945年 4200円
B− 表紙角イタミ・シミ 背イタミ

動物たちの営みを描いているのは、チェコを代表する国民芸術家カレル・スヴォリンスキー(1896年〜1986年) 。
カレル・スヴォリンスキーは、チェコの田舎や自然を愛し、
豊かな民族芸術からインスピレーションを受けて独自の画風をつくりあげました。
チェコの切手の図案を多数、手がけている人でもあります。

美しくも、きびしい自然。尾がからまったヘビ、バラのトゲが刺さって出血するカラスなども描かれています。
スヴォリンスキーは、動物たちと美化するばかりでなく、雄々しい面、生命力豊かな面まで描き、
自然をこよなく愛する視線、姿勢を絵のすみずみに発揮しています。
大判ですので、彼のインクと水彩によるきめこまやかなイラストを存分にお楽しみいただけます。
ざらっとした紙に、深みのある色がすばらしい。印刷技術の高さに驚かずにいられません。

60年以上前の絵本です。希少な本。紙の劣化などがありますことはご了承ください。
いずれのページにもカラーのイラストがあり、見開き全面いっぱいのイラストも2点あります。
ソフトカバー 38ページ サイズ 天地 30.3センチ×左右 23センチ

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cover品切れ Nespokojeny Kralicek(うさぎの絵本)
Marie Majerova(マリエ・マイェロヴァー)
絵・Karel Svolinsky(カレル・スヴォリンスキー)

Albatros Praha 62年 4200円
B カバーなし 当時の定価18コルナ

ざらっとした淡いクリーム味がかった紙をめくっていくと、息を飲むようなイラストが現れます。
マリエ・マイェロヴァー(1882年〜1967年)は、「魔法の世界」ほか数々の作品でよく知られる女流作家。
その彼女と、上の本でも紹介したカレル・スヴォリンスキー(1896年〜1986年) が組んだ最強の1冊。

インクによる優しい線画とやわらかい色合いの澄んだ水彩をあわせたイラストが、1点1点すばらしい。
自然を見つめる視線が優しく感じられ、花々や草ばかりか風の香りまでも伝わってくるかのようです。
チェコ語が読めたらどんなにいいだろうと思わずにいられませんが、
絵柄だけでも十分にお楽しみいただけることでしょう。

1ページ大のカラー・イラストが9点。
ハードカバー 74ページ サイズ 天地 26.5センチ×左右 20センチ

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covercover品切れ Bily cap(トループの絵本)
Jindrich Hilcr  絵・Miloslav Troup(ミロスラフ・トループ)

Albatros Praha 74年 3600円
B カバーなし 当時の定価22コルナ

「旅」「スポーツ」「お話」といった短いポエムが連なり、
その一編一編に美しいイラストが添えられた1冊。見返しからして、声をあげたくなるような美しさです。
鳥や動物、花の輝きを追いかけていて、色彩がみごとです。
「私は絵を描くとき、色のひらめきで表現できるとうれしい。それはたぶん、私がきらめくガラスの色が好きだから」という言葉を残している人らしいですね。

ミロスラフ・トループ(トゥロウプ)(1917年〜93年)はプラハで学び、1947年からフランスで活動。
1950年、チェコスロヴァキアに帰国。プラハに住んで、160冊以上の本の絵を手がけました。
75年にはその年のもっとも美しい本の賞を6度も受賞しています。好んで使用したのは石版画でした。
カレンダー、ポスター、旅行者向けのガイド、カタログなどのグラフィックのほか、
プラハの旧市街にある市庁舎のタペストリーなども手がけています。93年、プラハで亡くなりました。

多くの見開きに1−2点ずつイラストがあり、大半はカラーです。
ミロスラフ・トループ(トゥロウプ)! 日本ではなぜあまり知られていないのでしょう? とても不思議です。

ハードカバー 85ページ サイズ 天地 24.2センチ×左右 16.5センチ

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cover品切れ kopa plna trnu(動物たちの色彩あふれる絵本)
Miroslav Kapek 絵・Radmir Kolar(ラドミール・コラル)

Albatros Praha 84年 3600円
B+ カバー少イタミ 製本上のシワ少し 当時の定価34コルナ

色の魔術師的な魅力と、ひじょうにアーティスティックな魅力と。
エネルギッシュな作風で、動物たちを自由自在に描いています。
見開きいっぱいに広がるページは、ある時期のピカソのよう。
爆発せんばかりのパワーに満ち満ちています。
きわめてダイナミックに描いているようでいて、よく見ると、さまざまな技法を繊細に組み合わせてあり、ワザの結晶という印象。
すばらしいアーティストを無尽蔵に輩出し続けるチェコ。目を離せません。

見開きごとに1点以上、カラーのイラスト。見開きいっぱいのカラフルなイラストが満載。
ハードカバー 120ページ強 サイズ 天地 24.4センチ×左右 16.9センチ

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coverFerdik a Bertik(フェルディクとベルティク)
Radij Pogodin  訳・Anna Novakova
絵・Zdenek Smetana(ズデニェク・スメタナ)

Zvonecky Praha 85年 3600円
B+ カバーなし 当時の定価32コルナ

短編6本。
黒目が印象的な動物キャラをはじめ、愛嬌たっぷりのモノノケ系(?)キャラが次々に登場。
まるで子どもが描くようなのびのびした、愉快なキャラばかりです。
随所に茶目っ気たっぷりの遊び心が感じられ、文章がわからなくても楽しい気分になること請け合い。

ズデニェク・スメタナは、チェコの人気アニメ番組の制作でもおなじみ。
彼のアニメ作品は、カンヌ映画祭のほか、日本でも開催中の
チェコアニメ映画祭2006でも紹介され、世界的に有名になりつつあります。
有名になっても、きっといつまでも子どもの心を持った大人でい続けることでしょうね。

見開きに1−2点、カラーのイラストが入っています。
ハードカバー 132ページ サイズ 天地 25.6センチ×左右 19.8センチ

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coverFERDUV SLABILAR(オンドジェイ・セコラの絵本)
Ondrej Sekora(オンドゥジェイ・セコラ)

Albatros 73年 2002年の版 3000円
B+ カバーなし

首にスカーフを巻いて、靴をはき、長身でスマートなありのフェルダ。
ABCにちなんだお話を含む、小さい子ども向けの絵本です。
コミカルなタッチで、ありをはじめ虫、動物たちが躍動感に満ちています。

戦後、チェコ絵本のイラストの基礎は、ヨゼフ・ラダ(1887年〜1957年)、
ヨゼフ・チャペック(1887年〜1957年)、オンドゥジェイ・セコラ
(1899年〜1967年)の3人によって築かれたといわれます。
自作の童話に挿絵を描き、装丁までみずから手がける点が3人に共通しています。

オンドゥジェイ・セコラは、もともと画家。ありを主人公にした「ありのフェルダ」で有名になりました。
フェルダ・シリーズはじめ子ども向けの本を多数出版。
いずれも版を重ね続け、しかも毎回何万も刷られるほどの人気ぶり。
動物の世界を描きながら、各キャラクターの特色を際だたせ、その中に人間社会をも表現しています。
日本語版も出ていたようですが、日本ではクルテクほど知名度が高くないのが不思議。

新しい絵本ですので、きれいですが紙がまぶしいほど真っ白。
お好きなようでしたら、ぜひ古い絵本もごらんくださいね。

各見開きにイラスト。カラーも多数。
ハードカバー 78ページ サイズ 天地 24.4センチ×左右 16.8センチ

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2009年3月入荷分2008年9月入荷分
ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1ミルコ・ハナーク その2
新しめの本
動物と子どもと… その1その2・動物の絵本 その1・その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

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