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ロシアの絵本・美術書


ユーリー・ノルシテインの世界ロシア絵本TODAY
広告ポスター、マトリョーシカほかアートと絵本の周辺
50年代ー80年代の古書
90年代以降の絵本 その1その2その3その4その5その他チェブラーシカ
イワン・ビリービン80年代の絵本 日本語版80年代の絵本 日本語版・80年代以降の絵本 日本語版 続き
日本語版 古本



こちらで紹介した新読書社の本は、いずれも新刊です。
新刊ですが、長年、倉庫にしまいこまれていた本もあり、搬送中・保管中についたイタミが多少ある場合があります。
とくに、旧ソ連(USSR 懐かしい響き!)で印刷・制作された本は、つくりが粗い部分もあります。
それはそれで素朴な味といいますか、独特の味わいとお考えいただけたらと思います。

なお、本によっては発送まで少々お時間をいただくことがありますので、ご了承ください。





coverマーシャ よるのおさんぽ
ガリーナ・レーベジェワ・作 宮下洋子(ひろこ)・訳

新読書社 500円 B+ 表紙・裏表紙の角、ややスレ。本文、良好ながら僅かにシミ

おかあさんはマーシャをベッドにいれて、部屋の明かりを消します。
横になってもちっとも眠くならないマーシャ。
そうっと部屋から出ると、玄関のドアをあけて外へ出ていきます・・・。
犬、ニワトリ、そして、アオサギも出てきますよ。

新読書社とモスクワ・ラードガ出版所の共同出版として発行された、〈ソビエトの子どもの本〉シリーズ。
"Printed in USSR"の文字が入っています。

ハードカバー 16ページ。サイズ 天地28.8センチ×左右22.7センチ




cover黒いめんどりと地下のこびとたちの物語
アントニー・ポゴレリスキー 室原芙容子・訳

新読書社 89年・初版 1200円 A− ビニールカバー

「今から約40年ほどまえ〔この物語が書かれたのは1829年〕
ペテルブルグ市〔今のレニングラード市〕ワシリー島の一番街に
男子の寄宿学校の校長先生がすんでいた。
その当時この学校の建物があったところにはもうずっとまえから別の建物がたっていて、
むかしのおもかげはもうまったくみられない。
けれども、その寄宿学校のことはいまえもたぶん大勢の人たちがよくおぼえていることだろう」

寄宿学校に入っていたアリョーシャという少年。
アリョーシャに親切にしてもらった恩を忘れずにいた黒いにわとり。
「ついてくるのです!」とにわとりに言われて、アリョーシャは勇気を出してついていきます・・・。
1ページ大、あるいは見開きいっぱいに広がるイラスト、活字ともにシックで重厚感たっぷり。ゆっくり紐解きたいです。

製本・印刷 モスクワ・ラドガ出版所。
新読書社とラドガ出版所の共同出版として発行されました。

ハードカバー 56ページ。サイズ 天地28.8センチ×左右22.7センチ




coverヤドカリとバラ
ボリス・ザボデール カリノフスキー絵 ばばともこ・訳

新読書社 90年・初版 1300円 A− ビニールカバー

青い海に小さなヤドカリの子が住んでいました。
あんまりひどい暮らしだったので、ヤドカリにとって海は灰色のように思われました。
「だれにきいても、海は青いっていうんだ。へんだなあ」とヤドカリ。
本当の友達を見つけることができたら、海が青くなるだろうと言われて・・・。

半ページから1ページ大、あるいは見開きに渡るイラストが多数。
深い青い海のように幻想的なタッチもあり、表紙のようにカラフルで美しいイラストもあり。

表題作のほか「はいいろのおほしさま」「ちびうさぎ」
「なぜおんどりは3かいなくの」「きつねのさいばん」「うたをうたうおおかみ」の6篇。

作者ザボデールは、1918年、旧ソ連邦 モルダビヤ共和国の都市・カグール市に生まれました。
1935年、学校を終えても自分にあった職業を選べず、工場に入って旋盤工になり、
そこから航空大学に通って学び、カザン大学を経てモスクワ大学へ。
生物学を学ぶうちに、詩を書き始めます。それで今度はゴーリキー記念文学大学に入る決心をして、試験に合格。
1939年、フィンランドの間に戦争が始まり、学友とともに志願兵として出征。
児童文学者としてのデビューは28歳。ユーモアから出版しますが、 「苦しい時代に育った作者にとって、"ほほえみ"がなによりも大切だった」と紹介文にあります。
「ザボデールは、子どものために、叙情的なものと、ユーモアのある叙事的なものの二つを書いている」とのこと。
製本・刷 USSR。モスクワ・ラードガ出版所との共同出版。

ハードカバー 80ページ 天地 26.8センチ×左右 20.7センチ




coverバレエ少女アーシャ
ルコーニン作 ヴィクトル・ドゥビードフ絵 佐伯靖子・翻案

新読書社 96年・初版 1600円 A− カバー

5歳の誕生日に、ぜんまい仕掛けの素敵な人形をもらったアーシャ。
ところが、ねじ巻きがなくなってしまって、人形がお話したり、歌ったり、踊ったりするさまを見ることができません。
つまんない、つまんないと、ふとんの中でつぶやいていたところ、
「アーシャ、アーシャ、目をあけてごらん」と優しい声が聞こえてきました。
声の主は、ぜんまい仕掛けの人形によく似た女の子。
「わたしは人形になったり、妖精になったりするの」というのです・・・。

ドゥビードフは1932年生まれ。美術学校を出てから多数の児童図書の挿画を描き、その功により国家賞を受賞。
カラフルなイラストが、華やかな世界への夢や、バレリーナになりたい少女の思いをきれいに表現しています。

ハードカバー 28ページ 天地 26.3センチ×左右 18.8センチ

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coverピエロの人形
ローベルト・バブロヤン作 ヴィクトル・ドゥビードフ絵 伊集院俊隆・再話

新読書社 96年・初版 1800円 A− カバー

「子どものころから、仲よしだった有名なピエロが、とつぜん亡くなった、
と新聞にのったのを見て、わたしは、びっくりしました。
かなしくて思わず泣いてしまいました。
そのうち彼がもっていたピエロの人形のことを思いだしました。
彼がその人形をもらった日のことを思いだしたのです。
それは、ドイツ軍がせめこんできた戦争中の、つらい、くらい時代でした。
わたしたちは、おない年で、同じモスクワにすんでいました」

37歳の若さで亡くなった友だちーそれは、ピエロの天才、ピエロの中のピエロでした。
書き残されていた日記に触発され、ピエロが大事にしていた人形を30年ぶりに探そうとする主人公。
それは、30年前、ピエロがお兄さんから誕生祝いにもらったピエロの人形でした。
ピエロの彼が書いたお話「人をばかにするなかれ」の最後の言葉は、「人間は、たがいに大事にしあわなければいけないのだ!」
実在のピエロ、実話をモデルに書かれたお話です。
イラストは大変カラフルですが、文学的な奥深さを感じさせる内容です。
じっくり読んで、味わいたい絵本かもしれません。

ハードカバー 32ページ 天地 27センチ×左右 20センチ



coverロシア・シベリアの民話 ソビエトの民話集
編集 R・バブロヤン M・シュームスカヤ 伊集院俊隆 装丁・M・アニクスト

新読書社 86年・初版 1300円 B+ カバーの天地・角などスレ

「日ソ国際共同出版・一流画家による新作」をうたった「ソビエトの民話集 全5巻」の1冊。
本書にはロシアの民話が4篇、バシキールの民話、ブリヤートの民話、カレリアの民話、
チェチェンの民話、チュクチの民話、ネネツの民話がそれぞれ1篇ずつ。
見開きいっぱいに広がるカラフルなイラストが多数。1篇ごとに画家が異なります(一部、同画家)。

「ソビエト連邦は、十五の共和国によって構成されています。
この民話集は、その十五の共和国の民族の民話を地域別にまとめ、五巻に編集したものです。
モスクワのラードガ出版所と東京の新読書社の数年にわたる緊密な協力によって出版されました。
翻訳にも苦心が払われ、小学中学年にも読めるように配慮されています。
装画、装訂には、ソビエトの各共和国の画家があたり、新しい創造的な成果があげられました。
色彩の調子、構成などもそれぞれのソビエト共和国、民族の特長が
でるように配慮されるなど細やかな編集がなされています」(カバー袖より)

ごくごく一部、インクが対抗ページについている場合があります。
装訂、挿画 ラードガ出版所。製本・印刷 モスクワ・ラードガ出版所。

ハードカバー 170ページ強 天地 22.3センチ×左右 21.6センチ



coverアリとハト
レフ・トルストイ ミハイル・ロマージン絵 やまむらゆき・訳

新読書社 1250円 A− カバー

こぶりの本に、味わい深いカラー・イラストがふんだんに盛り込まれています。
寓話多数ですので、思い立ったそのときに少しずつ読むのもいいと思います。

「偉大なロシアの作家レフ・ニコラーエビッチ・トルストイは、
私たちにとってかけがえのない宝物である思想と言葉を、その著作のなかに残してくれました。(中略)
イソップの寓話の主人公たちはさまざまです。
そこには人間もいれば神さまも動物もいます。
けれども、この古代の寓話作者が何を語ろうとも、彼は何よりも子どもたちに話しかけているのです。
おそらく、だからこそときに、彼の主人公たちがお面をかぶった子どもたちのように見えるのでしょう。
いつでも、ここでも、あそこでも、はずれたお面の下から、いきなり、いたずらっぽくてかしこい子どもの目がかがやいて見えます。
寓話のこの特徴を絵に生かそうとしたのが、この本のさし絵をかいた画家のミハイル・ロマージンでした」(まえがき より)
モスクワ・ラドガ出版所との共同出版。

ハードカバー 160ページ強 天地 16.8センチ×左右 12.6センチ



cover赤い花と美しい娘と怪物の物語
セルゲイ・アクサーコフ作 松谷さやか・訳 マイ・ミトゥーリチ・絵

新読書社 2000年・初版 1600円 A−

「美しい末娘と魔法にかけられた怪物との愛の物語は、『美女と野獣』のロシア版ということができます。
『美女と野獣』は、昔から言い伝えられた民話から生まれたもので、世界じゅうに類話があります。
・・・(中略)外国の『美女と野獣』では、末娘ののぞみはバラの花ですが、
ロシアのお話では、末娘は「この世でいちばん美しい赤い花」をのぞみ、作品に象徴的な深みを与えています。
日本にも親しまれているロシアの有名な画家ミトゥーリチさんのすばらしい挿し絵が、この物語に彩りをそえています」(訳者あとがき より)
1ページ大のイラストがふんだんに入っています。

ハードカバー 103ページ 天地 21.7センチ×左右 15.6センチ

ユーリー・ノルシテインの世界ロシア絵本TODAY
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90年代以降の絵本 その1その2その3その4その5その他チェブラーシカ
イワン・ビリービン80年代の絵本 日本語版・80年代以降の絵本 日本語版・80年代以降の絵本 日本語版 続き
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