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ロシアの絵本・美術書


ユーリー・ノルシテインの世界ロシア絵本TODAY
広告ポスター、マトリョーシカほかアートと絵本の周辺
50年代ー80年代の古書
90年代以降の絵本 その1その2その3その4その5その他チェブラーシカ
イワン・ビリービン・80年代の絵本 日本語版・ 80年代以降の絵本 日本語版80年代以降の絵本 日本語版 続き
日本語版 古本



こちらで紹介した新読書社の本はいずれも新刊です。
いずれも長年、倉庫に置かれていた貴重な本です。(お宝、デッドストックともいう?)
Printed in USSRの文字が入っています。「USSR」…なつかしい響きですね。
多少イタミがある点はご了承ください。状態についてはご注文をいただきましたときに確かめてお知らせいたします。
すでにもう数が少ないものもありますので、品切れのときはご容赦ください。
とくに、旧ソ連で印刷・制作された本は、つくりが粗い部分もあります。
それはそれで素朴な味といいますか、独特の味わいとお考えいただけたらと思います。

なお、本によっては発送まで少々お時間をいただくことがありますので、ご了承ください。





cover品切れ いいってどんなこと? わるいってどんなこと?
マヤコフスキー作 松谷さやか訳 キリロフ ヴェ絵

新読書社 81年・初 400円 イタミ・ヨゴレ

背表紙に文字はひとつもありません。
表紙を開くと、扉はなく、いきなり絵、そして文章が始まります。

かわいいぼうやがやってきて おとうさんにききました。
「いいことって どんなこと? わるいことって どんなこと?」
さあ、おいでよ こどもたち おとうさんがいったこと
みんな おしえてあげようね いいかい よおく きくんだよ

あめがしとしとふったあと おひさま ぱっとかがやいた
それはとってもいいことさ おとなにとっても こどもにも

ウラジミール・マヤコフスキー(1893〜1930)は、世界的に有名な詩人ですが、
このように子どものための詩も書いています。

マヤコフスキーはグルジアのバグダジ村で、貴族身分の家庭に生まれました。
父の死後、1906年、モスクワへ移住して、15歳のときロシア社会民主労働党(ボリシェヴィキ)に入党。
逮捕歴3度めの獄中で文学に転じます。
アヴァンギャルドな未来主義の芸術運動を続けて、詩だけでなく、劇作家、
ポスターやプラカード製作、映画シナリオ(俳優も兼ねた)ほか、多彩な活躍ぶりでした。
十月革命を「私の革命」と呼んで歓迎したアヴァンギャルド詩人は傑作絵本
「海と灯台についての私の本」で迫り来る闇の時代を予感しつつも未来への希望を力強く謳いあげます。
しかしながら、時勢の変化に絶望して、1930年、ピストルで自殺を遂げました。
「幻のロシアの絵本1920-30年代展」に行った人はおわかりのとおり、
革命の進行に希望を抱いたものの、結局は国の方向性に思いが破れ、
拳銃自殺を遂げた人はけっして少なくなかったのです。彼も、そんなひとりでした。

一部、色うつりがあり、表紙にイタミやヨゴレがあります。
しかし、そんなこと気にならないほど、絵柄のインパクト大!
オレンジ色の肌。原色づかいの粋。貴重な絵本だと思います。

新読書社とプログレス出版(モスクワ)の共同出版として発行された<ソビエトの子どもの本>シリーズの1冊です。
Printed in USSR の文字が裏表紙に入っています。
ハードカバー 21ページ。サイズ 天地26.6センチ×左右21センチ

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coverシューリクのまほう エヌ・ホーソフ作 イ・セミョーノフ絵 福井研介・訳
新読書社 82年 400円

いたずらっ子シューリクとおにいちゃんは、夏、おじいちゃんの家に行きます。
おじいちゃんちに着くと、釣竿のとりっこで兄弟ゲンカ。
おにいちゃんが池で釣りをしている後ろへやってくると、シューリクは
「つれても落ちてくるように」と魔法のおまじない。
おにいちゃんとしてはいちいち弟がうるさくてたまらないのですが、
おじいちゃんおばあちゃんは優しくあたたかく孫を見守ります。
夏休み、遊んだ子どものころをきっと思い出すと思います。
そう、一日がとっても長くて、何かおもしろいことをしたくて仕方なかったあのころを。

見返しがかわいらしく、本のつくりがとても愛らしい。これで400円は、82年という時代だからこそ。
新読書社とプログレス出版所(モスクワ)の共同出版として発行された<ソビエトの子どもの本>シリーズの1冊です。
Printed in USSR の文字が裏表紙に入っています。

ハードカバー 16ページ。サイズ 天地26.9センチ×左右21センチ



cover再入荷分、品切れ どうぶつのちびちゃん ラプチェフ 作・絵 おちあいかこ 訳
新読書社 83年 500円→450円 在庫処分品(残りわずか)。表紙・背表紙などイタミ・ヨゴレがあります。50円値引きします

子じかちゃん、こわがらないで、きのみをおたべ。
ラクダくんにクマくん かぶをしっかりつかんでる。どっちのものかな。
…子ウマ、シマウマ、ペンギン、ひよこ、ゾウなど動物の子どもたちをユーモラスにいきいき描いた絵本。
イラストがかわいいことといったら! ぜひごらんください。最後の入手チャンスかもしれません。
先着順で状態の良いものからお届けしますので、お早めにどうぞ。

新読書社とラードガ出版所の共同出版として発行された<ソビエトの子どもの本>シリーズの1冊です。
Made in USSR の文字が裏表紙に入っています。

ハードカバー 19ページ。サイズ 天地27センチ×左右22センチ



cover品切れ おえかき だいすき レグコビット 作・絵 あさひみちこ 訳
新読書社 83年 500円 表紙・見返しほか少イタミ・ヨゴレ

おんどりさんがおひさまかいた
とりさんさんたちは おそらをあおくぬっている
もりのかじやの おやねのうえで てんとうむしがいろをぬる
…こねこも、めんどりかあさんも、くまくんも みんなお絵かきが大好き。
カラフルな絵柄が目にあざやか! どんな元気がないときでも、
この絵本を開いてみて。きっとパワーをもらえそうな、エネルギッシュ&独創的な絵柄です。
この国の底力を感じさせられます。

新読書社とラードガ出版所の共同出版として発行された<ソビエトの子どもの本>シリーズの1冊です。
Made in USSR の文字が裏表紙に入っています。

ハードカバー 15ページ。サイズ 天地27センチ×左右22センチ

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cover品切れ ロシアの民話 銀色の馬 M.ブラトフ 絵 マーブリナ ばばともこ 訳
新読書社 83年 500円 表紙ほか少イタミ・ヨゴレ

むかしむかし、おじいさんと3人の息子が住んでいました。
3番めの息子は「イワンのばか」と呼ばれていました。
おじいさんの麦畑がめちゃくちゃにされるので、かわりばんこに見張りをすることに。
イワンが番をした夜、銀色と金色の馬が畑にあらわれました。
イワンは首になわとかけて飛び乗ります。
「イワン、はなしておくれ。いつかきっと、君の役にたつから!」と馬…。
銀色の馬のおかげで、イワンがおひめさまと結婚するまで。

有名なロシア民話ですが、絵を描いているのがタチャーナ・マーブリナ(1902〜96)。
75年にソビエト国家賞、76年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞している人。
色づかいの妙はこの人ならでは。見返しだけでも見る甲斐があります。
ノンブル(目次)を囲んで馬2頭が描かれているなど、小技もきいています。
「彼女の絵は民画や民芸から"ものの把握の大胆さ"というエッセンスを得ているが、
素朴とは逆の並々ならぬ画家の修練を筆太の易々と見える即興性の中に感じないわけにはいかない」(堀内誠一)

新読書社とラードガ出版所の共同出版として発行された<ソビエトの子どもの本>シリーズの1冊です。
Made in USSR の文字が裏表紙に入っています。

ハードカバー 23ページ。サイズ 天地27センチ×左右22センチ



coverちょうちょう コヴァリ・文 中村千春・訳 マーヴリナ・絵
新読書社 95年・初 1854円 表紙ほか少イタミ・ヨゴレ

扉を開くと「青少年図書の国際評議会は、1976年、タチヤーナ・マーヴリナに
児童書イラストに対する国際貢献に対してハンス・クリスチャン・アンデルセン賞を贈った」の文字が。

「ちょうちょのことを空とぶ花とよんでいます。私はこのようなたとえを、あまり好きではありません。
だって、花がほんとうにとんだりするでしょうか!」
ロシアの森や農村、自然の美しさをみずみずしく描いています。
マーヴリナの伸びやかで美しい絵を楽しめる大型絵本です。

ユーリー・コヴァリとマーヴリナが組んだ本は6冊あって、
本書に収められた十篇は、ふたりのシリーズのうち「ガラスの池」と「蝶」より選んだもの。
ひもでつないだ猫をつれた公爵夫人のお話「猫をつれた奥様」も含まれています。

「タチヤーナ・マーヴリナさんの絵は、明るい朱の赤、鮮やかな黄、緑をつかった、
花のように華やかで明るく、動きのある絵、といわれています。
でも、その明るい赤は、ロシアのドゥイクコボの土人形の着物の色であり、
ウクライナの民族衣裳の色でもあるということです」(訳者あとがき)
製版・印刷・製本とも、日本の会社が手がけた本です。

ハードカバー 29ページ。サイズ 天地27.6センチ×左右21.6センチ



cover品切れ ファンタジー童話 きえた 女の子 ガリーナ・デムイキナ 中込光子 訳 V・シュリジェンコ 絵
新読書社 83年 980円 小口シミ

絵の世界にはいりこんだ少女たちが みたり、きいたりする色とファンタジー
花や木、そして恐怖、よろこび、おどろき   少女のファンタジー(帯より)

作者のガリーナ・デムイキナは、子どもや大人のための詩や物語をいくつも書いています。
作家になる前はモスクワの全ソ・ラジオ放送の児童番組制作局に勤務。
当時、童話作家として有名なチェコフスキーやマルシャークなどがよく局に遊びにきていたそうです。
放送局には全国の子どもたちから、明るくまっすぐに善や正義を願う手紙がたくさん寄せられました。
子どもたちに直接語りかけたいと思った彼女は子どものための詩を書き始めて、
1961年、処女詩集が出版されました。本書でも、詩が効果的に挿入されています。

「きえた女の子」は、デムイキナさんがポーランドの画家タデウシ・マコフスキの
子どもの絵からヒントをえて書いた作品です。
これは、ゾーヤという女の子がおじさんのかいた絵の世界に入りこんで、
おじさんのかいたプルルンたちと友だちになるお話です。
…「きえた女の子」もそうですが、デムイキナさんの作品では、
日常の生活ととなりあわせにふしぎなファンタジーの世界が広がっています。(訳者あとがき より)

V・シュリジェンコの絵がすばらしいです。見開き12点以上あります。
本当にすごいです。80年代にはまだこのような絵柄、印刷がごく普通に
行われたいたのですね。百聞は一見にしかず、です。ぜひぜひ。
> ファンタジー、詩、絵…すべて味わえて手ごろ感、大だと思います。

新読書社とプログレス出版所(モスクワ)の国際共同出版。
Printed in USSR の文字が扉の裏に入っています。
ジャスト・フィットとは言いがたいのですが、厚手のビニールカバーがなつかしい感じ。

ハードカバー 151ページ。サイズ 天地22センチ×左右17.5センチ

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covercover品切れ パパのおはなし ドミートリイ・マーミンーシビリャーク  ユージン絵 高山あきら 訳
新読書社 86年 980円 小口シミ

マーミンーシビリャークは1852年生まれ。
ウラル地方の工場で育ち、大変貧しい暮らしでしたが、両親は思いやりにあふれていました。
シビリャークは工場の職工たちからおとぎばなしをたくさん聞きました。
また、両親のおかげで本を読むのが大好き。ついにウラルの生活を描いた最初の作家となります。
小説をたくさん書いて、民衆らが不正や圧迫との闘う姿を愛情深く描きました。
また、子どものための物語もたくさん書きました。

本書は、父親であるシビリャークが娘アリョーヌシカのために話してやった物語を集めたもの。
本人も数々の作品の中で、「これは私の大好きな本です。この本を書いたのは愛情そのものなのです。
ですからこの本はほかのどの本より生命が長いのです」と語っています。
お話もイラストも装丁も、いずれもとても愛らしい1冊です。見返しの花柄など、とてもおしゃれ。
装丁は、ラードガ出版所によるもの。

百年前のロシア、それもヨーロッパとシベリヤの境にあるウラル地方の自然の中で作られた
このおはなしには、この国の生活が非常によくとけこんでいます。
主人公たちは動物や植物やお人形ですが、おはなしの中でウラル地方のロシア人の生活が
活写されているところを味わいながら読んでいただければ幸いです。(訳者あとがき、より)

新読書社とラードガ出版所(モスクワ)の国際共同出版。
製版・ワープロ企画は東京、製本・印刷はラードガ出版所(モスクワ)による1冊。Printed in USSR。
ハードカバー 151ページ。サイズ 天地22センチ×左右17.5センチ

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cover品切れ とびだす絵本 さぁて なんだ? ピーニナ作 おちあいかこ 訳
新読書社 84年 600円 背表紙ヘコミ・イタミ

かあさんめんどりと ひよこたち!
かあさんひつじと こひつじたち!
かあさんかもと こがもたち!
絵本によくある話といえば、そうなんですが、ディテールがなんとも愛おしい。
表紙のひよこが虫をくわえていたり、野の花がなんとも可憐だったり。
表紙も含め、全体的に厚紙で作られてヘナヘナ。しかけもまあシンプル。しかし、そこがまたなんともかわいらしい。
天気がいい日に田園風景を見て、ほーっと深呼吸でもしているような、 なごやかな気持ちになります。
新読書社とマルィシ出版所(モスクワ)国際共同出版として発行された1冊です。
Printed in USSR の文字が裏表紙に入っています。

厚紙 16ページ。サイズ 天地21.5センチ×左右26.8センチ



cover品切れ とびだす絵本 ちいさな ひよこ チュコフスキー作 シェワリョーワ 絵
新読書社 84年 600円 背表紙ヘコミ・イタミ 中ページよごれ

チュコフスキーとあるので、まさかと思って見比べてみたのですが、やっぱりКорней Чуковский
同姓同名の別人でなければ、おそらく同一人物でしょう。
動物とお話ができるドクトル・アイボリー シリーズで大人気のチュコフスキーがこんなにかわいいお話も書いていたのですね。
そう思って読むと、単純なお話が多いとびだす絵本の中では、きちんとストーリーがあるのです。

あるところに、いちわのひよこがいました。
小さいのに、自分ではとても大きいんだと思って、いばっていました。
強がっているうちに、うっかり池に落ちてしまって…。
水彩のイラストがなんとも素朴で、たまりません。
厚紙ベコベコの素朴なしかけ絵本、昔の香りがして、なんともかんともぐっとくる1冊です。
新読書社とマルィシ出版所(モスクワ)国際共同出版として発行された1冊です。
Printed in USSR の文字が裏表紙に入っています。

厚紙 16ページ。サイズ 天地21.5センチ×左右26.8センチ



coverとびだす絵本 ロシア民話 おかあさんやぎが、やっとおうちをたてました おちあいかこ訳
新読書社 92年 1150円 背表紙ヘコミ・イタミ 中ページ色うつり

おしゃべりばあさんのところに、お母さんやぎと子やぎたちが住んでいました。
おしゃべりばあさんのおしゃべりが度をこえているので、お母さんは家を出て、子やぎたちと森へ。
おうちを建てて住みましょうと宣言します。
りんごの木、松の木、かしの木、やまならしの木…、
次々にお母さんは、そばにおうちを建てていいかどうか聞きます。
それぞれの理由で断られて結局は…。

しかけは、先の84年のとびだす絵本と比べると、多少こっています。
でも、版ズレがあるのはご愛嬌でしょうか。
お母さんやぎと子やぎたちの服、花々など、ディープなかわいらしさ。
写植は日本。新読書社とマルイシ出版(モスクワ)の共同出版。

厚紙 14ページ。サイズ 天地26.5センチ×左右21.2センチ



cover品切れ とびだす絵本 ロシア民話 ちいさなおうち ミハイル・ブラートフ再話 カルペンコ絵 内山紀子 訳
新読書社 92年 1150円

野原に小さなおうちがありました。
あなぐらねずみがそばを通りかかって、おうちに訪ねます。
「おうちさん、ちいさなおうちさん! だれが中に住んでるの?」
だれも返事をしないので、ねずみはおうちに入って暮らすことにしました。
ケロケロがえる、ピョンピョンうさぎ、ねえさんぎつね、はいいろおおかみ…
次々にやってきて、一緒におうちで暮らすことになります。
そこへぶきっちょぐまがやってきて…。
最後の最後は、だれも悲しまず、みんな仲良し。最後のしかけと絵の感じはなかなかのものです。
写植は日本。新読書社とマルイシ出版(モスクワ)の共同出版。

厚紙 14ページ。サイズ 天地26.5センチ×左右21.2センチ

ユーリー・ノルシテインの世界ロシア絵本TODAY
広告ポスター、マトリョーシカほかアートと絵本の周辺
50年代ー80年代の古書
90年代以降の絵本 その1その2その3その4その5その他チェブラーシカ
イワン・ビリービン・80年代の絵本 日本語版・80年代以降の絵本 日本語版80年代以降の絵本 日本語版 続き
日本語版 古本



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