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チェコの絵本たち


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ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1ミルコ・ハナーク その2
新しめの本
動物と子どもと… その1その2動物の絵本 その1その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1・その2・
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

チェコ最大の出版社といえばArbatros社。
その前身であるSNDK社が50年代から60年代に出版していた絵本たちです。
いずれも完成度がひじょうに高く、つくり手たちの心意気を感じさせます。
ページ数が多いものは、絵本というよりは児童書の趣。
本としてのつくりの愛らしさを、ぜひごらんいただきたいです。

英語以外の文字は表示しにくいので、
書名・著者名など正確な表記は画像写真をごらんください。

■SNDK 50年代ー60年代の絵本■

covercoverチェコ語版 MITA a MISA(ミタとミサ)
N.KALININOVA 絵・Vaclav Kocourek

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1952年  4700円
C 経年相応のいたみ 表紙・中ページともシミ多数 当時の定価64コルナ

少女はクマさん、少年はサルのぬいぐるみをかわいがっています。
子ねこを拾って、みんなでかわいがる場面も。しかし、子ねこは水槽の金魚に夢中です。

1948年ごろから社会主義政策が急速に進められました。
1952年といえば、まさに社会主義時代のころです。
プラハに行ったら「共産主義博物館」に行ってみてください。
共産主義時代の絵本もいろいろ見ることができます。ソ連が干渉していた時代だけに、
絵柄もこの時期のソ連の絵本のようです。チェコは民主化されてまだわずか15年ほどなのです。
ハードカバー 43ページ。天地29.4センチ×左右21.1センチ


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coverチェコ語版 KOZLICEK KASTANEK(黒ヤギの絵本)
Charles Vildrac 絵・Jean Giannini

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1964年 4300円
B 経年相応のいたみはありますが、64年のものとしては良好 カバーなし 当時の定価15コルナ

オリジナルは1949年、1958年にパリで出版されたもの。
4匹兄弟で育った黒ヤギが、さまざまな経験をしてたくましく成長していくお話のようです。
64年のもので、この絵柄、この色づかい。
チェコの絵本ワールドは、本当にパワフルです。
40年しまいこまれていたと思えないほど、状態はまあまあです。
この本がどこでどうやって40年の月日を過ごしてきたのかと思うと、ちょっと胸にくるものがあります。

ハードカバー 140ページ。天地21センチ×左右14.7センチ

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coverチェコ語版 BYLI JEDNOU DVA(ふたり、こうだったね)
Jiri Kafka 絵・Jan Kubicek(ヤン・クビチェック)

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1964年 3400円
B 経年相応のいたみはありますが、64年のものとしては良好  扉下部ヤブレ
カバーなし 当時の定価11.50コルナ

主人公ふたりの少年が、凧あげをしたり、空とぶじゅうたんに乗ったり。
イラストが大変、印象的。
コラージュを多様して、アーティスティックな世界を展開しています。

ハードカバー 94ページ。天地21センチ×左右14.7センチ

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coverチェコ語版 Ohnostroj Pro Dedecka(やんちゃな男の子の絵本)
Jaroslava Blazkova 絵・Olga Cechova

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1966年 3600円
B 経年相応のいたみはありますが、66年のものとしては良好 カバーなし
扉に元所有者の名前印あり 当時の定価11.50コルナ

やんちゃな少年、おしゃまな少女、大人たち…、
人物がたくさんイキイキと描かれています。
今にも動き出しそうな、動きのある線、ぜひごらんいただきたいです。
カラーのイラストはありませんが、
インクによる線で自由自在に描かれたスケッチが印象的。
オレンジ色バック、グリーンバックの線画が織り込まれて、
おしゃれな仕上がりになっています。
Olga Cechovaは、絵本・児童書の挿絵を多く手がけ、アニメのデザイナーとしても活躍しています。

ハードカバー サイズ天地21センチ×左右14.7センチ

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cover品切れ チェコ語版 POVIDANI O PEJSKOVI A KOCICCE(こいぬとこねこは愉快な仲間)
JOSEF CAPEK(ヨゼフ・チャペック)

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1953年  4600円
B 経年相応のいたみ シミ 当時の定価67コルナ、95コルナ

こいぬとこねこは大の仲良し。森の中に小さい家を建てて、お互いをぞうきんがわりにして
ゆかを洗ったり、物干しに並んでぶらさがって体を乾かしたり。
モノクロのイラストと、赤・ブルー・黄色のカラーのイラストがどちらも愛らしい。
ほのぼのぬくもりを感じさせ、作者の人柄が伝わってくるかのようです。
日本語版は68年出版。
現在発売している「こいぬとこねこは愉快な仲間
なかよしのふたりがどんなおもしろいことをしたか」(河出書房新社)のもとのチェコ語版です。

ヨゼフ・チャペック(1987年〜1945年)は、チェコ・フロノフ生まれ。
弟のカレル・チャペックとともに、20世紀前半、チェコの代表的文化人のひとり。
「ダーシェンカ」「園芸家12カ月」ほか、カレルの著作の装丁や挿絵でもおなじみです。
劇作家、芸術評論家、舞台芸術家としても活躍。世界大戦のさなか1935年に捕らえられ、
1945年、終戦を前に、アンネ・フランクもいたベルゲン=ベルゼン収容所で亡くなりました。

表紙の色づかい+赤い布の背表紙もイカしています。SNDKの編集者のセンスが光っていますね。
ハードカバー 114ページ。サイズ 天地27.5センチ×左右21.2センチ

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cover品切れ チェコ語版 O DETECH A VIRATKACH(ミレルの動物絵本)
EDUARD PETISKA 絵・Zdenek Miler(ズデネック・ミレル)

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1962年  4900円
C 経年相応のいたみ シミ カバーなし 当時の定価11コルナ

ズデネック・ミレルの描く動物、子供たちのイラストがかわいらしい絵本です。
1962年といえば、おなじみ「クルテク」はすでに世の中に出ています。
この絵本にも、ちょっとクルテクっぽいイラストが登場しています。

ズデネック・ミレルは、1921年、チェコスロバキア クラノド生まれ。
プラハ工芸大学卒業後、児童書の挿絵や漫画雑誌などの仕事をします。
その後アニメーション作家としても活躍。チェコの国民的アイドル、もぐらの「クルテク」は、
1957年から製作。脚本や映画監督も担当しています。監督作品・アニメーション
「太陽を盗んだ百万長者」でベニス国際映画祭ブロンズメダル、ヴェネチア国際映画祭で特別賞を受賞。
国際的にも評価されている人です。絵本作家としても、クルテクに限らず、
明るく魅力的なキャラクターをたくさん産み出しています。

ハードカバー 62ページ。天地24.4センチ×左右17センチ

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cover cover品切れ チェコ語版 O SMUTNEM TYGROVI(ふしぎなトラ)
文・絵 ALOIS MIKURKA

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1968年 3200円
B 表紙コーティングいたみ カバーなし 当時の定価13コルナ

動物園へ行くと、オリの中にはなんともフシギなトラがいます。
ストライプのトラ、水玉模様のトラ…。
なんと、オリを抜け出し、空を飛んでいって、オリの中はからっぽに。
飼育係の人たち、口をあんぐりしているのはひとりだけ。
ほかの人は皆げらげら笑っています。底抜けに明るいです。

まるで幼稚園児が描いたかのような、のびのび、そしてアバンギャルドな絵柄です。
表紙は少し色落ちしていますが、中ページのイラストは鮮やか。きれいです。
どの見開きにも鮮やかなイラストが入っています。
1968年にこのような絵本が出版されているなんて。チェコ文化ってすごいと思います。
ハードカバー 18ページ。サイズ 天地25.8センチ×左右20センチ

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cover品切れ チェコ語版 Kviti u cesty(花のありかた)
Heda Pruchova 絵・Ludmila Hinzeova

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1959年 4000円
B 経年相応のいたみ カバーなし 扉にHAMPLの印 当時の定価11.30コルナ

1ページにつき1つ、花と動物(虫、鳥やカエルなど)が描かれ、
おそらくポエムらしき散文が書かれています。
水彩による繊細な色づかい、のびのびとした絵がすばらしく、見惚れます。
言葉がわからなくても、お好きな人にはたまらなく好きな世界だろうと思います。

ハードカバー サイズ天地22センチ×左右17センチ

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品切れ チェコ語版 ZAHRADNIK HEJDUK A O LIDUSCE,MALIRCE POKOJU(森に生きる)
Jarmila Glazarova 絵・Milada Maresova

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1960年 3900円
B 表紙・本文よごれ 表紙・裏表紙の角いたみ 裏見返しヨレ カバーなし
当時の定価7.80コルナ

2つのお話が入っています。
最初のほうは、森の家に住む父親と少女が主人公。
犬とカゴの鳥と一緒に暮らしています。
秋になり、少女はきのこを薄切りにしてはヒモに通して保存食作り。
お父さんとブルーベリーやラズベリーなど果物集めにも余念がありません。
お父さんは、夜の森へ。満月の晩、森のさまざまな動物たちが集まってきます。
冬場、少女はシカや鳥、キツネ、リスなどに食べ物を配ります。
お父さんは、庭に大きな池をこしらえます。
そこに集まる色とりどりの蝶、フクロウ…、森の生き物がたくさん描かれています。
インクによる繊細な線画と、水彩による彩色で
幻想的な美しい絵本になっています。

ハードカバー サイズ天地17センチ×左右17センチ cover cover

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品切れ チェコ語版 MALIROVA ZVIRATKA(動物のポエム&イラスト集)
Kamil Bednar 絵・Frantisek Tichy

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1961年 4300円
B 経年相応のいたみ 61年のものとしては良好 カバーなし
当時の定価13.50コルナ

「KOHOUT」(タップ)という作品には、“Kykyryku!”(コケコッコー!)という文字を含んだ
ポエムとともに、のびのびしたニワトリの絵が。イラストを含むページは白、文字だけのページは
ピンクの紙を使っています。見返しは群青色に白ぬきのヤシの木。本のつくりが大変おしゃれで、
40年以上もの年月のへだてをまったく感じさせません。ちっとも古びていないのです。

Frantisek Tichy(1896年〜1961年)は、有名な画家であり、また、グラフィックアーティスト、
イラストレーター、ステージデザイナーとして、多彩な活躍をした人物。
1930年、プラハを出てブラジル・サンパウロへ向かおうとしました。
ところが、南アメリカへの船に乗ることができず、マルセイユ、フランスへ。
かつて5年間滞在したフランスで過ごすうちに、自分がいちばんやりたいのは画家だと悟ります。
最初の個展は1934年、プラハでおこなわれました。
この人の描く動物の絵は、のびやかで絶妙な味わいです。
ハードカバー サイズ天地26.5センチ×左右20.4センチ
cover cover

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cover品切れ チェコ語版 CIRKUS U TRI SLUNECNIC(サーカスの絵本)
 Frantisek Kozik 絵・Ondrej Michalek

プラハ SNDK(Statni Nakladatelstvi Detske Knihy)1965年 4300円
B 小口シミ 経年相応のいたみはありますが、65年のものとしては良好
カバーなし 当時の定価13.50コルナ

サーカス小屋での動物たちや人をいきいき描いた絵本です。
たとえば、オウムの胴体の絵柄、ごらんください。
アバンギャルド&アーティスティックなこの絵柄には目を奪われます。
夜のサーカス小屋はじめ、ファンタジックな世界が展開されています。

ハードカバー 140ページ。サイズ天地21センチ×左右14.5センチ

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2009年3月入荷分2008年9月入荷分
ミルコ・ハナーク 2007年1月入荷分ミルコ・ハナーク その1ミルコ・ハナーク その2
新しめの本
動物と子どもと… その1その2動物の絵本 その1その2
SNDK 50年代ー60年代の絵本 その1・その2・
パノラマ絵本 ボード絵本とびだす絵本 アルティア 日本語版品切

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