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チェコの絵本たち


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新しめの本
動物と子どもと… その1その2動物の絵本 その1その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

■Mirko Hanak ミルコ・ハナーク その2■

cover品切れ 動物たちのおしゃべり 山崎陽子 絵・ミルコ・ハナアク
小池書店 71年・初 900円
A− カバー・帯あり 定価1400円

山崎陽子&ハナアク詩画集です。
ハナークの絵は70年に出版された“Animal Tales”からのものが大半のようです。

こんど生まれてくるときは「ねこ」がいいなあと願う犬。
ねずみを好きになってしまったねこ。
いつか、しあわせの青い鳥になれたらと夢見るはと。
おとうさまのように立派なつのが欲しいと夢見る雌ジカ…

動物たちのうちあけ話をハナアクが表情豊かに描き、
童話作家・ミュージカル脚本家である山崎陽子が詩で代弁しています。
ツルツルピカピカの紙に印刷され、現代ふうといえば現代ふう。
ハナークの原書の絵と見比べてみましょう。

ハードカバー 60ページ。サイズ天地17.4センチ×左右19.2センチ


cover品切れ 英語版 Ryn,The Wild Horse(野生の馬・リン)
Bohumil Riha・作 Ilis Urwin・英訳 Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

NY Doubleday&Company,Inc. 66年・初 
B 図書館使用本 経年相応のいたみ カバーはビニカバーで保護され、比較的良好 本文角ヤブレ(読むに差し支えはありません)

リンは川辺でひとり育った子馬。
自分の影で遊んだり、リスを追いかけたり、とにかく元気いっぱいに育ちます。
ところが、元気すぎていたずらが過ぎ、
年老いた主人とともに住み慣れた街から追放されてしまって…。

1968年、ボローニャの国際児童書フェアでキャロル賞を受賞しました。

ウエストチェスターの公共図書館で使われていた本ですが、
図書館の人の扱いがとてもよかったようで、状態は悪くありません。
扉にある図書館の刻印が、とてもきれいです。

良い本ですので、今後また入荷予定があります。
ハードカバー 103ページ。サイズ 天地22.2センチ×左右17.3センチ

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cover品切れ 英語版 Sing A Song Of Everything(シングアソングオブエブリシング)
A Colorful Book of New Verses for the Very Young(若い読者へ 新しい詩のカラフルブック)
Krista Bendova  Rosemary Garland英訳 Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

ロンドン Paul Hamilyn 68年 
B 裏表紙ビニールコーティングはがれ 見返しはがれ 本文シミ

Krista Bendovaが書いた詩は63年、ミルコ・ハナークのイラストは64年と
それぞれコピーライトが入っています。
本は66年、プラハ Artia社から出版。
英訳版は68年に出版されました。

クリスタ・ベンドーヴァの詩と、ミルコ・ハナークのイラストとのコラボレーション。
ハナークお得意の動物や植物の絵はもちろん満載。本書は、それに加えて子どもの絵がたくさん。
いずれも一度見たら忘れられないようなすばらしい作品ばかりです。
ねこの絵も多く、「子ねこちゃん子ねこちゃん」という詩には、
子ねこが片時もじっとしていないから何匹いるのか数えられない…というコミカルな詩に、
ツメがまだつんつんにとがっている(子ねこってそうですよね)子ねこのイラスト。
のびのびイキイキと描かれていて、楽しい気持ちに包まれます。
目に光がある動物や子どももいれば、どことなく影がある動物や子どもも。
ありのまま自然のままを愛情を持って観察していて、実にハナークらしいと思います。

日本語版はかつて「もりのうた」として、木島始(1928年〜2004年)の訳で出版されていました(佑学社 78年)。
ドイツ語版、フランス語版などのほか、下のように(おそらく)北欧語版もあります。
本書の英訳版は「原本ほるぷ世界の絵本」(75年)の12冊にも含まれています。
この本を見てミルコ・ハナークに惚れ込んだ人はきっと大勢いらっしゃることでしょう。
本国はもちろん、日本にも欧米にもたぶんきっと…。

ハードカバー 64ページ。サイズ 天地26センチ×左右20.2センチ

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cover品切れ 再入荷待ち フィンランド語版 FIEDEL DIDEL GEIGENLIEDEL
Krista Bendova James Kruss Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

ヘルシンキ KUSTANNUSOSAKEYHTIO Otava 


66年、プラハArtia社が出版。67年にプラハで印刷されたものです。
表紙はごらんのとおりですが、中身はフィン(ランド)語かと思われます。
扉には"PERHONEN,HASSU VARPUNEN"というタイトルがあり、
ヘルシンキのKUSTANNUSOSAKEYHTIO(Oはウムラウト)Otava社のクレジット入りです。
"perhonen"はフィンランド語で「ちょうちょ」。"hassu"はfunny。 "varpunen"は「すずめ」。
「ちょうちょ、ゆかいなすずめ」といった意味?(フィンランドの方、ご訂正お願いします)
表紙の"Fiedel Didel Geigenliedel"はひょっとしてデンマーク語?
(北欧の言葉に詳しい方、教えてください)

ハードカバー サイズ 天地26.2センチ×左右20.9センチ


covercover再入荷分、品切れ  英語版 The Kingfishers(カワセミの物語)
Karel Novy・作 Peter Avis and Jirina Tvarochova英訳 Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

NY Funk&Wagnalls 68年
B 経年相応のいたみ カバーはビニカバーで保護され、比較的良好

オリジナルは63年。英語版は68年出版。
目次をめくると「まずはじめに101ページの作者の記述を読んでください」という英文。
そちらを読むと、Karel Novy(1890年〜1980年)が子どものころ登校のため毎日1時間以上歩いていたこと。
その途中、魚がたくさんいる川辺や、鳥や動物がたくさんいる森や野原を見ていればまったく退屈しなかったこと。
鳥の中ではカワセミがいちばん好きで、カワセミたちと通じ合う言葉があれば
どんなにいいだろうと夢見ていたことなどが書かれています。

本書は、カワセミのつがいが苦心しながら巣をこしらえて子育てをして暮らす1年を描いたお話です。
危険や試行錯誤に満ちたカワセミの生態を綴り、大変ドラマチックで動きがある物語になっています。
ハナークは鳥や魚、動物の生態や動き、それをとりまく周囲の空気まで含めて、
一瞬の時間を永遠にとどめてみせる名人ですね。
水墨と水彩で描いていますが、東洋の影響を感じさせる絵柄です。
見返しは、川面にうつる太陽。波紋が広がっている光景です。
カバーをはずすと、本体はごらんのような布貼りにカワセミの刻印。

カバー返し部分にある著者と画家の紹介には
「Karel Novyは1890年、プラハから遠くないBenesov生まれ。
本作は身の回りのカワセミを観察しながら1936年に執筆。
彼は、田舎の豊かな自然を魅力的に語った小説を多数書きました。
1952年から56年まで、プラハの児童書の出版社でチーフ編集者をつとめました。
ミルコ・ハナークは自然界を描いてチェコスロヴァキアでとても有名になった画家です。
野生の生き物に対する彼の情熱的な関心、自由であることに対する共鳴によって、
自然の中で生きるカワセミのエネルギーや動きを巧みにとらえることに成功しました」といった内容が書かれています。

アメリカで印刷された本です。ハードカバー サイズ天地24.6センチ×左右16.9センチ


cover品切れ  チェコ語版 Potulny lovec(キツネのお話)
Karel Noby・作 Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

プラハ SNDK(Statni nakladatelstvi detske knihy)68年 
Bー 本文ヨゴレ 経年相応のいたみ カバーなし 当時25コルナ

カワセミのお話と同じ、Karel Novyとミルコ・ハナークのコンビ。
見返しは、満月に照らされた深い森。
人里にとらえられていたキツネが森に帰っていきます。
犬に追われることもありますが、ほうほうのていで逃げ出して進むと、満月が雪道を照らしています。
獲物をとらえながらどうにか生きのびて…。
lovecはハンター。絵柄からの印象ですが、自然の中で生きていく厳しさが描かれているように思います。

ちょっと珍しい本です。
文字が多い本ですが、カラーの絵も半ページほどのカットから1ページ以上の大きな絵まで含めて23点以上。
表紙は布貼り。シックで古式然としたたたずまいの古本。
ハードカバー 148ページ。サイズ天地24.7センチ×左右17.4センチ

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cover品切れ 英語版 The Bluebird(青い鳥)
A Traditional French fairy tale(フランスに伝わる物語)
Marie d'Aulnoy(マリー・ドォルノワ)作
Adapted by Jan Vladislav Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

London The Hamilyn Publishing Group Limited  70年 72年の2刷  
B 経年相応のいたみ カバーにさらにビニカバ ただしヤブレあり
扉の上部6.5センチ×2.6センチの切り込み(読むには差し支えありません)当時95ポンド

オリジナルは69年に描かれ、70年にプラハ Artia社から出版。
ハナーク晩年の渾身の作。

メーテルリンクの「青い鳥」ではありません。
フランスに古くから伝わるお話をMarie d'Aulnoy("Peacock King and Other Stories"ほか)が書き起こしたもの。
美しいRosebud姫は、継母とその娘であるカエル姫からいじめられています。
ところが、晩餐会でぼろぼろの服を着ていたにもかかわらず、隣国のミラン王に見そめられます。
ところが、継母から嫉妬のあまり、長い間、塔に幽閉されてしまう姫。
ミラン王はカエル姫との結婚を断ったばかりに「青い小鳥」にされてしまいます。
しかしながら、ふたりは苦難の道を乗り越えて、やがて結ばれて…。

ハナークが描く紺碧の青がとても好きです。
見開きからして美しい。深い濃紺の地に金色や淡いブルー系の色による渦巻きなどで
お城らしき雰囲気を描いています。
青い鳥がキーポイントであるだけに、全編に濃淡に富んだ青が効果的に使われています。
見開きいっぱいに描かれた絵もあり、どこをとってもまるでおとぎの国のよう。夢のように美しい。
カバーをとると、美しい青地に白い王冠。背文字も白抜き。
あちらこちらイタミはありますが、それを差し引いても十分(と私は思う)美しい本です。
日本語版は「青い小鳥」(佑学社 世界の名作童話シリーズ 78年 乾侑美子訳)。
チェコスロヴァキアで印刷されたものです。

ハードカバー 56ページ。天地28.8センチ×左右22.2センチ

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cover品切れ 英語版 Animal Tales(動物のお話)
Hana Doskocilova・作 Adapted by William H.Armstrong Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

NY Doubleday&Company,Inc. 70年・初
C+ 図書館使用本。経年相応のイタミ。カバー、さらにビニカバー。図書館のラベル各種あり。
後ろ見返しに貸し出しポケットをはがしたあと。本文少オレ。当時$3.95

オリジナルは70年、プラハALBATROS社から出版。
チェコスロヴァキアには「人は動物のよう。動物は人のよう」ということわざが伝わっていたそう。
「人を観察するなら、動物を観察すべし」というアメリカでの言い伝えもあるそうです。
15篇のユーモラスでウィットに富んだ動物たちのお話を読むと、だれかしら思い当たる人が浮かぶからおもしろいです。
もともとの詩はチェコの絵本作家Hana Doskocilovaによるもの。
70年にニューベリー賞を受賞しているWilliam H.Armstrong編。

いちばんはじめに紹介した「動物たちのおしゃべり」と同じ絵がおさめられていますが、
判が大きく、紙質はざらざらした古い時代ならではのもの。発色の感じが大きく異なります。
Library Editionです。本体はチェコスロヴァキアで印刷。ジャケットはアメリカで印刷されたもの。

ハードカバー サイズ天地26.3センチ×左右20.5センチ

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cover品切れ 英語版 Animals We Love Book1(愛すべき動物たち ブック1)
Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)

NY Sroll Press 72年
B カバーイタミ・シミ・少ヤブレ

よく見てごらんなさい。
田舎でも都市でも畑にも空にも木にも水の中にも
いたるところに動物がいます。
あるものは野生で、あるものは人に飼われて…。
いくつかの動物について学びましょう。
どこで何をして、どのように、何を食べて生きているのかな?
リスから始まって、さまざまな動物の生態について書かれています。
古いざらざらした紙ではなく、つやのある上質紙を使っていますが、
とても深い色合いで美しく印刷されています。
大判で、余白もたっぷり、イラストもたっぷり。ハナークのイラストを楽しむにはとても良いです。

扉の前にこんな文字があります。
"Dedicated to the memory of Mirko Hanak who brought so much beauty to children everywhere"
−−ありとあらゆるところで、たくさんの美を子どもたちにもたらしたミルコ・ハナークの思い出に捧げられた本。
欧米で広く人気だったハナークの絵は美しくやわらかく繊細で、
日本画を思い起こさせます、といった紹介文もあります。
アメリカで印刷されたものです。

ハードカバー 天地28.9センチ×左右22.2センチ


cover品切れ 英語版 Animals We Love Book1(愛すべき動物たち ブック2)
Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)

NY Sroll Press 72年
Bー 図書館使用本 背ラベル、裏見返しに貸出票のポケット カバーイタミ

上のBook1の続編にあたる本です。
ウサギ、トラ、シカ、ハト、子ねこ、キツネ、ネズミなど
ハナークがのびのび描いた絵柄に、その生き物に関する説明文が添えられています。
ちなみに、「子ねこ」はこんな感じの内容です。
子ねこは動くもののと遊ぶのが大好き。チョウチョ、ボール、糸、ヒモ、おもちゃのネズミ。
ねこは世界中に生息しています。
…エジプトにプラミッドが建てられたころにはすでにそうでしたが、
何千年もの間、良きペットとして人とともに暮らしてきました。

古いざらざらした紙ではなく、つやのある上質紙を使っていますが、
とても深い色合いで美しく印刷されています。
大判で、余白もたっぷり、イラストもたっぷり。ハナークのイラストを楽しむにはとても良いです。

アメリカで印刷されたものです。

ハードカバー 天地28.9センチ×左右22.2センチ

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cover品切れ ドイツ語版 Es wird Abend im Wald(森に夕闇せまるころ)
Ljuba Stiplova・作 Mirko Hanak(ミルコ・ハナーク)絵

Urachhaus 79年
B カバーなし 表紙角ヘコミ 経年相応のいたみ 比較的、良好

オリジナルは76年、プラハ Albatros社で出版。
見返しは、おぼろ月夜の差し込む森です。
カワセミの本、キツネの本、そして、本書も見返しに太陽や月が描かれていて、ハナークらしいと思います。
鳥や動物が食べ物を調達し、子どもたちに与え、一日を終えていくさまが見開きごとに描かれています。
終わりの一文は「Gute Nacht!」−−お休みなさい。
狩猟があり、正と死があり、それも含めて「生」の営みがあり、それぞれの時間が流れていて…。
ハナーク亡きあとに出版されたものです。文字は少なめ、
絵が大きくて、ハナークの世界を存分に味わえる1冊。

ハードカバー 30ページ。サイズ 天地25.9センチ×左右19.7センチ

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2009年3月入荷分2008年9月入荷分
ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1・ミルコ・ハナークその2・
新しめの本
動物と子どもと… その1その2動物の絵本 その1その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1その2
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

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